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砂糖をめぐる情勢について

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最終更新日:2012年12月10日

砂糖をめぐる情勢について

2012年12月

農林水産省 生産局 農産部 地域作物課
 


【はじめに】

 砂糖は、私たちが毎日口にする様々な食べ物や飲み物に含まれており、私たちの生活に欠かすことのできない食品ですが、その生産状況や機能については意外と知られていません。今回は、皆さんの身近にある砂糖の生産や国内外の需給状況に加え、砂糖の働きと期待される役割などについて紹介します。

1.我が国の砂糖需給と糖価調整制度

 砂糖は、温暖な地域で栽培されるさとうきびや寒冷な地域で栽培されるてん菜などの甘味資源作物からショ糖分を取り出し、結晶化させて作られる甘味料です。また、国民の摂取カロリー全体の約8%を占め、多くの食品の基礎原材料としても利用されるなど、我々の生活に欠かせない重要な食品です。

 我が国の年間砂糖消費量は、昭和50年頃の約300万トンをピークに、近年は、消費者の低甘味嗜好などを背景とした減少傾向にあり、約200万トンとなっています。国民1人あたりの消費量に換算すると18kgであり、米国の33kgや豪州の46kgといった欧米諸国の値と比較すると少ない水準にあります。

 国内の砂糖の生産状況を見ますと、上記の国内砂糖需要約200万トンのうち、約4割は国内のさとうきびやてん菜といった甘味資源作物を原料として生産されており、残りの約6割はタイや豪州など海外で生産された原料糖(粗糖)を輸入し、国内の消費地近くの工場で精製された砂糖が供給されています。

 このような砂糖の安定供給を支えるさとうきびは、強風や水不足への耐性があることから、台風常襲地帯である沖縄県・鹿児島県南西諸島において代替不可能な作物であり、また、てん菜は、農地の地力を維持するために複数の農作物を順番に作付ける輪作を行っている北海道の畑作農業に欠かせない作物です。さらに、これらの甘味資源作物を産地で加工する製糖工場は、それぞれの地域農業や経済において重要な役割を果たしています。

 このため、我が国では、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号。)に基づき、安い外国産の粗糖を輸入する者(精製糖企業など)から調整金を徴収し、それを主たる財源として、国内のさとうきび・てん菜生産者や国内産糖の製造事業者を支援する糖価調整制度を設けています(図1参照)。
 
 

2.世界の砂糖需給と国際糖価

 一方、世界の砂糖需要に目を向けると、現在は年間約1億6千万トンであり、今後も東南アジアやアフリカの新興国などを中心に砂糖需要は増大していく見込みです。砂糖の一大生産国はブラジルであり、世界に輸出される砂糖の半分近くはブラジル産です。この他に、輸出力の大きな国としては、タイ、豪州などが挙げられます。

 上述したとおり、砂糖は世界的に需要増加傾向にあるため、天候不良などにより砂糖生産国からの供給が滞ると、その需給はひっ迫し、国際相場(国際糖価)は高騰します。実際に、インドの減産などにより平成21年半ばから大きく上昇し、その後もブラジルの降雨不足や豪州の洪水などによる砂糖の減産懸念から、平成23年2月には、国際糖価であるニューヨーク商品取引所が公表する粗糖の先物価格は約35セント/ポンドまで上昇しました。それ以降は、主産国による増産見込みなどから価格は低下傾向にあり、平成24年11月現在では約20セント/ポンド程度で推移していますが、引き続きその動向を注視していく必要があります。

3.砂糖の働きと期待される役割

 次に、砂糖の働きに着目してみたいと思います。砂糖は、体内に取り込まれるとすぐにブドウ糖に分解され、私たちが活動する際のエネルギー源となります。砂糖から生み出されるエネルギーは、体だけではなく、他のどの臓器よりも多量のエネルギーを消費する脳にとっても、唯一のエネルギー源として欠かせないものです。しかしながら、近年、ゼロカロリーや低カロリーを特徴とした食品への使用が増えているアスパルテームやスクラロースといった人工甘味料は、食べた時に我々に甘みを感じさせるものの、脳のエネルギー源となるブドウ糖は含んでいないということをご存じでしょうか。このため、勉強や仕事などで頭が疲れたなと感じた時には、ぜひ脳へのエネルギー補給として、砂糖の入ったお菓子や飲み物などを摂取してみて下さい。

 また、砂糖は私たちのエネルギー源となるだけではなく、リラックス効果ももたらしてくれます。砂糖が分解されてできるブドウ糖は、心をリラックスさせるセロトニンという物質が効率的に合成されるよう、脳内で重要な働きをしているのです。特に、東日本大震災では、避難中の空腹を砂糖でしのいだという方もおられ、砂糖の入った甘いお菓子は多くの被災者の緊張を和らげるとともに、大変喜ばれたそうです。

 震災後、砂糖は上記のようにエネルギー源として素早く体に吸収されることに加え、賞味期限が無く長期間の保存が可能であることから、災害時に役立つ応急用食料としての期待が高まっています。農林水産省においても、非常時における砂糖の応急用食料としての役割に注目し、その重要性について発信していきたいと考えています。各家庭におかれても、氷砂糖や角砂糖などのお砂糖を非常食として常備されてはいかがでしょうか(図2参照)。
 
 

4.砂糖に関する正しい知識

 また、農林水産省では、上記のような砂糖の生産状況や働きなどを紹介する機会として、各方面の関係者の皆様にご協力を頂き、農林水産本省の「消費者の部屋」において砂糖に関する展示を行っています。昨年度は、原料作物やバラエティ豊富な砂糖製品・シュガーアートの展示、さとうきび・黒糖・氷砂糖の試食に加え、糖価調整制度についても紹介し、多くの方々に砂糖にまつわる色々な知識を深めていただきました。今年度も、平成25年1月28日(月)〜2月1日(金)の期間に「太陽と大地の恵み 砂糖 〜日本の砂糖の安定供給を支える仕組み〜」と題して展示を実施予定ですので、ぜひお越し下さい。また、毎年8月には、子ども霞ヶ関見学デーにおいて砂糖のコーナーを設け、砂糖の製造方法や原料作物、砂糖の機能性についてのパネル展示や、ザラメを使った綿菓子作り体験などを通じて砂糖に親しんでもらう機会を提供しています。

 こういったイベントでは、「砂糖は漂白しているのでしょう」という質問を受けることが多いのですが、砂糖の結晶1つ1つは本来無色透明の結晶であり、雪や透明な氷からできるかき氷が白く見えるのと同じ原理で、漂白されているからではありません。また、皆様の中には、「砂糖は太る」「砂糖を食べると虫歯になる」「砂糖は糖尿病の原因」といった「砂糖は体に悪い」というお考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか。今月の本誌特集「砂糖を正しく知る」では、このような砂糖にまつわる様々な疑問に対する答えがわかりやすく解説されていますので、是非この機会を通じて、砂糖に関する正しい理解を深めていただけると幸いです。農林水産省においても、引き続き、関係者の皆様のご協力を頂きながら、上記のイベントの機会などを通じて、砂糖に関する幅広く正確な情報の提供に努めていきたいと考えています。

5.おわりに

 これまでに述べてきましたとおり、砂糖は私たちの生活を支える重要な食品です。今後も、消費者の皆様におかれましては、砂糖の正しい知識の普及と、砂糖の購入を通じた国内砂糖生産支援へのご理解とご協力をお願い致します。また、制度関係者の皆様におかれましても、砂糖の安定供給を通じた需要の確保と糖価調整制度の円滑な運営に向けて、引き続き、ご理解及びご協力を頂けますようお願い致します。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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