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平成27年度甘味料の需要実態調査の概要〜ココア調製品、加糖あん、小麦粉調製品〜

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最終更新日:2016年7月11日

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平成27年度甘味料の需要実態調査の概要〜ココア調製品、加糖あん、小麦粉調製品〜

2016年7月

調査情報部

【要約】

 ココア調製品はチョコレートやココア飲料などで使用されており、使用理由は「コスト削減のため」が多く見られた。加糖あんはアイスクリーム、和菓子、パンなどで使用されており、使用理由は「コスト削減のため」「製品の特性に合うため」など各社で分かれた。小麦粉調製品は菓子やパンなどで使用されており、使用理由はすべての企業で「コスト削減のため」であった。
 

はじめに

 当機構では、甘味料の需要実態を把握するため、菓子類、飲料、乳製品、パン、調味料などを製造する食品製造企業52社に対して、平成27年(1〜12月)における甘味料(砂糖、液糖、黒糖(国内産)、異性化糖、加糖調製品、人工甘味料など)の使用状況について、選択回答式によるアンケート調査を実施した。

 調査項目は、使用している甘味料ごとに、「使用製品」「使用理由」「仕入れ量」「仕入れ量の動向」「今後の仕入れ見込み」「仕入れ価格」「仕入れ価格の動向」「品質面および調達面に関する評価」などとした。

 本稿では前月号までの砂糖、液糖、黒糖(国内産)、異性化糖、ソルビトール調製品、ミルク調製品に続き、ココア調製品、加糖あん、小麦粉調製品の調査結果を報告し、次号以降で人工甘味料などの調査結果を報告する。
 

1. ココア調製品の需要実態

 ココア調製品はココア粉、カカオマスおよび砂糖などを混合したものであり、主にチョコレート菓子や飲料などで使用されている。財務省「貿易統計」によると、平成27年の輸入量は9万7645トン(前年比6.2%増)と、前年からかなりの程度増加し、直近10年間で最大となった(図1)。主な輸入先国はシンガポール、韓国およびマレーシアの3カ国である。
 
 
(1)使用状況
 ココア調製品を使用していたのは52社のうち7社で、調査対象企業の13%にとどまった。製品分類別の使用企業数(延べ数)は菓子類が5社と最も多く、次いで飲料3社、パン1社であった。各分類の主な使用製品を見ると、菓子類はチョコレート、飲料はココア、粉末飲料であった。

 使用理由(延べ数)は、「コスト削減のため」が6社と最も多く、次いで「調製作業の効率化のため」2社(菓子類、菓子類・飲料)、「ココア原料の安定調達のため」1社(菓子類・飲料)、「製品の特性に合うため」1社(パン)であった(図2)。
 
 
(2)調達状況
ア.仕入れ量

 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「1000〜4999トン」が3社と最も多く、次いで「5000〜9999トン」2社、「1000トン未満」1社であった(図3)。「5000〜9999トン」と回答した企業の製品分類は、いずれも菓子類であった。

 原産国について5社から回答が得られ、シンガポール2社、韓国2社、マレーシア1社であった。
 
 
イ.仕入れ量の動向
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が4社と最も多く、次いで「やや増加」2社、「大幅に減少」1社であった(図4)。「やや増加」と回答した企業の製品分類は菓子類と飲料で、理由は菓子類が「商品構成の変更のため」、飲料が「使用製品の製造量の増加」であった。なお、「やや増加」と回答した菓子類製造企業は、平成27年の仕入れ量が「5000〜9999トン」と回答した企業と同一であった。

 「大幅に減少」と回答した企業の製品分類は菓子類で、理由は「砂糖への切り替えのため」であった。
 
 
ウ.今後の仕入れ見込み
 今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が5社と最も多く、次いで「やや増加」2社と、減少を見込む企業は見られなかった(図5)。「やや増加」と回答した企業の製品分類は菓子類と菓子類・飲料で、理由はいずれも「使用製品の製造量の増加」であった。
 
