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平成24年度末における砂糖・でん粉の調整金収支について

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最終更新日:2013年8月9日

平成24年度末における砂糖・でん粉の調整金収支について

2013年8月

特産調整部管理課

1.はじめに

 農畜産業振興機構(以下「機構」という。)は、平成24年度末をもって、第二期中期目標期間(平成20年4月1日〜平成25年3月31日)を終了した。「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」が平成19年4月に施行、同法に基づく新たな制度(以下「新制度」という。)が平成19砂糖・でん粉年度(平成19年10月〜)から適用されており、この第二期中期目標期間の5年間は、国、関係業界とともに、新制度の定着と安定的運用に腐心してきた期間といえる。

 この間、調整金収支については、砂糖では、新制度当初から赤字が続き、繰越欠損金がピーク時の平成22年度末には794億円にまで増加する状況となったが、その後、新制度の安定的な運用に向けた国、関係業界の取り組みもあり、平成24年度末には、繰越欠損金は304億円に縮小している。

 一方、でん粉では、平成24年度末時点で42億円の利益剰余金を生じ、比較的安定した収支の状況となっている。 本稿では、平成24年度末の砂糖、でん粉に係る財務会計の状況を紹介する。

2.新制度の下の機構業務

(1)新制度以前は、砂糖については、国内産糖製造事業者に対する交付金とその交付要件としての原料甘味資源作物に係る最低生産者価格の保証により、でん粉については、輸入トウモロコシ等の関税割当の際の、いわゆる「抱合せ措置」により、国内産糖、国内産いもでん粉の生産を支える仕組みがとられた。

 しかしながら、農政改革の流れの中で、経営所得安定対策に対応した施策体系が求められたほか、市場シグナルを反映した価格形成の仕組みの導入、生産コスト削減に向けた取り組みの強化、さらに、でん粉については、国際規律の強化に対応するための透明性の高い国境措置への移行が必要とされたことから、新制度の導入に至った。

(2)機構は、新制度の下で、砂糖については、従来からの輸入指定糖、異性化糖等からの調整金徴収業務、国内産糖製造事業者に対する国内産糖交付金交付業務に加え、新たに、さとうきび生産者に対する甘味資源作物交付金交付業務を開始した。

 また、でん粉についても、新たに砂糖と同様の仕組みがとられることとなり、コーンスターチ製造用輸入トウモロコシ等からの調整金徴収業務、国内産いもでん粉製造事業者に対する国内産いもでん粉交付金交付業務、でん粉原料用かんしょ生産者に対するでん粉原料用いも交付金交付業務を開始した。

 なお、てん菜生産者、でん粉原料用ばれいしょ生産者に対しては、「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律」に基づく交付金が国から直接交付されることとされ、機構は、調整金収入の一部をその財源として国庫に納付する国庫納付金納付業務を実施することとなった。

3.砂糖の調整金収支の状況

(1)甘味資源作物交付金と国内産糖交付金の財源は、輸入指定糖等からの調整金収入のほか、国がその一部を負担し、機構に交付金(甘味資源作物・国内産糖調整交付金)として交付している。しかしながら、国費部分は、機構を介してそのまま生産者等に交付されるだけで、砂糖勘定の収支動向(損益)は、調整金部分の収支バランスによることから、以下では、調整金収支を中心に記載することとしたい。

(2)調整金単価は、砂糖調整基準価格(国内産糖の製造経費等を基礎に砂糖年度ごとに定められる。)と平均輸入価格(四半期ごとに定められる。)の差額を基礎として算定される。

 平均輸入価格は、粗糖の国際相場と為替の影響を受け、最近のニューヨーク市場における砂糖相場の動きは、平成22年末に1ポンド当たり36セントと、ここ10年の最高値をつけた後、緩やかな下降基調にあり、平成24年度末は同20セントと調整金単価の上昇要因となった。

 加えて、平成22年から国内産糖の生産の減少による輸入数量の増加と、指定糖調整率の上昇により、調整金収入は、平成21年度447億円から平成24年度は559億円と約110億円増加した。

 このほか、平成24年度の国からの交付金(甘味資源作物・国内産糖調整交付金)は、83億円であり、調整金収入と合わせて、平成24年度の砂糖勘定の収入は、642億円となった。

