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平成27年度でん粉の需要実態調査の概要〜国内産ばれいしょでん粉、国内産かんしょでん粉〜

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最終更新日:2016年7月11日

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平成27年度でん粉の需要実態調査の概要〜国内産ばれいしょでん粉、国内産かんしょでん粉〜

2016年7月

調査情報部

【要約】

 国内産ばれいしょでん粉、国内産かんしょでん粉ともに、「国内産であること」を優位性として挙げる企業が多く、食品利用においては国内産であることを重要視していることがうかがえた。また、両でん粉において、平成27年および今後の仕入れ量で「横ばい」もしくは「増加」と回答した企業が多く見られた。
 

はじめに

 当機構では、でん粉の需要実態を把握するため、でん粉使用企業51社(菓子類、飲料、パン、調味料、水産練製品などの食品製造企業および糖化製品製造企業)に対して、平成27年(1〜12月)におけるでん粉(国内産ばれいしょでん粉、国内産かんしょでん粉、コーンスターチ、小麦でん粉、化工でん粉)の使用状況について、選択回答式によるアンケート調査を実施した。

 調査項目は、使用しているでん粉ごとに、「使用製品」「使用理由」「仕入れ量」「仕入れ量の動向」「今後の仕入れ見込み」「仕入れ価格の動向」「品質面および調達面に関する評価」などとした。

 本稿では国内産ばれいしょでん粉および国内産かんしょでん粉の調査結果を報告し、次号以降でコーンスターチ、小麦でん粉、化工でん粉の調査結果を報告する。
 

1. わが国におけるでん粉の 需要動向

 農林水産省によると、近年のでん粉の需要量は、平成18でん粉年度(10月〜翌9月)以降、300万トンを下回る水準で減少傾向にあるが、27でん粉年度は、269万4000トン(前年度比4.9%増)と前年度からやや増加する見通しである(図1)。また、26でん粉年度におけるでん粉の供給量は、256万8000トン(同2.6%減)であり、種類別供給割合では、コーンスターチが全体の85%と最も多くを占め、次いでばれいしょでん粉7%、輸入でん粉5%、かんしょでん粉2%、小麦でん粉1%となっている(図2)。

 






 

 用途別需要割合では、糖化製品(異性化糖、水あめなど)が67%と最も多くを占め、次いで化工でん粉12%、繊維・製紙・段ボール7%、ビール4%となっている(図3)。

 

2. 国内産ばれいしょでん粉

(1)わが国における需要動向
 農林水産省によると、近年の国内産ばれいしょでん粉の供給量は、平成24でん粉年度以降増加しているものの、依然として20万トンを下回る水準で推移しており、27でん粉年度は19万3000トン(前年度比3.8%増)の見通しである(図4)。

 26でん粉年度の国内産ばれいしょでん粉の用途別販売割合を見ると、糖化製品向けが最も高く、全体の24%を占めている(図5)。食品用途では菓子類9%、麺類6%などで利用されている。

 





 

(2)国内産ばれいしょでん粉の需要実態
ア.使用状況
 国内産ばれいしょでん粉を使用していたのは51社のうち28社で調査対象企業の55%を占めた。製品分類別の使用企業数は調味料8社、菓子類5社、糖化製品3社、水産練製品3社、飲料1社、その他食品8社であった。主な使用製品を見ると、調味料は片栗粉、天ぷら粉、から揚げ粉など、菓子類は和菓子、生菓子など、糖化製品は水あめ、ぶどう糖および異性化糖、水産練製品はかまぼこ、さつま揚げなど、その他食品は春雨、パン、即席麺、ツナ缶、ベビーフード、サプリメントなどであった。

