でん粉 でん粉分野の各種業務の情報、情報誌「でん粉情報」の記事、統計資料など

ホーム > でん粉 > 機構から > 平成26年産でん粉原料用かんしょ生産者の要件審査の結果について

平成26年産でん粉原料用かんしょ生産者の要件審査の結果について

印刷ページ

最終更新日:2015年1月9日

平成26年産でん粉原料用かんしょ生産者の要件審査の結果について

2015年1月

特産業務部でん粉原料課

【要約】

 平成26年産のでん粉原料用かんしょ生産者の要件審査の結果、でん粉原料用いも交付金の交付対象生産者は前年産実績と同程度の5899人となった。

 また、交付対象生産者の収穫予定面積の合計は前年産の収穫面積と同程度の5372ヘクタールで、1人当たりの収穫予定面積は91アールとなっている。

はじめに

 当機構では「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、でん粉原料用かんしょの生産者に対し、その生産コストのうち、かんしょでん粉の原料代としてでん粉製造事業者から生産者に支払われる額では賄えない部分について、経営安定対策としてでん粉原料用いも交付金を交付している。

 生産者が、この交付金の交付を受けるためには同法施行規則に定める対象者要件を満たしている必要があり、当機構ではその要件審査を毎年行っている。

 本稿では、平成26年産の要件審査の結果について、その概要を報告する。

1. でん粉原料用かんしょ対象生産者数

 26年産の対象生産者(交付金の対象者要件を満たしている生産者)は、前年産実績と同程度の5899人となった(表1)。

 交付金の交付を受けた生産者の数は、ここ数年、毎年、前年産と比べると、1割程度減少してきているが、26年産の対象生産者は、前年産実績と比べ0.4%の減少にとどまっている。
 

2. でん粉原料用かんしょの収穫予定面積

 26年産の対象生産者の収穫予定面積の合計は5372ヘクタールで、前年産の収穫面積(5350ヘクタール)と同程度(22ヘクタールの増加)となっている(表2)。

 1人当たりの収穫予定面積は91アールで、前年産実績(90アール)と同程度となっているが、制度が開始した19年産(63アール)と比べると大きく増加している。
 

3. 規模別の対象生産者数および収穫予定面積

(1)26年産の規模別の対象生産者数は、収穫予定面積が0.5ヘクタール未満の生産者が2038人で全体(5899人)の34.5%、1ヘクタール以上の生産者が1603人で全体の27.2%となっている。(表3)。

 19年産と比べると、0.5ヘクタール未満の生産者が全体に占める割合は53.2%から34.5%へと減少しているのに対し、1ヘクタール以上の生産者は17.9%から27.2%へと増加している。
 
(2)26年産の全収穫予定面積5372ヘクタールのうち、収穫予定面積が0.5ヘクタール未満の生産者の収穫予定面積の合計は424ヘクタールで全体の7.9%、収穫予定面積が1ヘクタール以上の生産者の収穫予定面積の合計は3461ヘクタールで全体の64.4%となっている(表4)。

 19年産と比べると、0.5ヘクタール未満の生産者の収穫面積の合計が全体に占める割合は16.8%から7.9%へと大きく減少しているのに対し、1ヘクタール以上の生産者の収穫面積の合計が全体に占める割合は、52.4%から64.4%へと大きく増加している。
 

4. 要件区分別の対象生産者数および収穫予定面積

  対象者要件の区分は、以下のとおりである。

  B−1:認定農業者、特定農業団体、または、これと同様の要件を満たす組織
  B−2:収穫面積の合計が0.5ヘクタール以上である対象生産者(法人を含む)、
      または、収穫面積の合計が3.5ヘクタール以上である協業組織
  B−3:基幹作業(育苗、耕起・整地、畝立て・マルチ、植え付け、防除)の面積の合計が
      3.5ヘクタール以上である共同利用組織の構成員または組合員
  B−4:B−1、B−2の生産者または基幹作業面積の合計が3.5ヘクタール以上である
      受託組織、サービス事業体などに基幹作業を委託している者

(1)26年産の要件区分別の対象生産者数は、B−1が781人で全体の13.2%、B−2が4148人で全体の70.3%、B−3が172人で全体の2.9%、B−4が798人で全体の13.5%となっている。

 前年産実績と比べると、全体に占める割合がB−1が0.5ポイント、B−2が0.8ポイントの増加である一方で、B−3が0.4ポイント、B−4が1.1ポイントの減少となっている(表5)。

 要件区分別の対象生産者数が全体に占める割合を、B−5の要件が廃止された22年産(注)と比べると、B−1が12.1%から13.2%、B−2が66.7%から70.3%へと増加している一方で、B−3が3.5%から2.9%、B−4が17.7%から13.5%へと減少している。

 26年産の要件区分別の対象生産者の収穫予定面積は、B−1が1010ヘクタールで収穫予定面積全体の18.8%、B−2が4132ヘクタールで全体の76.9%、B−3が36ヘクタールで全体の0.7%、B−4が195ヘクタールで全体の3.6%となっており、B−1とB−2を合わせると全体の96%を占めている。

(注)22年産から、受託組織などが存在しない地域における特例として認められていたB−5(担い手の育成を目的とする組織の参加者)の要件が廃止され、対象生産者が将来にわたって安定的な生産ができるよう、B−3やB−4の対象要件に係る基幹作業の追加などの見直しが行われた。

(2)26年産の要件区分別の対象生産者の内訳をみると、B−1の781人のうち、認定農業者が780人(個人は722人、法人は58者)、特定農業団体と同様の要件を満たす組織が1者となっている。

 B−2の4148人のうち、収穫面積の合計が0.5ヘクタール以上である対象生産者が4147人(個人は4103人、法人は44者)、収穫面積の合計が3.5ヘクタール以上である協業組織が1者となっている。

 B−3の172人は全て、地域一体で基幹作業として防除を行っている。

 B−4の798人のうち、基幹作業を認定農業者に委託している者が287人、B−2の対象生産者に委託している者が327人、受託組織・サービス事業体に委託している者が184人となっており、委託している基幹作業は、収穫、畝立ての割合が大きい。
 

5. 年代別の対象生産者数

 26年産の対象生産者を年代別にみると、40代以下が699人で全体の11.8%、50代が1198人で全体の20.3%、60代が1508人で全体の25.6%、70代が1738人で全体の29.5%、80代以上が650人で、全体の11.0%となっている(表6)。

 前年産実績と比べると、40代以下が0.5ポイント、50代が0.7ポイント、60代が0.6ポイントの増加となっているのに対し、70代が0.9ポイント、80代以上が1.0ポイントの減少となっている。

 26年産の法人は106者で前年産実績と比べて4者増加しており、20年産の45者から毎年増加している。
 

おわりに

 でん粉原料用かんしょについては、その増産に向けて、関係者が一体となって、 1)認定農業者や法人を巡回し、でん粉原料用かんしょを輪作体系に組み入れる普及活動、 2)肥培管理、マルチ栽培、新しい品種やバイオ苗の導入、早植えの推進などの栽培技術の指導、講習会の開催、 3)大規模生産者に対する離農者のほ場での生産の働きかけ、などの取り組みが行われている。

 当機構としても、でん粉原料用かんしょの生産者およびかんしょでん粉製造事業者の皆さまの経営が安定するよう、制度の円滑な実施に努めてまいります。

 なお、19年産から26年産までの統計資料を当機構 HPにて公表しています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713