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平成27年度甘味料の需要実態調査の概要〜砂糖、液糖、黒糖(国内産)編〜

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最終更新日:2016年5月6日

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平成27年度甘味料の需要実態調査の概要〜砂糖、液糖、黒糖(国内産)編〜

2016年5月

調査情報部


【要約】
 砂糖は味や風味が良いことから、さまざまな食品の甘味料として使用されていた。液糖は、味や風味が良いことに加え、作業の効率化のために飲料などで使用されていた。国内産黒糖は、製品の付加価値を高めるために使用する事例が多く見られた。

はじめに

 当機構では、甘味料の需要実態を把握するため、菓子類、飲料、乳製品、パン、調味料などを製造する食品製造企業52社に対して、平成27年(1〜12月)における甘味料(砂糖、液糖、黒糖(国内産)、異性化糖、加糖調製品、人工甘味料など)の使用状況について、選択回答式によるアンケート調査を実施した。

 調査項目は、使用している甘味料ごとに、「使用製品」「使用理由」「仕入れ量」「仕入れ量の動向」「今後の仕入れ見込み」「仕入れ価格」「仕入れ価格の動向」「品質面および調達面に関する評価」などとした。

 本稿では、砂糖、液糖および黒糖(国内産)の調査結果を報告し、次号で異性化糖、加糖調製品などの調査結果を報告する。

1. わが国における砂糖の需給動向

 農林水産省によると、砂糖の総需要量は減少傾向で推移しており、平成26砂糖年度(10月〜翌9月)には197万1000トンと200万トンを下回った。27年度は198万9000トンと、前年度をわずかに上回る見通しであるものの、依然として200万トンを下回る水準であった(図1)。同様に1人当たりの年間消費量も減少傾向で推移しており、24年度以降は16キログラムを下回っており、27年度は15.7キログラムの見通しである。  平成26年度の砂糖の用途別消費動向を見ると、全体の28.3%を占める菓子向けをはじめ、清涼飲料や乳製品など、食品業務向けが8割以上を占めており、家庭用は同12.0%にすぎない(図2)。食品製造企業における需要動向が砂糖の消費動向に大きな影響を与えると言える。

 

 

2. 砂糖の需要実態

(1)使用状況

 砂糖を使用していたのは、52社のうち50社で調査対象企業のほとんどで使用されていた。製品分類別の使用企業数(延べ数)は、菓子類21社、乳製品13社、飲料11社、調味料7社、パン5社、その他食品11社であった。各分類の主な使用製品を見ると、菓子類はチョコレート、キャンディ、和菓子、洋菓子など菓子全般、乳製品はヨーグルト、乳飲料、アイスクリームなど、飲料はコーヒー、紅茶、清涼飲料、濃縮飲料、酒類など、調味料はしょうゆ、ドレッシング、たれなど、その他食品は水産練製品、加工食品、粉末スープ、漬け物などであった。

 使用理由(延べ数)は、「味、風味が良いため」が41社と最も多く、次いで「天然の甘味料であるため」20社、「品質が安定しているため」19社であった(図3)。その他の理由としては、「ボリューム感を出すため(菓子類)」「調味のため(冷凍食品)」「増粘剤に混ぜるため(飲料)」「配合上欠かせない(調味料)」などが挙げられた。砂糖は、天然の甘味料として味や風味が高く評価され、多くの食品の甘味料として使用されていることがうかがえる。

 

(2)調達状況

ア.仕入れ量    
 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「100〜999トン」「1000〜4999トン」がそれぞれ13社で、次いで「5000〜9999トン」が10社、「1万トン以上」が7社であった(図4)。「1万トン以上」と回答した企業の製品分類を見ると、菓子類、パン、飲料などで、中でも飲料が3社と最も多かった。

イ.仕入れ量の動向    
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が24社と最も多く、次いで「やや減少」12社、「やや増加」11社、「大幅に増加」「大幅に減少」がそれぞれ1社となった(図5)。  

 増加の理由を見ると、「大幅に増加」の理由は、「使用製品の製造量の増加(飲料)」で、同社の27年の砂糖の使用量は「1万トン以上」であった。「やや増加」の理由は10社が「使用製品の製造量の増加」を、1社が「加糖調製品からの切り替え(飲料)」を挙げた。加糖調製品からの切り替えの理由は、「砂糖の方が品質が良いから」であった。    
 
 減少の理由を見ると、「大幅に減少」の理由は、「他の甘味料への切り替え(飲料)」であった。「やや減少」の理由は9社が「使用製品の製造量の減少」を、2社が「加糖調製品への切り替え(菓子類、乳製品)」を、1社が「商品構成の変更のため(乳製品)」を挙げた。加糖調製品への切り替えの理由として1社が「コスト削減のため」を挙げた。