 
エ.仕入れ価格の動向
 1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について3社から回答が得られた。回答企業の価格帯は、「150〜199円」2社、「200〜249円」1社であった。

 平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が3社と最も多く、次いで「やや上昇」2社と、下落した企業は見られなかった(図6)。同年のココア調製品の平均輸入価格は、1キログラム当たり151円と、前年から同10円上昇したことなどから、一部の企業で仕入れ価格が上昇したとみられる。
 
 
(3)品質面および調達面に関する評価
 品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面については「満足」2社、「普通」5社とすべての企業が「普通」以上の評価であった。調達面について6社から回答が得られ、「満足」2社、「普通」4社と回答のあった企業のすべてが「普通」以上の評価であった。

(4)砂糖への切り替えの意向
 砂糖への切り替えの意向について6社から回答が得られ、「意向なし」5社、「条件が合えば検討する」1社で、「意向あり」と回答した企業は見られなかった。「意向なし」「条件が合えば検討する」と回答した企業に対し、砂糖への切り替えの条件を尋ねたところ、3社から回答が得られ、3社すべてが「砂糖価格の低下」を挙げており、価格次第で砂糖への切り替えが進むとみられる。
 

2. 加糖あんの需要実態

 加糖あんは小豆と砂糖などを混ぜたものであり、主に和菓子などで使用されている。財務省「貿易統計」によると、平成27年の加糖あん(調製した豆)の輸入量は、6万5609トン(前年比6.9%減)と前年からかなりの程度減少した(図7)。直近10年間の輸入量は減少傾向で推移しており、27年は18年比28.2%減と、大幅に減少している。主な輸入先国は中国である。
 
 
(1)使用状況
 加糖あんを使用していたのは52社のうち6社で、調査対象企業の約12%にとどまった。製品分類別の使用企業数(延べ数)は乳製品とパンがそれぞれ3社、菓子類が1社であった。各分類の主な使用製品を見ると、乳製品はアイスクリーム、菓子類は和菓子であった。

 使用理由(延べ数)は、「コスト削減のため」「製品の特性に合うため」がそれぞれ2社、「調製作業の効率化のため」「豆原料の安定調達のため」がそれぞれ1社と、各社で分かれた(図8)。「豆原料の安定調達のため」と回答した企業の製品分類はパンで、平成27年の仕入れ量が1万トンを超えており、調査対象企業の中で最も仕入れ量の多い企業であった。
 
 
(2)調達状況
ア.仕入れ量

 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「1000トン未満」3社、「1000〜4999トン」1社、「1万トン以上」1社であった(図9)。仕入れ量の多かった企業の製品分類を見ると、「1000〜4999トン」は菓子類・パン、「1万トン以上」はパンであった。

 原産国について4社から回答が得られ、4社すべてが中国であった。
 
 
イ.仕入れ量の動向および今後の仕入れ見込み
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」「やや減少」がそれぞれ3社と、増加した企業は見られなかった。「やや減少」と回答した3社の製品分類はパン、乳製品、菓子類・パンで、減少の理由はいずれも「使用製品の製造量の減少」であった。菓子類・パン製造企業では販売方針の変更により拡販を控えたため、使用製品の製造量が減少したとのことであった。

 今後の仕入れ見込みについては4社から回答が得られ、すべての社が「横ばい」であった。

ウ.仕入れ価格の動向
 1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について3社から回答が得られた。回答企業の価格帯は100円台、200円台、300円台と各社で分かれた。

 平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」3社、「やや上昇」1社であった(図10)。同年の加糖あんの平均輸入価格は1キログラム当たり136円と、前年の同120円からかなり大きく上昇したにもかかわらず、仕入れ価格の上昇が見られたのは1社にとどまった。
 
 
(3)品質面および調達面に関する評価
 品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面については「満足」1社、「やや満足」1社、「普通」4社と、すべての社が「普通」以上の評価であった。調達面については5社から回答が得られ、「満足」1社、「普通」4社と、すべての社が「普通」以上の評価であった。

