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「疲れを取り、心を癒やす特効薬」〜砂糖に対する消費者のイメージ〜

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最終更新日:2015年8月10日

「疲れを取り、心を癒やす特効薬」〜砂糖に対する消費者のイメージ〜

2015年8月

一般財団法人消費科学センター 代表理事 大木 美智子

 表題の言葉は、私どもが砂糖や甘味料に対するイメージ調査をした時のアンケートの自由意見で出された答えです。自由意見では、「日常生活に絶対必要なもの」「必需品だが比較的安価で購入できるのでありがたい」などと、砂糖は何と言っても「なくてはならないもの」というイメージが強いようで、調味料にとどまらない、欠かせない食品と捉えられているようです。もっとも中にはいささかひねくれた「いじわるじいさん」もおられまして、「砂糖なしでも生きていけるのではないか」と書いてありました。その一方で同年代の別の方は「戦後の甘い物がない時の砂糖の甘さが忘れられない」と書いておられます。先の「いじわるじいさん」も実際には当時甘い物を欲しがって親を困らせた子どもだったのではないでしょうか。
 ところで、必需品であるだけに安く手に入るということは重要なわけですが、砂糖をどんな時に購入したかという質問に対しては約4割の人が「安売りをしていた時」と答えていました。砂糖には安売り対象品というイメージもあるようです。砂糖には賞味期限がありませんから安売り利用は賢い買い方の一つかとも私は思います。

 多くの人が砂糖の働きからのイメージを挙げていますが、調理や菓子作りでの役割という面からのイメージよりも、砂糖が心身に及ぼす働きをイメージした答えが圧倒的に多く見られました。中でも最も多くの人が持っているイメージは「疲労回復に欠かせない物」ということで、次に多いのが「心を癒やす効果が大きい」というイメージ、それらを合わせて「疲れやイライラを一個の角砂糖が和らげてくれる」、表題の「疲れを取り、心を癒やす特効薬」などという意見が寄せられています。
 私事ですが初めてのお産の時、生まれた長男は3750グラムで、病院で一番大きかったらしく、あまり泣くので普通はまだ飲ませないのだが、砂糖水を飲ませたらおとなしくなったと看護師さんから報告を受けました。今思えば長男は初めて外の空気に触れた疲れと不安を砂糖水で癒やされたのでしょう。もっとも、その長男も今では砂糖水よりもそれを発酵させたものの方が好きになっていますが・・・。

 アンケートから見る限り消費者の大部分は砂糖に好意的なイメージを持っているようですが、逆に否定的なイメージを持っている消費者も少なくはありません。そういうマイナス・イメージの中でどうやら一番多くの人が抱いているのは「摂り過ぎると害になる」というイメージです。しかも、このイメージは砂糖大好き人間にも、アンチ砂糖人間にも持たれているようでして、とりわけ砂糖大好き人間には困った問題ともなっているようです。「いつも摂り過ぎの強迫観念にとりつかれている」「甘い味にホッとします。たまに不安を覚えつつ」などと同情したくなるような、ほほ笑ましいような告白が書かれています。
 どんなものでも摂り過ぎは害になるもの、ですからこの言葉については否定できないのですが、上に「砂糖は・・・」という言葉が付くと、何となく他のものは別として砂糖だけが特別という感じになり、さらに「摂り過ぎると」という言葉も省略されて「砂糖は害になる」となりかねません。事実、アンケートでは砂糖を摂ると「太る」「虫歯になる」「糖尿病になる」という答えがマイナス・イメージの上位を占めました。

 以前行った調査では「太る」というイメージを持っている人が4割ぐらいいましたが、その一方で太るのは食事全体のカロリーの問題だという正しい意見を持った人もやはり4割ぐらいいました。「太るのは砂糖のせいではない」というPRも続けられているようですし、もうそういう誤解をしている人は少なくなったのではないかと思っていたのですが、まだかなりいるように思います。間違ったことでも一度頭に刷り込まれてしまうと、いくらPRしてもなかなか訂正できないもので、同じような問題が「虫歯」「糖尿病」にもあります。
 困ったことに「砂糖は有害」という昔の誤った観念が、いわゆる有識者と言われる人の一部にも残っているようで、今年6月の新聞記事によると、タバコ、酒とともに砂糖の健康リスクを挙げ、課税を提案している有識者懇談会があるとのことです。
 困ったものです。どうしたら良いかということですが、私は子どものうちに正しい知識を与えることが大切だと思います。平成17年にできた「食育基本法」に基づいて、「食育」が今は小中学校でも積極的に進められています。「食育」では、どんなものを食べたら安全か、危険か、健康になれるかという、食べ物を選ぶ判断力を身に付けさせるということが重要な目的の一つとなっており、砂糖は食生活の中でなくてはならないものですから、食育の中で砂糖の正しい知識を教えるよう食育の関係者に働き掛ける必要があると思います。

 私どもの調査の中で白い砂糖は漂白されていると思っている人が25%もいたのには驚きました。今でもそう思っている人がかなりいるようです。夏はかき氷の美味しい季節、子どもさんにねだられたら一緒に食べながら、無色透明な氷の柱を削ったかき氷が真っ白に見えるのも、無色透明な細かい結晶の集まりの砂糖が白く見えるのも、光の乱反射のせいだということを良く教えてやってください。食育は学校の中だけではなく、家庭でもやることが必要ですし、子どもだけではなく、成人に対しても必要です。有識者と言われる人たちにもやってもらいたいものです。せっかくの「特効薬」に高い税金がかけられたりしないように・・・。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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