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4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2015年9月時点予測)

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最終更新日:2015年10月9日

4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2015年9月時点予測)

2015年10月

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量はかなり減少見込み

 LMC Internationalの2015年9月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2014/15砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、879万ヘクタール(前年度比4.5%増)とやや増加となるが、主要生産地であるサンパウロ州で、生育時期の干ばつが影響し単収が低下したことから、生産量は6億3473万トン(同2.5%減)となり、砂糖の生産量は3819万トン(同5.8%減)とやや減少する見込みである。また、砂糖の輸出量は減産が響き、2487万トン(同12.9%減)とかなり大きく減少する見込みである(表2)。

2015/16年度の砂糖生産量は前年度並み、輸出量はわずかに増加見込み
 2015/16年度のサトウキビの収穫面積は887万ヘクタール(前年度比0.9%増)、生産量は6億4587万トン(同1.8%増)と、ともにわずかな増加が見込まれるものの、エルニーニョ現象の影響とされる過度な降雨でサトウキビの出穂現象が見られており、サトウキビ重量と産糖量の低下が懸念されることから、砂糖の生産量は3792万トン(同0.7%減)とほぼ前年度並みにとどまる見込みである。一方、砂糖の輸出量は2527万トン(同1.6%増)と、レアル安で推移する為替相場が追い風となり、わずかに増加する見込みである。

 また、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)(注1)が発表した2015/16年度の生産実績によると、ブラジル中南部地域の2015年4〜8月のサトウキビ生産量は、3億7425万トン(前年同期比0.4%増)と前年度並であるが、同期間の砂糖生産量は1920万トン(同8.3%減)とかなりの減少となった。これは、過度な降雨により、サトウキビ1トン当たりの産糖量が51.3キログラム(同8.7%減)と低下している上、砂糖の国際価格が低迷していることから、企業が砂糖よりも短期間で利益を回収できるエタノールへの仕向け量を増やしていることが影響しているものと考えられる。

 同報告によると、4〜8月のエタノール生産量は、1665万キロリットル(前年同期比3.1%増)となっている。また、8月の含水エタノール(注2)の国内販売量は、162万キロリットル(前年同月比43.9%増)と単月としては記録的な水準となり、輸出量も含めた4〜8月のエタノールの販売数量は、1233万キロリットル(前年同期比23.6%増)に達している。

(注1)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。
(注2)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除いたアルコール100%で、ガソリンに混合して利用される。
 
 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量は大幅増も輸出量はかなり減少見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みにとどまるものの、高単収品種の普及に伴い単収の向上が見込まれることから、生産量は3億7389万トン(前年度比4.9%増)とやや増加する見込みである。また、天候に恵まれたことにより製糖歩留まりが向上していることから、砂糖の生産量は3052万トン(同16.2%増)と大幅に増加する見込みである(表3)。

 一方、砂糖の輸出量は、政府が粗糖に対する輸出補助金(注)を措置しているものの、国際価格が低迷していることから、245万トン(前年度比14.6%減)とかなり減少する見込みである。

2015/16年度の砂糖生産量はやや減少見込み
 2015/16年度は、国内企業による生産者への原料代の支払いが滞っていることから、サトウキビの収穫面積は、523万ヘクタール(前年度比0.6%増)と前年度並みにとどまり、株出しほ場の増加により単収の低下が懸念されることから、生産量は3億5851万トン(同4.1%減)、砂糖生産量も2890万トン(同5.3%減)と、ともにやや減少が見込まれる。

 インド砂糖製造協会(ISMA)が先ごろ発表した2015/16年度の生産予測によると、サトウキビの作付面積は536万ヘクタール(前年度比0.7%増)とほぼ前年度並であるが、砂糖生産量は精製糖換算で2800万トン(同1.1%減)とわずかに減少する見込みである。これは、主要生産地であるウッタル・プラデーシュ州、タミルナードゥ州およびカルナータカ州でサトウキビの作付面積が増加しているものの、マハーラーシュトラ州が7月に深刻な雨不足に見舞われ、また一部の工場が資金繰りの関係により圧搾を開始できないことから、同州の砂糖生産量は970万トン(同7.1%減)とかなりの減少が見込まれるためである(図4)。

