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2.近年の国際砂糖需給構造の変化(2007/08⇒2012/13年度)

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最終更新日:2012年10月10日

2.近年の国際砂糖需給構造の変化(2007/08⇒2012/13年度)

2012年10月

調査情報部

生産量

 2012/13年度における世界最大の生産国はブラジルとなり、以下、インド、EU、中国、タイ、米国、メキシコの順となる見通しである。これらの順位は2007/08年度と変わらない。ブラジルは世界の需要増加を背景に増産し、世界生産の約2割を占める。インドは、政府の価格政策や気象の影響により年によって生産量の変動が大きい。タイは、さとうきびの作付け増加で生産量が大幅に増加している。ロシアは、てん菜の作付け増加を背景に生産量が拡大しており、2012/13年度においてメキシコに次ぐ生産国になるとみられている。


消費量

 2012/13年度において、世界最大の消費国はインドとなり、EU、中国、ブラジル、米国、ロシア、インドネシアがこれに次ぐ見通しである。これらの順位は2007/08年度と変わらない。インド、中国、インドネシアをはじめとするアジア諸国では、人口増加と経済発展を背景に消費量が年々増加している。ブラジルも同様の傾向である。パキスタンは、甘味料需要の異性化糖へのシフトにより砂糖消費量が減少しているメキシコを上回り、インドネシアに次ぐ消費国になると予測されている。
輸入量

 2012/13年度における世界最大の輸入地域はEUとなる見通しである。2007/08年度に最大の輸入国であったロシアは、国内生産の増加により輸入量の減少が見込まれている。インドネシア、中国は、消費量の増加に伴い輸入量も増加している。2012/13年度において、中国は米国に次ぐ世界第4位の輸入国となる見通しである。米国は、2008年に北米自由貿易協定(NAFTA)の下、メキシコとの間で甘味料貿易の完全自由化を実施した影響により同国からの輸入が増加している。


輸出量

 2012/13年度において、世界最大の輸出国はブラジルとなり、タイ、豪州がこれに次ぐ見通しである。ブラジルは世界の需要増加を背景に輸出が増加し、世界輸出の4割強を占める。タイは、増産により輸出余力が拡大し、世界の輸出に占める割合が2007/08年度の10%から13%に拡大する見込みである。一方、豪州、南アフリカは減産により輸出余力が低下しており、世界輸出に占める割合も低下が予測されている。インドは、年によって生産量の変動が大きく、豊作年には輸出国、不作年には輸入国となる。2012/13年度は生産量が消費量を上回るとの見通しから、グアテマラに次ぐ輸出国になるとみられている。

注:EUは、2005/06年度まで純輸出地域であったが、2006/07年度からの砂糖制度改革に伴う生産縮小で純輸入地域に転じた。輸入先は、特恵アクセスを認めているACP諸国(EUの旧植民地であるアフリカ、カリブ、太平洋諸国)およびLDC諸国(後発開発途上国)が中心となっている。
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