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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2019年9月10日

砂糖類の国内需給

2019年9月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「2018砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は2019年8月号参照)。

 

 

 

 

2. 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2019年6月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、11万8461トン(前年同月比41.0%増、前月比48.6%増)であった(図1)。

 
 輸入先国は豪州、タイおよび米国で、輸入量は次の通りであった(図2)。
 

豪州  11万2458トン
(前年同月比2.1倍、前月比81.6%増)
タイ       5984トン
(同80.3%減、同66.3%減)
米国      19トン
(前年同月同、前月輸入実績なし)
 

 

 

 2019年6月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、3万5952円(前年同月比5.5%安、前月比10.7%安)であった(図3)。

タイ     3万5736円
(前年同月比5.9%安、前月比11.2%安)
米国   10万3895円  
(同2.3%高、前月輸入実績なし)

 

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万8057円(前年同月比2.3%安、前月比1.8%高)であった。

 

【含みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2019年6月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、702トン(前年同月比16.2%増、前月比1.7%増)であった(図4)。

 輸入先国は中国、タイ、フィリピンおよび台湾で、国別の輸入量は次の通りであった(図5)。

中国      566トン
(前年同月比20.7%増、前月比41.5%増)
タイ        90トン
(同4.7%増、同62.8%減)
フィリピン     42トン
(同14.3%減、同12.5%減)
台湾        4トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
 

 2019年6月の1トン当たりの輸入価格は、11万9557円(前年同月比5.3%安、前月比3.9%安)であった(図6)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国      12万205円
(前年同月比6.9%安、前月比4.3%安)
タイ        11万933円
(同1.1%高、同8.5%安)
フィリピン  10万7214円
(同16.3%安、同17.1%安)
台湾     35万1500円
(前年同月および前月輸入実績なし)
 

 

【加糖調製品の輸入動向】
6月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに減少

 財務省「貿易統計」によると、2019年6月の加糖調製品の輸入量は、3万9534トン(前年同月比2.7%減、前月比2.5%減)であった(図7)。
 

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

 

 

3. 異性化糖の移出動向

7月の移出量は前年同月からやや減少
 2019年7月の異性化糖の移出量は、8万7637トン(前年同月比3.7%減、前月比2.4%減)であった(図8)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図9)。

果糖含有率40%未満     473トン
(前年同月比3.1%減、前月比23.0%増)
同40%以上50%未満  2万1426トン
(同1.3%減、同5.4%増)
同50%以上60%未満   6万4622トン
(同4.4%減、同4.7%減)
同60%以上           1116トン
(同7.9%減、同8.5%減)

 

 

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移


 7月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪             同187〜188円
名古屋              同191円
関門               同191円

上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪               同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪            同192〜193円
名古屋              同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪            同187〜188円
名古屋              同189円

 7月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの  
1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの   
          同137〜138円
【小売価格】 7月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で21.8円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、190.0円(前年同月差2.1円安、前月差3.5円安)であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表5)。


 最も高かったのは東北で、最も安かった首都圏との価格差は21.8円であった。

 

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。

関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県

首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県

中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県

関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

7月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で72.0円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.0円(前年同月差1.1円安、前月差0.2円安)であった。

 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。

 

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は72.0円であった。

7月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で54.1円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.4円(前年同月差0.1円安、前月差1.3円安)であった。
 
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表7)。

 

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は54.1円であった。

【支出金額および購入数量】
6月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに上昇

 総務省「家計調査」によると、2019年6月における1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、148円(前年同月比1.4%高、前月比59.1%高)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、508グラム(同3.2%減、同50.7%増)であった(図11)。

 

 

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農畜産業振興機構  調査情報部 (担当: 調査情報部)
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