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でん粉の国内需給

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最終更新日:2016年3月10日

でん粉の国内需給

2016年3月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。7月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(詳細は2015年8月号参照)。
 
 
 

2. 輸入動向

【天然でん粉の輸入動向】
2015年の天然でん粉の輸入量は低水準

 財務省「貿易統計」によると、2015年12月の天然でん粉の輸入量は、1万2395トン(前年同月比27.6%減、前月比6.2%増)と、前月からかなり増加したものの前年同月からは大幅に減少した(図1)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった。

タピオカでん粉  1万687トン (前年同月比32.1%減、前月比10.4%増)
サゴでん粉  1365トン (同6.3%増、同22.5%減)
ばれいしょでん粉  189トン (同4.2倍増、同2.9倍増)
その他のでん粉  153トン (同2.5倍増、同7.4%減)

 品目別の国別の輸入量は次の通りであった。

タピオカでん粉
 タイ  1万582トン (前年同月比32.7%減、前月比9.3%増)
 ベトナム  102トン (前年同月輸入実績なし、同102倍増)
 台湾  3トン (同11.1%増、前月輸入実績なし)

サゴでん粉
 マレーシア  1077トン (同38.1%増、同13.1%減)
 インドネシア  288トン (同42.9%減、同44.8%減)

ばれいしょでん粉
 オランダ  120トン (同120倍増、同300倍増)
 デンマーク  60トン (前年同月輸入実績なし、同3.0倍増)
 ドイツ  9トン (同79.1%減、同79.1%減)
 
 2015年(1〜12月)の天然でん粉の輸入量は、前年比9.4%減の15万8368トンとなり、過去5年間(2011〜2015年)で最も少ない輸入量となった(図2)。品目別の輸入量は、以下の通りであった。

タピオカでん粉  13万3377トン (前年比10.1%減)
サゴでん粉  1万6860トン (同3.5%減)
ばれいしょでん粉  6179トン (同18.0%減)
その他のでん粉  1953トン (同54.9%増)
 
 2015年12月の品目別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった(図3)。ばれいしょでん粉の輸入価格は、3カ月ぶりに10万円を下回る9万6649円となった。

タピオカでん粉  5万1565円 (前年同月比0.1%安、前月比2.8%安)
サゴでん粉  7万6048円 (同0.7%安、同1.1%高)
ばれいしょでん粉  9万6649円 (同57.0%安、同37.8%安)

 品目別の国別の価格は次の通りであった。

タピオカでん粉
 タイ  5万1479円 (前年同月比0.2%安、前月比2.9%安)
 ベトナム  5万6088円 (前年同月輸入実績なし、同78.8%安)
 台湾  19万9667円 (同18.2%高、前月輸入実績なし)

サゴでん粉
 マレーシア  7万5864円 (同0.5%高、同1.4%高)
 インドネシア  7万6733円 (同1.9%安、同0.7%高)

ばれいしょでん粉
 オランダ  8万6975円 (同94.1%安、同93.4%安)
 デンマーク  8万5700円 (前年同月輸入実績なし、同12.5%安)
 ドイツ  29万4662円 (同50.3%高、同72.3%高)
 
 2015年の1トン当たり天然でん粉の輸入価格は、以下の通りであった(図4)。

タピオカでん粉  5万2524円 (前年比13.7%高)
サゴでん粉  7万7686円 (同13.5%高)
ばれいしょでん粉  9万993円 (同10.2%安)

 過去5年の価格の推移を見ると、それぞれ年により上昇・下落はあるものの、上昇傾向にある。2015年の輸入価格は、タピオカでん粉とサゴでん粉が過去5年で最高値となり、ばれいしょでん粉は2014年に続く2番目に高い水準となった。
 
【化工でん粉の輸入動向】
2015年の化工でん粉の輸入価格は、いずれも高水準

 財務省「貿易統計」によると、2015年12月の化工でん粉の輸入量は、3万6835トン(前年同月比1.0%減、前月比11.5%増)となった(図5)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった。

でん粉誘導体  3万5265トン (前年同月比1.8%減、前月比11.1%増)
デキストリン  1570トン (同23.4%増、同22.8%増)

 でん粉誘導体の輸入先国は18カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の7割以上を占めており、その他の国はいずれも10%未満となっている。

タイ  2万6189トン (シェア74.3%)
ベトナム  2141トン (同6.1%)
ドイツ  1554トン (同4.4%)
フランス  1099トン (同3.1%)
豪州  1044トン (同3.0%)

 デキストリンの輸入先国は9カ国で、デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の5割以上を占め、次いで中国、フランスが1割程度となっている。

タイ  907トン (同57.8%)
中国  213トン (同13.6%)
フランス  169トン (同10.7%)
米国  117トン (同 7.4%)
ベトナム  105トン (同 6.7%)

 2015年の化工でん粉の輸入量は、前年比4.8%減の45万7022トンとなり、過去5年間で2番目に少ない輸入量となった(図6)。品目別の輸入量は、以下の通りであった。

でん粉誘導体  43万8653トン (前年比5.4%減)
デキストリン  1万8369トン (同13.4%増)

 デキストリンの輸入価格は、9月以来3カ月ぶりに10万円台の高水準となった。
 12月の1トン当たり輸入価格は、次の通りであった。

でん粉誘導体  8万8122円 (前年同月比7.5%安、前月比5.4%安)
デキストリン  10万5220円 (同15.9%安、同6.4%高)

 輸入価格は、でん粉誘導体、デキストリンともに過去5年間で最高値となった。
 2015年の1トン当たりの輸入価格は、以下の通りであった(図6)。

でん粉誘導体  9万3173円 (前年比10.9%高)
デキストリン  11万3319円 (同12.2%高)
 
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
2015年のコーンスターチ用トウモロコシの輸入価格は、低水準

 財務省「貿易統計」によると、2015年12月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、22万6919トン(前年同月比33.1%増、前月比10.1%増)となり、前年同月から大幅に増加した(図7)。
 2015年の輸入量は、前年比0.4%減の314万6875トンとなった(図8)。なお、輸入先国は米国とブラジルの2カ国であったが、内訳を見るとほぼ米国産(シェア98.2%)となった。

 12月の1トン当たり輸入価格は、2万6169円(前年同月比6.3%安、前月比3.1%安)となった。(図7)。
 2015年の1トン当たり輸入価格は、前年比3.7%安の2万7465円となった(図8)。
 
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