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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2018年10月10日

砂糖類の国内需給

2018年10月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「平成29砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は2018年8月号参照)。

平成29砂糖年度(10月〜翌9月)の見通し

表1 平成29砂糖年度における砂糖の需給見通し

表2 平成29砂糖年度における異性化糖の需給見通し

2. 異性化糖の移出動向

8月の移出数量は前年同月からわずかに減少
 2018年8月の異性化糖の移出数量は、8万1339トン(前年同月比1.9%減、前月比10.6%減)であった(図1)。
 8月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満     396トン  
 (前年同月比5.0%増、前月比18.8%減)
同40%以上50%未満 1万9153トン  
 (同2.0%減、同11.8%減)
同50%以上60%未満   6万502トン  
 (同2.5%減、同10.5%減)
同60%以上          1288トン  
 (同37.0%増、同6.3%増)

図1 異性化糖の移出量の推移

図2 異性化糖の種類別移出量の推移

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月からやや減少

 財務省「貿易統計」によると、2018年7月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、2万2956トン(前年同月比5.1%減、前月比24.6%減)であった(図3)。
 輸入先国はタイで、輸入量は次の通りであった (図4)。

タイ 2万2956トン  
 (前年同月比5.1%減、前月比24.5%減)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、11万9529トン(前年同月比2.0倍、前月比2.2倍)であった。

図3 分みつ糖の輸入量の推移

図4 分みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年7月の1トン当たりの輸入価格は、3万7867円(前年同月比17.2%安、前月比0.4%安)であった(図5)。

タイ  3万7867円  
 (前年同月比17.1%安、前月比0.3%安)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万7788円(前年同月比14.2%安、前月比3.0%安)であった。

図5 分みつ糖の輸入価格の推移

【含みつ糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2018年7月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、241トン(前年同月比51.9%減、前月比60.1%減)であった(図6)。
 輸入先国は中国、フィリピンおよびタイの3カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

中国     195トン  
 (前年同月比47.7%減、前月比58.4%減)
フィリピン  25トン  
 (同71.6%減、同49.0%減)
タイ      21トン  
 (同5.0%増、同75.6%減)

図6 含みつ糖の輸入量の推移

図7 含みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年7月の1トン当たりの輸入価格は、13万1888円(前年同月比0.8%安、前月比4.4%高)であった(図8)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国    12万5549円  
 (前年同月比1.9%安、前月比2.8%安)
フィリピン 21万1560円  
 (同44.3%高、同65.3%高)
タイ     9万5905円  
 (同16.8%安、同12.6%安)

図8 含みつ糖の輸入価格の推移

【加糖調製品の輸入動向】
7月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年7月の加糖調製品の輸入量は、4万8290トン(前年同月比5.6%増、前月比10.5%増)であった(図9)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった(表3)。

図9 加糖調製品の品目別輸入数量の推移

表3 加糖調製品の品目別輸入数量(7月)

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 8月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪           同187〜188円
名古屋              同191円
関門               同191円

上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪               同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪           同192〜193円
名古屋              同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪           同187〜188円
名古屋              同189円

 8月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの  
 1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの
           同137〜138円

【小売価格】
8月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で19.7円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、191.7円(前年同月差1.1円安、前月差0.2円安)であった。
 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表4)。

表4 上白糖の地域別平均小売価格(8月)

 最も高かったのは中国・四国で、最も安かった中部との価格差は19.7円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


8月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で76.0円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.1円(前年同月差0.5円安、前月差0.7円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表5)。

表5 グラニュー糖の地域別平均小売価格(8月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は76.0円であった。

8月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で43.3円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.3円(前年同月差0.3円高、前月と同水準)であった。  
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。

表6 三温糖の地域別平均小売価格(8月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は43.3円であった。

【購入金額および購入量】
7月の砂糖の支出金額は前年同月からかなり下落

 総務省「家計調査」によると、2018年7月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は35で、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、92円(前年同月比11.5%安、前月比37.0%安)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、373グラム(同11.8%減、同29.0%減)であった(図11)。

図10 1世帯当たりの砂糖に係る支出額の推移

図11 1世帯当たりの砂糖の購入数量の推移

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