砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 5. 日本の主要輸入先国の動向

5. 日本の主要輸入先国の動向

印刷ページ

最終更新日:2013年7月10日

5. 日本の主要輸入先国の動向

20013年7月

 2012年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14−110)は140万3067トンと、全体の97.7パーセントを占める。そのうち、タイ(58.5%)、豪州(33.7%)、南アフリカ(2.1%)と、この3カ国で94.3パーセントを占める。(財務省「貿易統計」)

タイ

 
【生産見通し】
2012/13年度の砂糖生産量は、前年度をやや下回る1035万トン


 2012/13砂糖年度(10月〜翌9月)の製糖は終了した。同年度のサトウキビ収穫面積は135万ヘクタール(前年度比1.6%増)と増加したものの、歩留りは前年度を下回るため(10.8%から10.3%に低下)、砂糖生産量は1035万トン(粗糖換算、同2.1%減)と見込まれる。

 なお、2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ生産は、収穫面積が135万ヘクタール(前年度比0.2%増)、生産量が9731万トン(同4.6%減)と予測されている。また、砂糖生産量は1064万トン(粗糖換算、同2.8%増)と史上最高の生産量が見通されている。
 
【貿易・政策動向等】
生産コスト高に対応し、1トン当たり160バーツの追加支払いを決定


 2012/13年度の輸出量は、641万トン(粗糖換算、前年度比11.7%減)と見込まれている。2013年4月の粗糖・白糖輸出量は、72万トン(前年同月比10.1%減)と減少した。主要輸出先はインドネシア、日本、マレーシアであった。近年、タイ産粗糖・白糖は、イラクをはじめとした中近東地域において需要が高まっており、同地域の2012年タイ産粗糖・白糖イラク向け輸出量は35万トン(前年度比4.9%増)であった。粗糖・白糖イラク向け輸出量が6万トンであった2010年から、6倍近くに増加したことになる。

 2013/14年度の砂糖消費量は297万トン(粗糖換算、同2.5%増)、輸出量は747万トン(粗糖換算、同16.6%増)と前年度を大きく上回ると予測されている。

 政府は3月に、生産コスト高による収益悪化を緩和するため、生産者に対しサトウキビ1トン当たり160バーツ(約517円)をサトウキビおよび砂糖基金から支援すると決定した。この結果、生産者の手取り価格は、期首価格(2012/13年度)の1トン当たり950バーツに160バーツが追加され、1,110バーツが支払われることとなり、国際砂糖価格が下落する中、生産者の手取り価格は高水準となっている。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JUNE 2013”
注:1バーツ=3.23円 6月24日TTSレート
 

豪州

 
【生産見通し】
2013/14年度の砂糖生産量は、前年度からさらに増加


 2013/14砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビ生産量は、収穫面積が微増するものの、単収が前年度を下回ると予測されていることから、生産量は3045万(前年度比0.2%減)トンの見込みである。減産の要因は、6月より製糖が開始されている豪州では、2012年に初めて確認されたサトウキビの葉が黄変する病気(Yellow Canopy Syndromeと呼ばれる)と南部地域の洪水の影響とされる。サトウキビ生産減の予測を受けて、砂糖生産量は、412万トン(粗糖換算、同5.0%減)と前年度を下回る見通しである。
 
【貿易・政策動向等】
輸出量は前年度比10.0パーセント減の見通し


 2013/14年度の砂糖消費量は、135万トン(粗糖換算、前年度比0.7%増)、輸出量は288万トン(粗糖換算、同10.0%減)と前年度を下回ると予測されている。2013年6月19日、2013年1月に発生した洪水以来、初めて、クィーンズランド州の主産地であるバンダバーグから砂糖の輸出が行われた。バンダバーグで積まれた砂糖は、アジア向けの輸出の拠点である同州中央部のマッカイで3万トン級の船に積み替えられ、輸出される。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JUNE 2013”
 

フィリピン

 
【生産見通し】
2012/13年度の砂糖生産量は、前年度からさらに増加


 2012/13砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビ生産量は、収穫面積の拡大と単収増加により2500万トン(前年度比4.7%増)と予測されている。サトウキビ増産と糖度上昇により、砂糖生産量は254万トン(粗糖換算、同9.2%増)とされている。

 また、2013/14年度の砂糖生産量は、前年度並みと見込まれている。
 
【貿易・政策動向等】
2012/13年度輸出量は、前年度比44.3パーセント減の見込み


 2012/13年度の砂糖消費量は、220万トン(粗糖換算、前年度比3.8%増)と前年度からわずかに増加するが、輸出量は30万トン(粗糖換算、同44.3%減)と前年度から大幅に減少する見込みである。砂糖統制委員会(以下、SRAとする)は6月14日、米国の砂糖需給のだぶつきにより、米国向けの輸出量が減少することを発表した。フィリピンでは、SRAがケダン・システム(販売割当制度)により国内市場および輸出向け砂糖を管理している。また、米国はフィリピンに対し、関税割当制度で特恵的なアクセスを認めており、2012/13年度は、13万8827トンの関税割当数量が設定されている。今回の米国内での砂糖需給のだぶつきは、NAFTAによるメキシコからの輸入量が増加したことに起因している。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JUNE 2013”
 

南アフリカ

 
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、前年度から17.6パーセント増の見通し


 南アフリカの2012/13砂糖年度(4月〜翌3月)の生産は1月に終了しており、2013/14砂糖年度の砂糖生産量は231万トン(粗糖換算、前年度比17.6%増)と予測されている。これは、サトウキビ収穫面積の増加や糖度上昇に起因する。
 
【貿易・政策動向等】
2013/14年度輸出量は、大幅増の予測


 2013/14年度の砂糖消費量は、189万トン(粗糖換算、前年度比2.1%増)、輸出量は54万トン(粗糖換算、同49.0%増)と前年度を大幅に上回ると予測されている。

 2013年4月の粗糖・白糖輸出量は、3万2900トン(前年同月比158.4%増)となった。主要輸出先はスーダン、ジンバブエ、モザンビークなどのアフリカ諸国であった。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JUNE 2013”
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-871