 使用理由(延べ数)は、「食感を出すため」が8社(調味料3社、菓子類1社、水産練製品1社、その他食品(即席麺2社、パン)3社)と最も多く、次いで「保水材として」7社(調味料2社、水産練製品2社、菓子類1社、その他食品(パン、ツナ缶)2社)、「結着材として」5社(水産練製品2社、菓子類2社、調味料1社)、「国産であるため」4社(水産練製品1社、その他食品(春雨、葛きり、ベビーフード)3社)、「安全であるため」4社(調味料1社、水産練製品1社、その他食品(春雨、ベビーフード)2社)、「とろみ付けのため」4社(調味料3社、菓子類1社)、「白色度が高いため」1社(菓子類)であった(図6)。

 この他、「使用用途が広いため(調味料2社)」「製品特性に合っているため(飲料)」「製品の安定性が良いため(サプリメント)」などが挙げられた。
 
 
イ.調達状況
(ア)仕入れ量

 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「10トン未満」が7社と最も多く、次いで「50〜499トン」5社、「2500トン以上」5社、「10〜49トン」4社、「500〜2499トン」4社であった(図7)。

 仕入れ量の多かった企業の製品分類は、「2500トン以上」は糖化製品2社、調味料1社、水産練製品1社、その他食品(即席麺)1社、「500〜2499トン」は糖化製品1社、水産練製品2社、その他食品(春雨)1社であった。

 


(イ)仕入れ量の動向
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が16社と最も多く、次いで「やや減少」6社、「やや増加」5社、「大幅に減少」1社であった(図8)。「やや増加」と回答した企業の製品分類は菓子類1社、調味料1社、その他食品(即席麺、春雨、サプリメント)3社で、理由はいずれも「使用製品の製造量の増加」であった。

 「やや減少」と回答した企業の製品分類は水産練製品3社、調味料1社、その他食品(ツナ缶、ベビーフード)2社の6社で、そのうち4社の理由は、「使用製品の製造量の減少」であった。また、「大幅に減少」と回答した企業の製品分類は糖化製品で、仕入れ量「500〜2499トン」と回答した4社のうちの1社であり、理由は、「コーンスターチに切り替えたため」であった。




(ウ)今後の仕入れ見込み
 今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が20社と最も多く、次いで「やや増加」3社、「やや減少」2社、「大幅に減少」1社であった(図9)。「やや増加」と回答した企業の製品分類はいずれもその他食品(春雨、パン、サプリメント)で、理由はいずれも「使用製品の製造量の増加」であった。

 「やや減少」と回答した企業の製品分類は糖化製品1社および水産練製品1社で、そのうち前者は、仕入れ量の動向で「大幅に減少」と回答した企業であり、理由は「コーンスターチに切り替えるため」であった。また、「大幅に減少」と回答した企業の製品分類はその他食品(ツナ缶)で、理由は、「外部に製造委託するため」であった。




 

(エ)仕入れ価格の動向
 平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が19社、「やや下落」2社であった(図10)。「やや下落」と回答した企業の製品分類は糖化製品1社および水産練製品1社で、理由はいずれも「相場の変動による」であった。
 



 

ウ.品質面および調達面に関する評価
 品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面について26社から回答が得られ、「満足」9社、「やや満足」2社、「普通」14社、「やや不満」1社であった。また、調達面について23社から回答が得られ、「満足」7社、「やや満足」1社、「普通」13社、「やや不満」2社であり、品質面および調達面いずれも9割以上が「普通」以上の評価であった。

エ.国内産ばれいしょでん粉の優位性
 国内産ばれいしょでん粉の優位性について22社から回答が得られ、「国産であること」12社、「品質が高い」6社、「安定調達できる」3社、「食品添加物ではなく、でん粉として表示できる(調味料)」1社であった。

3. 国内産かんしょでん粉

(1)わが国における需要動向
 農林水産省によると、近年の国内産かんしょでん粉の供給量は減少傾向で推移し、特に平成24でん粉年度以降は4万トンを下回る水準で推移しており、27でん粉年度は3万6000トン(前年度比7.7%減)と、ここ10年で最も少なかった24でん粉年度と同じ水準まで減少する見通しである(図11)。
 
