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平成29年度第1回地域情報交換会を開催

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最終更新日:2017年6月16日

2017年5月

鹿児島事務所 岸本 真三市
 
 5月16日(水)、鹿児島市内において、平成30年度第1回地域情報交換会を開催した。本交換会は、当事務所における情報収集提供業務について意見を伺い、関係者の的確なニーズを収集し情報発信することを目的としている。今回は、鹿児島県内の行政機関・生産者団体・国内産いもでん粉企業・国内産糖企業・でん粉糖化企業・有識者など17名が参集し、情報交換を行った。

 はじめに、当事務所から平成29年度の実績報告および平成30年度の重点テーマを踏まえて作成した実施計画(案)について説明した。
 続いて、当事務所の取り組みについて、意見交換を行ったところ、出席者から以下の意見が寄せられた。
 
 

(さとうきび・砂糖)

  •  平成28年産は、台風等の被害がなかっただけでなく、生育時に適度な降雨もあり生育は順調に進んだため生産量、産糖量は前年を上回る結果となった。
  • 収穫期に多雨が続いたため、ハーベスタによる収穫作業が計画通りに進まずほとんどの製糖企業で例年より操業期間が長引いた。このため、平成29年産の株出し、春植え植付の作業が遅れている地域もあり、生育に懸念を生じている。
  • 平成28年産は、生育が良好となり生産量など平年を上回る結果となったため、多くの生産者の生産意欲向上につながっている。引き続き収穫面積の確保や単収向上の取り組みに努めたい。

(かんしょ・でん粉)

  • 平成28年産の生育は、前半は良好であったものの、後半は日照不足等の影響があり、収量が昨年度よりも低下した。
  • 製造現場では、依然として高齢化などにより作付面積の減少が続く中で、焼酎用や青果加工用のかんしょを作付けする生産者もおり、でん粉原料用かんしょの確保が困難な状況である。昨年9月時点でのかんしょでん粉の在庫が少ない中で、実需者からの需要が大きく、対応が困難であった。
  • かんしょでん粉を食品向けに利用した新商品の開発や販促活動に取り組み、食品向けとしてのかんしょでん粉の売り込みを継続していきたい。
  • 日本産食品の輸出増加に伴い、かんしょでん粉についてもハラル認証の要望が多くなってきているため、認証取得を目指す企業が増えている。
 また、当機構の取り組みについて、以下の意見が寄せられた。
 
  • 昨年10月に鹿児島市内で開催された食育フェスタへの参画については、砂糖及びでん粉の価格調整制度説明のパネル展示や関係機関による試食から販売までを一貫して行ったため、消費者に対してかんしょでん粉を周知する良い機会であった。 
  •  鹿児島純心女子大学にて管理栄養士を目指す学生たちにかんしょでん粉を知ってもらうために開催している出前講座については、1校にとどめず、他校にも広めていってほしい。
 さらに、昨年度に要望として挙げられた海外情報の提供として、当機構調査情報部2名(山下、根岸)から「主要国のでん粉をめぐるトピックス〜中国のトウモロコシ政策の変更とタイのタピオカでん粉の輸出動向〜」および「世界各国の糖類を含む飲料への課税をめぐる動き」というテーマで講演を行った。

 最後に、当事務所石井所長から、平成29年度は、本交換会で頂いた貴重な意見などを踏まえ、関係者のニーズに沿った情報提供に努めるとともに、消費者に対する砂糖及びでん粉の価格調整制度の周知・浸透の取り組みを積極的に実施するため、引き続きの協力をお願いして閉会した。
会議の様子
会議の様子
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
Tel:099-226-4741