 政府は、国内外の砂糖価格の低迷により在庫を抱え、負債に苦しむ国内企業を支援するため、60億ルピー(119億円:1ルピー=1.98円)の予算を措置し、国内の製糖企業に対して無利子融資を行うことを決定した。企業ごとの融資は、原料代の未払額に応じて9月末までに行われることとなっており、これにより生産者への原料代支払いを促進することとしている。

 加えて政府は、2015/16年度の輸出割当数量を400万トンと設定し、過去3年の平均生産量を基に各工場に割り当てると発表した。

 さらに、現地報道によれば、ガソリンへのエタノール混合率の義務付けを、現行の5%から10%に引き上げることが検討されている。これにより、エタノール需要量が2倍となり、少なくとも300万〜400万トンの砂糖在庫量の削減につながると試算されている。

(注)インド政府によると、粗糖の輸出補助金は2015年9月末までの措置としており、対象数量は140万トン、単価は1トン当たり4000ルピー(7920円(8月末TTS:1ルピー=1.98円))である。なお、単価は、米ドル為替に連動して2カ月ごとに設定された前年度の平均より同1000ルピー程度高く設定された。
 
 
【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量は大幅減、輸入量は大幅に増加見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は141万ヘクタール(前年度比13.2%減)とかなり減少したことに加え、最大生産地である広西自治区が、天候不順により大幅な減産となることから、生産量は8226万トン(同22.7%減)と大幅な減少が見込まれる(表4)。この減産により、甘しゃ糖の生産量は1061万トン(同21.9%減)と大幅に減少する見込みである。

 他方、てん菜の収穫面積は13万ヘクタール(前年度比4.1%減)、生産量は642万トン(同0.2%減)、てん菜糖生産量は80万トン(同1.1%減)の見込みである。この結果、砂糖生産量は1141万トン(同20.7%減)と大幅に減少する見込みである。

2015/16年度の砂糖生産量はやや減少見込み
 2015/16年度は、サトウキビ収穫面積が127万ヘクタール(前年度比10.1%減)とかなり大きく減少するものの、植え付け時の干ばつの影響が懸念されていた広西自治区では、7月に平年以上の降雨がもたらされたことから生産回復が期待されており、生産量は7800万トン(同5.2%減)とやや減少にとどまる見通しである。また、てん菜収穫面積は12万5000ヘクタール(同3.6%減)、生産量は624万トン(同2.7%減)と減少する見通しである。この結果、砂糖生産量は、1078万トン(同5.5%減)と見込まれる。
 
 
【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量はかなりの増加、輸入量は大幅に減少見込み

 2014/15年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は155万ヘクタール(前年度比3.8%増)とやや増加し、播種時の天候に恵まれたことから、生産量は1億1770万トン(同15.2%増)とかなり増加する見込みである(表5)。また、砂糖の生産量は1925万トン(同15.6%増)とかなり大きく増加し、生産割当数量(精製糖換算で1353万トン)を超える見込みである。なお、生産割当数量を超えた分は、非食用(エタノールや工業製品)や輸出用などに向けられる。砂糖の輸入量は、生産量の増加を受けて318万トン(同18.8%減)と前年度を大幅に下回る見込みである。

2015/16年度の砂糖生産量は大幅減、輸入量は大幅に増加見込み
 2015/16年度については、播種は天候に恵まれ、おおむね平年並みに終了したものの、在庫の増加による砂糖価格下落への懸念から、てん菜の収穫面積は135万ヘクタール(前年度比13.2%減)とかなりの減少が予想される。また、8月はフランスで適度な降雨があった一方、デンマークおよびドイツなどで干ばつが続いたことから、てん菜の生産量は9354万トン(同20.5%減)、砂糖の生産量は1541万トン(同19.9%減)と、ともに大幅な減少が見込まれる。この減産を受け、砂糖の輸入量は、425万トン(同33.6%増)と大幅な増加が予想される。
 
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