(4)砂糖への切り替えの意向
 砂糖への切り替えの意向について4社から回答が得られ、すべての社が「意向なし」であった。なお、砂糖への切り替えの条件については回答が得られなかった。
 

3. 小麦粉調製品の需要実態

 小麦粉調製品は小麦粉と砂糖を混合したもので、主に製菓、製パン原料に使用されている。財務省「貿易統計」によると、平成27年の輸入量は2万9148トン(前年比16.1%減)と、前年から大幅に減少した(図11)。直近10年間の輸入量は減少傾向で推移しており、27年は18年比40.1%減と、大幅に減少している。主な輸入先国は韓国、シンガポール、インドネシア、カナダであるが、全体の7割以上を韓国が占めている。

 



 

(1)使用状況
 小麦粉調製品を使用していたのは52社のうち7社で、調査対象企業の約13%にとどまった。製品分類別の使用企業数(延べ数)は菓子類4社、パン2社、その他食品2社であった。各分類の主な使用製品を見ると、菓子類はビスケット、クッキー、せんべいなど、その他食品はホットケーキミックス、冷凍食品であった。

 使用理由について6社から回答が得られ、すべての社が「コスト削減のため」を挙げた。このことから小麦粉調製品がコスト削減のために砂糖の代替として使用されていることがうかがえる。

(2)調達状況
ア.仕入れ量

 平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「100トン未満」1社、「100〜499トン」1社、「1000トン以上」2社であった(図12)。「1000トン以上」と回答した企業の製品分類はパン、菓子類・その他食品(ホットケーキミックス)であった。
 
 原産国について4社から回答が得られ、韓国3社、シンガポール1社であった。
 

 
イ.仕入れ量の動向
 平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」4社、「やや減少」1社と、増加した企業は見られなかった(図13)。「やや減少」と回答した企業の製品分類はパンで、減少の理由は「使用製品の製造量の減少」であった。

 


 

ウ.今後の仕入れ見込み
 今後の仕入れ見込みは「横ばい」が4社、「やや減少」「大幅に減少」がそれぞれ1社と、増加を見込む企業は見られなかった(図14)。減少と回答した企業の製品分類を見ると、「やや減少」「大幅に減少」ともに菓子類であった。減少の理由はいずれの社も「使用製品の製造量の減少」であった。




 

エ.仕入れ価格の動向
 1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について3社から回答が得られた。回答企業の価格帯は「100円未満」1社、「100〜149円」2社であった。

 平成27年の仕入れ価格の動向は、「やや上昇」3社、「横ばい」1社、「やや下落」1社と各社で分かれた(図15)。同年の小麦粉調製品の平均輸入価格は、1キログラム当たり79円と前年の同77円から上昇したことから、一部の企業で仕入れ価格が上昇したとみられる。



 

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(3)品質面および調達面に関する評価
 品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面について6社から回答が得られ、「満足」3社、「普通」3社とすべての社が「普通」以上の評価であった。調達面について6社から回答が得られ、「満足」2社、「普通」4社とすべての社が「普通」以上の評価であった。

(4)砂糖への切り替えの意向
 砂糖への切り替えの意向について6社から回答が得られ、「意向なし」5社、「条件が合えば検討する」1社と、「意向あり」と回答した社は見られなかった。砂糖への切り替えの条件を尋ねたところ3社から回答が得られ、「砂糖価格の低下」2社、「コストメリットがあれば切り替える」1社と、コスト面を条件に挙げた。
 

おわりに

 ココア調製品、加糖あん、小麦粉調製品を使用する企業は、それぞれ調査対象企業の約1割と、他の加糖調製品に比べると使用する企業は少なかった。

 各調製品の使用理由を見ると、加糖あんは「コスト削減のため」「製品特性に合うため」「豆原料の安定調達のため」など各社で分かれた。一方、ココア調製品と小麦粉調製品は「コスト削減のため」とする企業が多く見られた。これらの企業からは砂糖への切り替えの条件として「砂糖価格の低下」が挙げられ、価格次第では砂糖への切り替えが進むとみられる。

 最後にお忙しい中、本調査にご協力いただいた企業の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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