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5. 日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2012年11月9日

5. 日本の主要輸入先国の動向

2012年11月

調査情報部
 

 2011年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.11−190)は149万9581トンと、全体の97.7%を占める。そのうち、タイ(71.5%)、豪州(17.0%)、南アフリカ(2.0%)と、この3カ国で90.5%を占める。(財務省「貿易統計」)

タイ

 
 
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比7.6%減の見込み


 2012/13タイ砂糖年度(10月〜9月)のさとうきび収穫面積は138万ヘクタール(前年度比7.0%増)に増加の見通しとなっている。競合するキャッサバの作付けは、害虫コナカイガラムシによる被害の抑制を受け拡大しているものの、雨季作米などからさとうきびへの転作が進んだ。収穫面積の増加が見込まれる一方、さとうきび生産量は前年度をやや下回る9285万トン(同5.2%減)と予測されている。これは、東北部を中心に株出し回数が増加することに加え、5〜6月の降水量が平年を大きく下回ったことから、単収の低下が見込まれるためとされる。さとうきびの生育上、5月から9月末にかけての降雨量は1000ミリとなることが理想とされるが、今年度の降雨量は680ミリと、これを大きく下回った。砂糖生産量は、さとうきびの糖度が前月予測を下回るとの見込みから3万トン下方修正され、1002万トン(粗糖換算、同7.6%減)に減少すると見込まれている。
 
 
【貿易・政策動向等】
減産により2012/13年度の輸出量は前年度比11.2%減の見通し


 2011/12年度の砂糖消費量は、前年度をやや上回る276万トン(粗糖換算、前年度比3.0%増)と見込まれている。同年度の砂糖生産量は1084万トン(粗糖換算、同6.9%増)と2年連続で過去最高を更新するとみられ、供給力の拡大により輸出量は808万トン(粗糖換算、同34.6%増)と、生産量と同様、過去最高に達すると予測されている。2012年8月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比29.9%増の72万1000トンとなり、主要輸出先はインドネシア、中国、イラクなどのアジア諸国であった。

 2012/13年度の消費量は、前年度からやや増加の285万トン(粗糖換算、同3.1%増)と予測されている。減産が見込まれることから、輸出量は718万トン(粗糖換算、同11.2%減)に減少の見通しとなっている。輸出量の予測値は、生産量の下方修正を受け、前月予測からわずかに引き下げられた。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, October 2012”
 
 

豪州

 
 
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度から大幅増加の見込み


 2012/13豪州砂糖年度(7月〜翌6月)のさとうきび収穫面積は37万ヘクタール(前年度比4.3%増)と、さとうきびの収益性向上と良好な天候を背景に増加が予測されている。さとうきび生産量は、収穫面積の増加が見込まれる上、単収もサイクロン被害を受けた前年度から回復するとみられることから、前年度からかなり大きく増加し、3083万トン(同11.0%増)と予測されている。糖度の上昇も見込まれるため、砂糖生産量は前年度から大幅増加の450万トン(粗糖換算、同20.5%増)の見通しとなっている。今年度の収穫開始当初は、平年を上回る降雨が続きさとうきびの刈り残し発生が懸念されていたものの、8月以降は乾燥した天候が続き、収穫は順調に行われている。ただ、乾燥した天候が長引けば来年度に収穫されるさとうきびの生産に悪影響を与える可能性もあり、引き続き動向が注目される。
 
 
【貿易・政策動向等】
輸出量は前年度比31.7%増の見通し


 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度をわずかに上回る119万トン(粗糖換算、前年度比1.4%増)とみられている。輸出量は、生産量の大幅な増加予測を受け335万トン(粗糖換算、同31.7%増)と、2009/10年度の水準に回復すると見込まれている。輸出量の予測値は、前月予測から10万トン上方修正された。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, October 2012”
 
 

南アフリカ

 
 
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比14.7%増の見込み


 2012/13南アフリカ砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は前年度から変わらず、27万ヘクタールと予測されている。単収が当初予測を下回るとみられることから、さとうきび生産量は前月予測から43万トン下方修正され、1816万トン(前年度比8.1%増)と見込まれている。さとうきびの増産と糖度の上昇が予測されていることから、砂糖生産量は228万トン(粗糖換算、同14.7%増)に増加するとみられている。ただ、さとうきび生産量の下方修正を受け、前月予測から7万トン下方修正された。
 
 
【貿易・政策動向等】
輸出量は50万トンに増加の見通し


 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度をわずかに上回る192万トン(粗糖換算、前年度比2.0%増)と見込まれている。生産量の下方修正を受け、輸出量の予測値は53万トン(粗糖換算、同100.0%増)に引き下げられた。とは言え、これは干ばつの影響により生産量が落ち込んだ前年度と比べ2倍の水準である。2012年8月における粗糖・白糖輸出量は前年同月比5.6%増の4万3000トンとなり、主要輸出先はインドネシア、モザンビーク、ジンバブエであった。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, October 2012”
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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