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新年のごあいさつ

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最終更新日:2016年1月8日

新年のごあいさつ

2016年1月

独立行政法人農畜産業振興機構 理事長 宮坂 亘

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 昨年10月に、独立行政法人農畜産業振興機構(alic)の理事長に就任しました宮坂亘です。当機構の業務につきまして、旧年中は皆さまのご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 
 当機構は、政策実施機関として生産者の経営安定、需給の調整や価格の安定を図るためのさまざまな事業を実施しつつ、その歴史を重ね、特産部門にとって昨年は前身法人の創設以来50周年という記念すべき年でありました。これもひとえに関係の皆さまのご理解・ご協力があってのことであり、重ねて深謝申し上げますとともに、新たな年、そして新たな半世紀に向けて一歩を踏み出すに当たり、役職員一同、一層まい進努力するべく決意を新たにしているところでございます。

 さて、当機構では、砂糖およびでん粉の価格調整制度に基づき、輸入される砂糖・でん粉などからの調整金の徴収業務および国内で生産される砂糖・でん粉の原料作物生産者や製造事業者への交付金交付業務を実施しています。加えて、消費者や生産者の方々を含め、広く価格調整制度を紹介し、砂糖およびでん粉の安定供給を支える仕組みや、地域経済の維持や国土の保全の上でも大変重要な役割を果たしていることなどについて、情報提供を行っているところです。

 国内の生産状況などを見ますと、てん菜はここ2年生育が順調で産糖量も伸びていますが、さとうきびは27年産の生産量は前年産を上回り昨年内に製糖を開始した工場も多く見られたものの、いまだ近年続いてきた不作を脱却するまでには至っていません。また、でん粉については、原料用いもの作付けは減少傾向で推移していますが、実需者との安定取引を確保する上では原料供給量の確保が依然重要な課題となっており、また、付加価値向上に資する食品用途への仕向けの拡大も目指す必要があります。

 当機構の取り組みは、農業所得の確保、砂糖・でん粉製造事業の経営安定など関連産業の健全な発展を図ることなどを目的とする砂糖およびでん粉の価格調整制度の安定的な運用に資するものであり、これにより地域経済の維持や国土の保全も含む国民生活の安定に寄与してきていると考えております。当機構としては引き続き、砂糖およびでん粉について、生産者などの経営安定対策や需給調整・価格安定対策、情報の収集・提供を実施してまいります。併せて、国民に対する説明責任を果たしつつ、政策実施機能を最大限発揮できるよう効率的かつ的確に事業を実施してまいりたいと考えております。

 一方、昨年は農畜産業をめぐる環境などが大きく変化した年でもありました。
 3月に農林水産省は新しい「食料・農業・農村基本計画」を策定し、これに沿った生産者の経営所得の安定を図る他、輸出拡大に向けた取り組みの強化、6次産業化の促進などの攻めの農林水産業を目指す政策が実施されています。
 また、10月には環太平洋経済連携協定(TPP)が、5年半にわたる交渉の末に大筋合意に達しました。関税撤廃を原則とするTPP交渉にあって、重要5品目を中心に関税撤廃の例外などが措置された一方で、一部の品目で関税削減・撤廃などが行われる内容となっています。この大筋合意を受け政府は、農林水産業の体質強化や経営安定対策の充実・強化を柱とする国内対策を盛り込んだ「総合的なTPP関連対策大綱」を11月に策定し、関連予算が政府予算案に盛り込まれました。

 この大綱中に、糖価調整法に基づく調整金の対象への加糖調製品の追加など現在機構が実施している制度の強化が盛り込まれ、今後、法律改正や予算案の審議など国会における必要な手続きを経て本格的に動き出すものと聞いています。

 当機構は、国の重要な施策を担う機関として、これまでもその時代に求められた役割を果たすべく、さまざまな事業を機動的かつ効率的に実施するよう努めてまいりました。TPP関連対策についても、国の方針に基づき、現場に近い組織としてこれまでのノウハウを生かして、一連の流れの中で当機構の役割を確実に果たしていきたいと考えておりますので、引き続き、皆さまのご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 本年が皆さまにとって希望に満ちた明るい年となりますことをご祈念申し上げ、新年のごあいさつと致します。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713