[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
検索
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 調査報告 > 市場調査 > 食品メーカーにおける砂糖類の利用形態

食品メーカーにおける砂糖類の利用形態

印刷ページ

最終更新日:2017年8月10日

食品メーカーにおける砂糖類の利用形態
〜平成28年度甘味料およびでん粉の仕入動向調査の概要〜

2017年8月

調査情報部

【要約】

 人工甘味料は、飲料向けの用途が多く、カロリーを抑える目的で使用されている。化工でん粉は、幅広い用途で使われているものの、デキストリン類と加工でん粉の用途には差があった。

 仕入量について、人工甘味料は減少したとする回答が目立った一方、化工でん粉は増加したとする回答が多かった。

はじめに

 当機構は、甘味料およびでん粉の需要動向に大きな影響を与えている人工甘味料および化工でん粉の具体的なニーズや利用状況を把握するため、食品製造事業者を対象としたアンケート調査を毎年実施している。

 本稿では、平成28年度に実施した「甘味料およびでん粉の仕入動向調査」の調査結果について報告する。なお、砂糖類の調査結果については本誌2017年8月号を、天然でん粉については同2017年7月号を参照されたい。

図1 砂糖の用途別仕向け割合の推移

1.調査の方法

(1)調査期間  
 平成29年2〜3月

(2)調査対象  
 甘味料またはでん粉を使用する食品製造事業者

(3)調査方法  
 郵送による調査票の発送および回収を実施

(4)回収状況

(6)集計区分

(5)集計区分

2.調査企業の概要

(6)集計結果についての留意事項
ア.図中の「n」は有効回答数を表す。
イ.端数処理の関係により、図中の内訳の合計が100%にならないことがある。
ウ.「不明・無回答」は比較対象から除外する。

図2 資本金の額と業種の構成比

3.集計結果

 甘味料を使用する企業52社のうち、人工甘味料を使用する企業は17社(注1)、でん粉を使用する企業45社のうち、化工でん粉を使用する企業は23社(注2)であった。
 
 人工甘味料および化工でん粉を使用する企業の資本金の額と業種は以下の通り(図1図2)。

(注1)複数の人工甘味料を使用する企業があるため、1(5)の集計区分の内訳の合計と一致しない。
(注2)複数の化工でん粉を使用する企業があるため1(5)の集計区分の内訳の合計と一致しない。

図3 砂糖類の用途(複数回答)

(2)砂糖類を用いた商品のラインナップ数
 使用する商品のラインナップ数を種類別に見ると、砂糖、異性化糖ともに、1企業当たり「101点以上」が最も多かった(図4)。
 一方、黒糖は、「10点以下」が最多で、かつ、51点以上の商品に用いる企業は見られなかった。

図4 砂糖類を用いる商品の数(1企業当たりの商品点数)

(3)砂糖類を使用する理由
 砂糖類を使用する理由として、「商品に風味を加える」が37件、次いで「甘味料そのものの味、風味が良い」が34件と、この2項目が圧倒的に多かった(図5)。「商品に風味を加える」は、製菓業を中心に、ソース・たれ・つゆ類や総菜の製造業などさまざまな企業が回答しており、食欲を増進させるような香りや味わいを出すのに砂糖類の使用が適していると言える。

 種類別に見ると、異性化糖は「製造原価(製造コスト)を抑える」「口当たりを良くする」との回答が相対的に多かった。

 「商品の付加価値を高める」と回答した全ての企業は、黒糖を使用している。なお、砂糖類を使用した具体的な商品名を尋ねたところ、黒糖を使用した商品では、ほとんどの企業がパッケージに「黒糖」と表記したり、「黒糖」の使用を全面に打ち出した商品展開をしていた。

図5 砂糖類を使用する理由(複数回答)

(4)仕入量の動向
ア.直近1年間の仕入量

 平成28年(1〜12月、以下同じ)の仕入量を種類別に見ると、砂糖、異性化糖ともに、「1000トン未満」が最も多く、次いで「1000トン以上3000トン未満」の順であった(図6)。なお、異性化糖については、「9000トン以上」との回答が18.8%と、全体の約2割を占めた。
 また、黒糖は「20トン未満」が最多であり、全体の半数を占めた(図7)。

図6 砂糖および異性化糖の仕入量(複数回答)