ウ.今後の仕入れ見込み    
 今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が31社と最も多く、「やや増加」「やや減少」がそれぞれ7社、6社、「大幅に増加」「大幅に減少」と回答した企業はなかった(図6)。「やや増加」の理由は「使用製品の製造量の増加」が最も多かった。「やや減少」の理由は「使用製品の製造量の減少」が最も多く、この他、「商品の規格を変更するため(菓子類)」「他の甘味料への切り替え(飲料)」などが挙げられた。「他の甘味料への切り替え」と回答した企業は、平成27年の仕入れ量で「他の甘味料への切り替え」を理由に、「大幅に減少」と回答した企業と同一であった。

  

 

 

エ.仕入れ価格の動向    
 1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)は、「日経相場より安値(−6円以下)」が24社と最も多く、次いで「日経相場と同水準(±5円以内)」9社と、ほとんどの企業が日経相場と同水準またはそれ以下で仕入れていた(図7)。    

 平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が19社と最も多く、次いで「やや下落」が16社、「やや上昇」が11社となった(図8)。変動の要因として、「相場の変動」が最も多く挙げられた。10月に10〜12月期の平均輸入価格の引き下げを受け、製糖メーカーが出荷価格を1キログラム当たり2円引き下げたが、同年の日経相場は年間を通じておおむね安定して推移したことから、「横ばい」となった企業が多かったとみられる。また、「やや下落」と回答した企業3社からは理由として、「仕入先との交渉による」が挙げられた。

 

 

(3)品質面および調達面に関する評価

 品質面および調達面について、「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面については回答のあった49社すべてが「普通」以上の評価であった。

 調達面については、回答のあった48社のうち44社が「普通」以上の評価であったが、4社が「不満」と回答した。「不満」と回答した企業からは「価格が高いこと」などが理由として挙げられた。

3. 液糖の需要実態

(1)使用状況

 液糖を使用していたのは52社のうち18社で、調査対象企業の3割を占めた。製品分類別の使用企業数(延べ数)は飲料が10社と最も多く、次いで乳製品7社、菓子類、調味料、パンがそれぞれ1社であった。各分類の主な使用製品は、飲料はコーヒー、紅茶、清涼飲料など、乳製品は乳飲料、発酵乳、ヨーグルト、アイスクリームなど、調味料はたれ、ケチャップなどで、液状の製品での使用が目立った。

 使用理由(延べ数)は、「味、風味が良いため」が12社と最も多く、次いで「作業の効率化のため」9社となった(図9)。その他の理由として「製品の適性によって砂糖と使い分けている(飲料)」「配合上欠かせない(調味料)」が挙げられた。砂糖と同様に味や風味が高く評価されており、飲料などでは作業の効率化を目的として使用されていることがうかがえる。

 

(2)調達状況

ア.仕入れ量    
 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は「1万トン以上」が6社と最も多かった(図10)。「1万トン以上」と回答した企業の内訳は飲料が4社、パンと乳製品がそれぞれ1社であった。

イ.仕入れ量の動向  
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が7社と最も多く、次いで「やや減少」が6社、「大幅に増加」「やや増加」はそれぞれ2社であった(図11)。増加の理由を見ると、「大幅に増加」と回答したのは飲料、乳製品製造企業で、いずれも「使用製品の製造量の増加」を理由に挙げた。「やや増加」と回答した企業は、パン、飲料・調味料製造企業で、いずれも「使用製品の製造量の増加」を理由に挙げた。一方、減少の理由を見ると、「大幅に減少」と回答した企業は飲料製造企業で、「他の甘味料への切り替え」を理由に挙げた。同社は砂糖の設問においても、「他の甘味料への切り替え」を理由に「大幅に減少」と回答した。「やや減少」の理由として、5社が「使用製品の製造量の減少」を、1社が「商品構成の変更のため(飲料)」を挙げた。

ウ.今後の仕入れ見込み  
 今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が11社と最も多く、次いで「やや増加」3社、「やや減少」2社となった(図12)。「やや増加」の理由は、3社ともに「使用製品の製造量の増加」であった。「やや減少」の理由は、「使用製品の製造量の増加」1社、「他の甘味料への切り替え」1社であった。「他の甘味料への切り替え」と回答したのは飲料製造企業で、砂糖においても、「他の甘味料への切り替え」を理由に「やや減少」と回答した。