 26でん粉年度の国内産かんしょでん粉の用途別販売割合を見ると、糖化製品向けが最も高く、全体の74%を占めている(図12)。食品用途では菓子類13%、麺類5%などで利用されている。

 





 

(2)国内産かんしょでん粉の需要実態
ア.使用状況

 国内産かんしょでん粉を使用していたのは51社のうち9社で調査対象企業の18%だった。製品分類別の使用企業数は菓子類2社、調味料2社、糖化製品2社、水産練製品1社、その他食品2社であった。主な使用製品を見ると、糖化製品は水あめ、ぶどう糖および異性化糖、菓子類はわらび餅など、調味料はドレッシングおよび香辛料、水産練製品はさつま揚げなど、その他食品は2社とも春雨であった。

 使用理由(延べ数)は、「国産であるため」が3社(糖化製品1社、その他食品2社)と最も多く、次いで「安全であるため」2社(糖化製品1社、その他食品1社)、「とろみ付けのため」2社(菓子類1社、糖化製品1社)、「結着材として」1社(水産練製品)、「保水材として」1社(調味料)、「食感を出すため」1社(水産練製品)であった(図13)。この他、「商品に適している(菓子類)」などが挙げられた。全回答のうち、約4割が「国産であるため」もしくは「安全であるため」と回答しており、食品利用においては国産であることを重要視していることがうかがえる。
 
 
イ.調達状況
(ア)仕入れ量

 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「500トン以上」3社、「10〜99トン」3社、「10トン未満」2社であった(図14)。仕入れ量の多い(「500トン以上」)企業の製品分類を見ると、糖化製品2社、その他食品(春雨)1社であった。
 
 
(イ)仕入れ量の動向
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が7社と最も多く、次いで「やや増加」1社、「やや減少」1社であった(図15)。「やや増加」と回答した企業の製品分類はその他食品(春雨)で、仕入れ量「500トン以上」と回答した3社のうちの1社であった。増加の理由は「使用製品の製造量の増加」であった。

 「やや減少」と回答した企業の製品分類は菓子類で、減少の理由は「使用製品の製造量の減少」であった。
 
 
(ウ)今後の仕入れ見込み
 今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が8社、「やや増加」1社であった(図16)。「やや増加」と回答した企業の製品分類はその他食品(春雨)で、平成27年における仕入れ量が前年から「やや増加」と回答した企業であった。増加の理由は「使用製品の製造量の増加」であった。
 
 
(エ)仕入れ価格の動向
 平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が4社と最も多く、次いで「やや上昇」1社、「やや下落」1社であった(図17)。「やや下落」の理由は「相場の変動による」であった。
 
 
ウ.品質面および調達面に関する評価
 品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面について、「満足」1社、「普通」7社、「不満」1社であった。また、調達面について、「やや満足」1社、「普通」7社、「やや不満」1社であった。

エ.国内産かんしょでん粉の優位性
 国内産かんしょでん粉の優位性について7社から回答が得られ、「国産であること」4社、「品質が高い」1社、「安定調達できる」1社、「他のでん粉に比べて製品に適しているため」1社であった。
 

おわりに

 国内産ばれいしょでん粉においては、平成22、23年産のでん粉原料用ばれいしょの不作により供給量が激減したことなどから、昨年度までの調査では安定供給に不安を持っている企業が見られたが、今年度の調査では供給不足に関する意見は見られなかった。平成27年の仕入れ量は7割以上の企業が前年と比べて「横ばい」もしくは「増加」と回答し、今後の仕入れ量も8割以上が「横ばい」もしくは「増加」と回答していることからも、各企業が必要量を確保できていると見られる。

 また、国内産かんしょでん粉においても、平成27年の仕入れ量は9割弱の企業が前年と比べて「横ばい」もしくは「増加」と回答し、今後の仕入れ量ではすべての企業が「横ばい」もしくは「増加」と回答していることから、さらなる使用量の増加が期待される。

 最後にお忙しい中、本調査にご協力いただいた企業の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713