図7 黒糖の仕入量

イ.昨年と比較した仕入量の動向
 平成27年と比較した28年の仕入量の動向は、いずれの種類も「横ばい」が最も多く、全体の約6〜7割を占めた(図8)。

 横ばい以外を回答した企業の増減要因としては、「既存商品の需要の変動」を挙げる企業が多かった。「大幅に増加」「やや増加」と回答した企業は、新商品開発や他の甘味料からの切り替えを理由に挙げ、製菓業が多かった。これは、堅調な国内需要を下支えに、近年増加している訪日外国人観光客によるインバウンド需要で、菓子類の販売が好調に推移していることも、少なからず背景にあるものと推察される。
 一方、「やや減少」「大幅に減少」と回答した企業は、総菜製造業や調味料製造業が多かった。

図8 仕入量の対前年比

ウ.今後の仕入量の見込み
 今後の仕入量の見込みは、いずれの種類も「横ばい」が圧倒的に多かった(図9)。
 横ばい以外を回答した企業の増減要因としては、全体として「既存商品の需要の変動」を挙げる企業がほとんどであった。「大幅に増加する見込み」「やや増加する見込み」と回答した企業は製菓業や乳飲料・乳製品製造業、「やや減少する見込み」と回答した企業は調味料製造業であった。

図9 今後の仕入量の見込み

(5)仕入価格の動向
ア.直近の仕入価格
 1キログラム当たりの仕入価格(平成29年1月時点)は、種類ごとに価格帯が異なっていた。
 種類別に見ると、砂糖は「170円未満」が、異性化糖は「100円未満」が約半数を占めた(図10)。なお、日本経済新聞社が公表する「主要相場」(以下「日経相場」という)によると、29年1月の上白糖の月平均市中価格(東京、大袋)は1キログラム当たり193円(図11)、糖化製品市中相場の異性化糖の月平均市中価格は、果糖分42%のものが同131〜132円、果糖分55%のものが同137〜138円であることから、いずれも日経相場を下回る仕入価格であった。
 また、黒糖は「400円以上500円未満」が最も多く、総じて他の砂糖類よりも高い傾向にあった。

図10 種類別の1キログラム当たりの仕入価格

図11 上白糖の月別平均市中価格(東京、大袋)の推移

イ.昨年と比較した仕入価格
 平成27年と比べた28年の仕入価格の動向は、砂糖は「大幅に上昇」と「やや上昇」を合わせると全体の約7割を占める一方、異性化糖は、「横ばい」が半数を占めるなか、「やや下落」との回答が40.6%あった(図12)。
 
 増減要因としては、「市場価格(相場)の変動によるもの」「仕入れ先の価格改定によるもの」を挙げる企業が多かった。

図12 仕入価格の対前年比

 実際に、日経相場の上白糖の市中価格(東京、大袋)は、平成28年1月から段階的に値上がりしている(図11)。
 黒糖は全体の約8割を「横ばい」が占め、おおむね安定的に推移していると言える。

(6)砂糖類に対する評価
 砂糖類に対する評価を「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階評価で尋ねたところ、品質面については、「満足」「やや満足」を合わせると、いずれも過半を占めた(図13)。

 調達面についても、「満足」「やや満足」を合わせると、いずれも半数を占めた(図14)。「不満」「やや不満」と回答した企業は、製菓業に多く見られ、その理由として、砂糖については国際相場の上昇に伴う市中価格の変動を、黒糖については不安定な生産量を挙げた。なお、現在使用する砂糖類の他の甘味料への切り替えの意向について尋ねたところ、52社全てが継続して使用する意向を示した。

図13 品質面に対する評価

図14 調達面に対する評価

おわりに

 農林水産省が6月に公表した「砂糖及び異性化糖の需給見通し」によると、砂糖の総需要量および1人当たりの年間消費量は、いずれも平成19年度以降は減少傾向で推移していたものの、27年度にはわずかながらも上昇に転じ、28年度の砂糖の総需要量は198万3000トン、1人当たり消費量は15.6キログラムと、前年度と同水準になる見通しである(図15)。

図15 砂糖の総需要量および1人当たりの年間消費量の推移

 それを裏付けるように、局所的ではあるが製菓業や乳飲料・乳製品製造業などの業界において仕入量の増加が見込まれるなど砂糖類の需要拡大の兆しがみられた。

 平成28年には訪日外国人観光客数が2000万人を突破するなど、インバウンド需要により菓子類などの売行きは好調に推移しており、この傾向は2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えていることなどからみて、当面維持されるものと思われる。さらに、消費者の健康志向が高まるなか、「低糖質」や「低カロリー」をうたった商品を目にする機会が増えた一方で、従来、砂糖が使用されているチョコレートや乳酸菌飲料などでは砂糖類本来の風味を生かしつつ、栄養成分の機能性を強調した商品が注目を集めている。
 これらの動きが追い風となり、食品製造業全体の砂糖類の需要拡大につながることを期待したい。

 最後にお忙しい中、本調査にご協力いただいた企業の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03‐3583‐9272



このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.