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5. 日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2013年5月10日

5. 日本の主要輸入先国の動向

2013年5月

2012年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14−110)は140万3067トンと、全体の97.7%を占める。そのうち、タイ(58.5%)、豪州(33.7%)、南アフリカ(2.1%)と、この3カ国で94.3%を占める。(財務省「貿易統計」)

タイ

 
【生産見通し】
砂糖生産量は前月予測を66万トン上回る1022万トンの見込み


 タイでは2012/13砂糖年度(10月〜翌9月)の製糖が終了しつつある。今年度のさとうきび生産量は9650万トン(前年度比1.5%減)と、前月の予測から541万トン上方修正された。当初、今年度のさとうきび生産量は降雨不足や株出し回数の増加による単収の低下で9100〜9300万トン程度と予測されていたが、単収が当初の見込みを上回っていることから上方修正された。さとうきび生産量の上方修正を受け、砂糖生産量は前月予測を66万トン上回る1022万トン(粗糖換算、同5.7%減)と見込まれ、前年度からの減少幅は縮小の見通しとなっている。
 
【貿易・政策動向等】
輸出量は前年度比5.7%減の見通し


 2012/13年度の砂糖消費量は前年度をやや上回り、305万トン(粗糖換算、前年度比3.3%増)と予測されている。生産量の上方修正を受け、輸出量は前月予測を66万トン上回る718万トン(粗糖換算、同7.7%減)と見込まれている。2013年2月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比30.9%減の57万2000トンとなり、主要輸出先はインドネシア、日本、韓国などのアジア諸国であった。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, April 2013”
 

豪州

 
【生産見通し】
2012/13年度の砂糖生産量は3年ぶりに400万トン上回る


 2012/13砂糖年度(7月〜翌6月)の生産は昨年12月に終了した。今年度のさとうきび生産量は、作付面積の拡大と単収の増加を背景に3040万トン(前年度比8.7%増)に増加した。さらに糖度も上昇したことから、砂糖生産量は435万トン(粗糖換算、同15.3%増)に増加し、3年ぶりに400万トンを上回ったとみられている。

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)によると、2013/14年度の砂糖生産量は450万トン(粗糖換算)と増加の見通しとなっている。ただ、一部の産地でさとうきびが黄変する現象が拡大しており、生産への影響が懸念されている。現時点では、原因は特定されていない。
 
【貿易・政策動向等】
輸出量は前年度比22.7%増の見通し


 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度からわずかに増加し、105万トン(粗糖換算、前年度比1.3%増)と予測されている。輸出量は、増産により前年度から大幅増加の334万トン(粗糖換算、同22.7%増)と見込まれている。

 政府は、1月下旬にクイーンズランド州で発生したサイクロン「オズワルド」により被害を受けた生産者に対し、最大5万豪ドル(約500万円、1豪ドル=100円注)の補助金交付や当初2年間の無利子融資など資金援助を行っている。さとうきび生産者団体のCANEGROWERSは、資金援助により被害を受けた生産者も2014/15年度収獲用の植付けを行うことが可能になるとして、政府の対応を歓迎している。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, April 2013”

注:3月末日TTS相場
 

南アフリカ

【生産見通し】
2012/13年度砂糖生産量は前年度からわずかな増加にとどまる


 2012/13砂糖年度(4月〜翌3月)の生産は、1月に終了した。今年度のさとうきび生産量は、当初は干ばつ被害を受けた前年度から大幅な増加が見込まれていたものの、天候不順などの影響により1728万トン(前年度比2.8%増)となり、砂糖生産量は211万トン(粗糖換算、同6.3%増)にとどまった。

 2013/14年度の砂糖生産量は、昨年12月から2月にかけて産地で十分な降雨があり、さとうきびの生育状況が良好であることから、現時点では230万トン(粗糖換算)に増加の見通しとなっている。
【貿易・政策動向等】
輸出量は39万トンに増加するも、依然低水準


 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度からわずかに増加し、192万トン(粗糖換算、前年度比2.0%増)と予測されている。輸出量は39万トン(粗糖換算、同47.2%増)に増加が見込まれているものの、2009/10年度以前と比べると、依然として低水準である。2013年1月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比約2.5倍の2万4000トンとなり、主要輸出先はアンゴラ、モザンビーク、ジンバブエなどのアフリカ諸国であった。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, April 2013”
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