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年頭のごあいさつ

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最終更新日:2015年1月9日

年頭のごあいさつ

2015年1月

独立行政法人農畜産業振興機構 理事長 佐藤 純二

 

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 当機構の業務につきまして、旧年中は皆さま方のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。 

 
 昨年一年間を振り返りますと、平成26年産のてん菜は、春先に一部の地域で凍霜害や豪雨などによる被害が見られたものの、6月以降は気温、日照時間ともにおおむね良好に経過したことから、史上5番目の高単収で、産糖量は5年ぶりに60万トンの大台回復が見込まれています。

 サトウキビは、近年の不作からの脱却に向け、生産者、JA、製糖事業者、研究機関、行政機関などの関係者の皆さまが一丸となって増産に取り組まれた結果、相次ぐ台風の襲来などにより被害を受けた地域があったものの、平成26年産の生産量は昨年産を上回る見込みとなっています。

 でん粉原料用いもについては、ばれいしょ、かんしょともに作付面積が減少傾向で推移しており、でん粉工場の安定的な操業に向けて原料供給量の確保が引き続き課題となっています。

 海外に目を移しますと、主要生産国におけるサトウキビ生産が順調であり、国際粗糖価格は下落傾向で推移し、9月には1ポンド当たり13セント台まで下落しました。10月には、ブラジルの干ばつなどの影響で同17セント台まで戻しましたが、12月に入り同15セント前後で推移しています。

 トウモロコシ国際価格については、ウクライナ情勢の緊迫化などにより、5月には1ブッシェル当たり5ドル台まで上昇しましたが、その後は、米国の主産地で天候に恵まれたことから下落し、同3ドル台で推移しています。

 このような中にあって、当機構では、砂糖およびでん粉の価格調整制度に基づき、輸入される砂糖・でん粉などからの調整金の徴収業務および国内で生産される砂糖・でん粉の原料作物生産者などへの交付金交付業務を的確に実施しました。加えて、消費者や生産者の方々を含め、広く砂糖およびでん粉の価格調整制度を紹介し、砂糖およびでん粉の安定供給を支える仕組みや、砂糖産業が地域経済の維持や国土の保全の上でも大変重要な役割を果たしていることなどについて、情報提供を行っているところです。

 また、でん粉については、かんしょでん粉に対する理解の醸成と加工食品用途への転換の推進を目的として、「かんしょでん粉製造事業者と実需者との交流会」を開催してまいりました。

 これらの取り組みは、砂糖およびでん粉の価格調整制度の安定的な運用に資するものであり、当機構として、引き続き実施してまいります。

 本誌につきましても、読者の皆さまのニーズをより一層反映した内容とするため、昨年は、地方事務所などを活用した、地域に密着した誌面作りにも努力してまいりました。今後とも、求められる情報を適時、適切に提供するよう努めてまいります。

 一方、昨年6月に独立行政法人通則法が改正され、当機構は引き続き、中期目標の達成を目的とする中期目標管理法人と位置付けられたほか、法人のガバナンスの向上の観点から、監事の権限の強化や主務大臣が業務実績評価を行うなど、本年4月からは新たな枠組みの下で、当機構の業務も行われることとなります。こうした中で、日豪EPAの決着内容やTPP交渉の動向などにも注視しつつ、引き続き適切に業務を行ってまいりたいと考えております。

 本年も、当機構の使命である「農畜産業および関連産業の健全な発展と国民消費生活の安定」を目指し、業務の効率化の推進、透明性の確保に努めるとともに、攻めの農林水産業の推進など政府の方針を十分に踏まえ、当機構としてもこれらの方針を積極的に推進するべく、業務を実施してまいります。このため、女性の一層の活躍を図りながら人も組織も絶えずその時々の要請に応じて機動的に変化させ、この重要な使命を果たしていきたいと考えております。引き続き、皆さまのご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 本年が皆さまにとって希望に満ちた明るい年となりますことをご祈念申し上げ、新年のごあいさつと致します。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713