エ.仕入れ価格の動向  
 1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について8社から回答が得られた。各社の動向を見ると、「90円未満」1社、「90〜99円」3社、「100〜109円」3社、「110円以上」1社と、回答企業の仕入れは「90〜109円」の価格帯が多かった。

 平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が11社と最も多く、次いで「やや下落」が4社、「やや上昇」2社、「大幅に下落」1社となった(図13)。変動の理由として、「相場の変動のため」が最も多く挙げられ、「やや下落」と回答した1社からは「仕入先との交渉による」が挙げられた。

 

 

 

 

(3)品質面および調達面に関する評価

 品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面については回答のあった17社すべてが「普通」以上の評価であった。

 調達面については、回答のあった16社のうち13社が「普通」以上の評価であったが、3社が「不満」と回答した。「不満」と回答した企業からは、「価格が高いこと」などが理由として挙げられた。

3. 黒糖(国内産)の需要実態

(1)使用状況

 黒糖(国内産)を使用していたのは52社のうち16社で、調査対象企業の約3割を占めた。製品分類別の使用企業数(延べ数)は、菓子類が8社と最も多く、次いでパン4社、飲料およびその他食品がぞれぞれ2社、乳製品1社となった。各分類の主な使用製品は、菓子類はようかん、まんじゅうなどの和菓子、洋生菓子、キャンディ、クッキーなど、飲料は酒類など、その他食品はスープなど、乳製品は乳飲料であった。

 使用理由(延べ数)は、「国産により付加価値を高めるため」が9社と最も多く、次いで「風味付けのため」7社、「商品に特長を出すため」6社となった(図14)。また、「顧客からの要望により使用している(スープ類)」との回答も見られた。多くの企業で商品名に「黒糖」を入れたり、商品パッケージなどに黒糖を使用した旨を表示するなど、付加価値を高める製品販売を行っている。

 

(2)調達状況

ア.仕入れ量
 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「10トン未満」が8社と最も多く、次いで「100トン以上」が4社であった(図15)。「100トン以上」と回答した企業の内訳は菓子類3社、パン1社であった。使用する黒糖の原産地については、回答が得られた10社すべてが沖縄県であった。

イ.仕入れ量の動向
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が8社と最も多く、次いで「やや減少」5社、「やや増加」「大幅に増加」はそれぞれ2社、1社であった(図16)。増加の理由を見ると、「大幅に増加」「やや増加」と回答したすべての企業が「使用製品の製造量の増加」であった。「大幅に増加」と回答したのはパン製造企業で、新製品に黒糖を使用したことにより製造量が増加したという。「やや減少の理由」は、すべての企業が「使用製品の製造量の減少」であった。

ウ.今後の仕入れ見込み
 今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が12社と最も多く、「やや増加」2社、「やや減少」1社となった(図17)。「やや増加」の理由はいずれも「使用製品の製造量の増加」で、「やや減少」の理由は「使用製品の製造量の減少」であった。

エ.仕入れ価格の動向
 1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について10社から回答が得られた。各社の動向を見ると、「300円台」が5社と最も多く、次いで「400円以上」3社、「300円未満」2社となった。
 
 平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が9社と最も多く、次いで「やや上昇」5社、「大幅に上昇」1社と、下落と回答した企業はなかった(図18)。変動の理由として「相場の変動のため」が最も多く挙げられた。

 

 

 

 

(3)品質面および調達面に関する評価

 品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面については13社が「普通」以上の評価であったが、3社が「やや不満」とした。「やや不満」の理由として「ロットや年によって品質が安定しない」が挙げられた。

 調達面については12社が「普通」以上の評価であったが、「やや不満」「不満」がそれぞれ2社であった。不満の理由として「供給量が不足している」「供給量不足により価格が高騰している」「安定供給を望む」など、安定供給に対する要望が多く見られた。パン製造企業からは「価格の高騰が続くと使用できなくなる」といった声も聞かれた。

おわりに

 砂糖と液糖は天然の甘味料として味や風味が高く評価されており、液糖はこれらに加え作業性の高さも評価されていた。砂糖の平成27年の仕入れ量は7割以上の企業が横ばいもしくは増加としており、他の甘味料への切り替えによる減少は、2社にとどまった。一方で、品質向上を理由に加糖調製品から砂糖に切り替える事例もあるなど、一部では砂糖への回帰も見られた。

 黒糖は製品の高付加価値化や特長付けのために使用されていたが、品質面や供給面に不満を持つ企業も見られた。特に、供給面について安定供給を望む声が多く聞かれ、安定供給が課題と言える。

 最後にお忙しい中、本調査にご協力いただいた企業の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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