(3)調整金収入を財源とした平成24年度の交付金支出については、

・てん菜糖は、てん菜作付面積の減少に加え、天候不順と病害により、交付対象数量が減少し、てん菜糖製造事業者に対する国内産糖交付金が47億円、

・甘しゃ糖は、台風などの天候や病害虫の被害によりさとうきびが大幅な減産となり、さとうきび生産者に対する甘味資源作物交付金が140億円、甘しゃ糖製造事業者に対する国内産糖交付金が52億円となった。 

 他方、てん菜生産者に係る国庫納付金は、調整金収入が増加したことから、前年比84億円増の269億円となった。

 このほか、その他支出が4億円あり、以上を合わせて24年度の調整金支出は、512億円である。

 なお、国からの交付金(甘味資源作物・国内産糖調整交付金)を財源とする交付金支出が別途83億円あり、砂糖勘定の全支出額は594億円である。
 
(4)以上のような収入と支出の状況から、平成24年度の砂糖の調整金収支は、48億円の黒字となった。

 砂糖の調整金収支については、新制度以降も、平成22年度までは赤字で推移し、同年度中には、一時、砂糖勘定の繰越欠損金が借入金限度額である800億円を超えることも懸念された。このため、国は、平成22年9月に「糖価調整制度の安定的な運営に向けた取組について」を決定し、指定糖調整率の引き上げなどを行うとともに、平成23年4月には糖価調整緊急対策交付金329億円を投入した。

 これらにより繰越欠損金は、平成23年度末時点で352億円まで縮減しており、さらに平成24年度の黒字により、同年度末の繰越欠損金は304億円となった。
 

4.でん粉の調整金収支の状況

(1)既述のとおり、でん粉についても、平成19でん粉年度(平成19年10月〜)から、新制度に移行し、砂糖と同様の仕組みがとられることとなったが、砂糖と異なり、交付金等の財源に国費による負担はなく、調整金収入のみを財源としている。

(2)調整金単価は、でん粉調整基準価格(国内産いもでん粉の製造経費等を基礎にでん粉年度ごとに定められる)と平均輸入価格(四半期ごとに定められる)の差額を基礎として算定される。

 平均輸入価格は、トウモロコシの国際相場等と為替の影響を受け、最近のシカゴ市場におけるトウモロコシ相場の動きは、平成24年8月に1ブッシェル当たり804セントと、ここ10年の最高値をつけた後も、平成24年度末で同726セントと高値基調で推移し、調整金単価の低下要因となった。

 加えて、同年度は景気低迷によるでん粉需要の鈍化もあり、トウモロコシの輸入量が減少したことから、調整金収入は、対前年比27億円減の111億円となった。

(3)他方、平成24年度の交付金支出については、

・ばれいしょでん粉は、交付金単価が引き下げられたものの、交付対象数量が増加し、ばれいしょでん粉製造事業者に対する国内産いもでん粉交付金は15億円、

・かんしょは、天候不順による減産から、かんしょ生産者に対するでん粉原料用いも交付金が33億円、かんしょでん粉製造事業者に対する国内産いもでん粉交付金は11億円となった。

 また、でん粉原料用ばれいしょ生産者に係る国庫納付金も、調整金収入が減少したことから、前年比2億円減の52億円となった。

 以上を合わせた平成24年度の調整金支出は、112億円である。
 
(4)以上のような収入と支出の状況から、平成24年度のでん粉勘定の収支は、1億円の損失となった。

 でん粉の調整金収支については、平成21年度から平成23年度までは、毎年度利益を計上した。これは、トウモロコシの国際相場が上昇し調整金単価は低下傾向であったものの、輸入量が増加していたことが主な要因である。これにより平成23年度末の利益剰余金が42億円となった。

 その後、平成23、24でん粉年度に指定でん粉等調整率が引き下げられたこともあり、上述のとおり平成24年度の収支はほぼ均衡する形となった結果、同年度末の利益剰余金は微減し42億円となった。
 

5.おわりに

 調整金収支の状況は、制度的な枠組みのほか、原料農作物の生産状況、国際相場、さらには為替や景気の動向など様々な要因により左右されるが、機構は、制度の実施機関として、引き続き効率的な制度運営に努め、砂糖類、でん粉の関係者の経営安定のために、その役割を適切に果たしていくこととしている。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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