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4.世界の需給に影響を与える諸国の動向

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最終更新日:2013年8月9日

4.世界の需給に影響を与える諸国の動向

2013年8月

ブラジル

 
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は前年度増の見込み


 2013/14砂糖年度(4月〜翌3月)のブラジル全体のサトウキビ収穫面積は、889万ヘクタール(前年度比4.8%増)に増加の見通しである(表2)。2年連続で低水準となったサトウキビの単収は、同年度は1ヘクタール当たり73.5トン(同5.9%増)と回復の見込みである。収穫面積拡大と単収の増加により、今年度のサトウキビ生産量は、6億5380万トン(前年度比11.0%増)と前年度から大幅な増加が見込まれている。サトウキビの増産見通しから、砂糖生産量は4133万トン(粗糖換算、同2.8%増)と見込まれている。

 ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)の発表によれば、生産の約9割を占める中南部地域の2013/14年度第1四半期(4〜6月)のサトウキビ圧搾量は、1億8098万トン(前年同期比41.0%増)、砂糖生産量は890万トン(同33.0%増)、エタノール生産量は761万キロリットル(同57.9%増)と、いずれも前年同期に比べ大幅に増加した。また、トン当たりの回収糖分の値(TRC)は123.26キログラムと、前年同期から同4.83キログラム上昇し、改善している。
 
【貿易・政策動向等】
サトウキビ増産予測を受け、輸出量も前年度比3.9%の増加見込み


 2013/14年度輸出量は、砂糖の増産予測により2831万トン(粗糖換算、前年度比3.9%増)と、前年度から増加の見通しとなっている。2013年5月の粗糖・白糖輸出量は、190万トン(前年同月比9.7%増)となった(図11)。主要輸出先はアルジェリア、ナイジェリア、バングラディッシュであった。

 政府は、今年度(7月〜翌年6月)の農業分野の予算額を1360億レアル(5兆9840億円:1レアル=44円注)と、前年度から約20パーセント増加させた。そのうち、976億レアル(4兆2944億円)を設備投資が困難となっている生産者に対する融資とし、384億レアル(1兆6896億円)を投資プログラムに充てるとしている。融資利率は年5.5パーセントであるが、農業機械やかんがい設備の導入、貯蔵施設の建設においては、年3.5パーセントとさらに低金利となっている。また、政府は、干ばつにより深刻な被害を受けることの多い北東部地域のサトウキビ農家に対し、かんがい設備導入のための融資として4億レアル(176億円)を増額した。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JULY 2013”  
注:7月26日TTS相場
 

インド

 
【生産見通し】
2012/13年度の製糖は終了し、生産量は2725万トンの見込み


 2012/13年度のインド砂糖年度(10月〜翌9月)の製糖は終了した。同年度のサトウキビ生産量は、作付けの増加により3億7016万トン(前年度比3.4%増)と増加が予測されている(表3)。一方、糖度が前年度を下回っているため、砂糖生産量は2725万トン(粗糖換算、同4.8%減)と前年度から減少の見込みとなっている。

 2013/14年度のサトウキビ生産量は、4〜5月の干ばつの影響は限定的であることから、作付面積の拡大により3億7349万トン(前年度比0.9%増)、砂糖生産量は2750万トン(粗糖換算、同0.9%増)と前年度を上回る予測となっている。
 
【貿易・政策動向等】
2012/13年度の輸出量は前年度から大幅減の見通し


 2012/13年度の砂糖消費量は、2500万トン(粗糖換算、前年度比3.3%増)の増加見込みとなっている。このため、輸入量は140万トン(粗糖換算、同480.9%増)と、大幅増が予測されている。輸出量の大半は、輸入粗糖を精製した後、再輸出されるとみられている。一方、輸出量は、国際価格の下落を背景に、前年度比70.1パーセント減の110万トンと予測されている。2013年4月の粗糖・白糖輸出量は、前年同月比76.0パーセント減の10万9000トン、主要輸出先はシリア、スーダン、タンザニアであった(図12)。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JULY 2013”
 

中国

 
【生産見通し】
2012/13年度の生産量は、前年度比7.8パーセント増の見込み


 2012/13年度(10月〜翌9月)のてん菜の製糖は既に終了しており、国内砂糖生産の約9割を占める甘しゃ糖の生産地である広西自治区と雲南省では、5月現在、同年度の製糖は1社を残して終了しつつある。今年度の中国全体の最終的な砂糖生産量は、1350万トン(粗糖換算、前年度比7.8%増)が見込まれている(表4)。

 2013/14年度の砂糖生産量は、原料作物の増産が見込まれることから、1375万トン(粗糖換算、同1.9%増)と、前年度から増加の見込みとなっている。
 
【貿易・政策動向等】
2012/13年度輸入量は、前年度から大幅な減少見込み


 2012/13年度の輸入量は、270万トン(粗糖換算、同37.1%減)と、前年度から大幅な減少が見込まれている。2013年5月の粗糖・白糖輸入量は33万8000トン(前年同月比33.1%増)となり、主な輸入先はグアテマラ、キューバ、ブラジルであった(図13)。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JULY 2013”
 
このページに掲載されている情報の発信元
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