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国内のでん粉需給動向

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最終更新日:2012年3月9日

国内のでん粉需給動向

2012年3月

調査情報部

農林水産省、でん粉需給見通しを公表

 農林水産省は、2012年2月にでん粉の需給見通しを公表した。(表1)
 
 

(1)需要

〜23年度は前年度とほぼ同等の280万3000トン〜

 23でん粉年度(10〜9月)の総需要量は、前年度比1000トン減の280万3000トンと見込まれる。そのうち、需要の約2/3を占める糖化製品は、熱中症対策としてのスポーツ飲料など清涼飲料向けの堅調な需要が見込まれることから、同6000トン増の186万3000トンと見込まれる。化工でん粉は、製紙向けの需要が低い水準にあるものの、食品の原料向けが安定的に推移するものと見込み、同1000トン増の33万トンと見込まれる。その他の用途は、ビール用需要がビール各社の生産計画が前年並みとなっていることから前年度同様と見込む一方で、製紙・段ボールおよび建材用の需要では、エコポイント制度が終了したことから、全体として同8000トン減の61万トンと見込まれる。

 また、24でん粉年度の総需要量については、今後の需要動向等を見極める必要があるとして、前年度同様の280万3000トンの見通しである。

(2)供給

〜23年度は前年度とほぼ同等の280万トン〜

 23でん粉年度の総供給量は、前年度比1000トン増の280万トンと見込まれる。その内訳は、かんしょでん粉4万4000トン、ばれいしょでん粉16万8000トン、コーンスターチ241万4000トン、輸入でん粉15万9000トンなどとなっている。

 23年産のかんしょについては、植付期の低温や5月の長雨により初期生育が遅れたものの、その後の天候が良好であったことから、原料かんしょの集荷量は同2000トン増の14万9000トンとなったが、でん粉歩留まりの低下が見込まれることから、かんしょでん粉の生産量は同1000トン減の4万4000トンと見込まれる。23年産のばれいしょについては、春先の天候不順等で植え付けが大幅に遅れ、十分な生育期間が確保できなかったことや、収穫期の度重なる台風の影響で耕作地が冠水し原料ばれいしょの腐敗が見られたことから、収穫量が平年を下回る見込みであり、ばれいしょでん粉の生産量は16万8000トンと見込まれる。コーンスターチは、主要な需要先である糖化製品の需要が堅調に推移していることや、23年産の国内産いもでん粉が大幅な減産だったことを勘案し、コーンスターチベースで241万4000トンと見込まれる。

 また、糖化製品および化工でん粉向けの輸入でん粉については、国内産いもでん粉の減産等の影響による糖化用および化工でん粉用の輸入でん粉の増加を見込み、14万2000トンの見込みとなっている。

◆天然でん粉輸入の動向◆

・12月の天然でん粉輸入量は、約1万5000トン(前年同月比46.3%増)
 内訳は、タピオカでん粉が前年同月比35.9%増となる1万2000トン、サゴでん粉が同5.9%減となる1400トン、ばれいしょでん粉が同約82倍となる1600トンであった。

・12月の輸入価格(CIF)、タピオカでん粉、ばれいしょでん粉ともに軟化傾向で推移
 タピオカでん粉価格は前月比1.4%安のトン当たり3万5000円(前年同月比17.4%安)、ばれいしょでん粉価格は8万6000円(同7.5%高)であった。タピオカでん粉、ばれいしょでん粉価格は、ともに軟化傾向で推移している。
 
 
 
 

◆化工でん粉輸入の動向◆

・12月の化工でん粉輸入量は、3万6300トン(前年同月比15.5%増)
 内訳は、でん粉誘導体(HScode3505.10.100)が3万5200トン、デキストリン(HScode3505.10.200)が1100トンであった。でん粉誘導体の輸入相手国は、タイが2万トンと全体の57%を占め、次いでベトナム4000トン、米国2500トン、ドイツ2000トンとなっている。でん粉誘導体の輸入価格(CIF)は、前月比1.7%高のトン当たり6万8000円。デキストリンは同11.6%安の10万9000円であった。 
 
 
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