ホーム > 砂糖・でん粉の生産地から > 地方事務所だより > 平年29年度与論町さとうきび生産振興大会の開催について

平年29年度与論町さとうきび生産振興大会の開催について

印刷ページ

最終更新日:2017年7月11日

2017年7月

鹿児島事務所 小山 陽平

 6月13日(火)、鹿児島県大島郡与論町のJA会館よろんにおいて、与論町さとうきび生産振興大会(以下「生産振興大会」という。)が開催された。
  生産振興大会は、与論町糖業振興会主催のもと、JAあまみ与論地区さとうきび部会が中心となって開催され、与論町の生産農家、糖業関係者、JAおよび行政関係者など231名が出席した。

 与論島における平成28年産のさとうきび生産実績は、肥培管理の徹底に加え台風の襲来がなかったことや降水量は平年より少なかった一方で、適期に降雨があったことなどの気象条件に恵まれたため、生産量は3万2559トン(前期比122%)、10アール当たり収量(以下「単収」という。)は7.7トン(前期比119%)、歩留りは11.90%(前期比104%)となり、8年ぶりに生産量が3万トン台を回復した。与論島製糖株式会社の産糖量も3876トン(前期比127%)と増加した。

写真1 表彰の模様
写真1 表彰の模様

 生産振興大会に先立ち、与論町糖業振興会から島内のサトウキビ栽培に尽力された功労者への感謝状の授与ならびに優秀農家への表彰が実施された。感謝状は、島内でいち早くトラクタなどによる機械化作業体系を確立した生産者およびハーベスタ導入による労働力の軽減とオペレーターの育成を行った生産者の2名に授与された。表彰は、平成28年産の島内における平均作付面積70アール、平均単収7.7トンおよび平均甘しゃ糖度15度を超えた農家を対象とし、(1)単収の部では平均単収12.1トン、(2)品質の部では平均甘しゃ糖度15.8度、(3)手刈りの部では収量171トンの成績を残した生産者にそれぞれ表彰が行われた。

 その後、開会にあたりJAあまみ与論地区さとうきび部会 原田新一郎会長が「3万トンの生産量を超えたのは8年ぶりとなりましたが、ますます増産できるよう頑張っていきましょう。今後も、きびを作って良かったと思えるよう部会としても努力していきます。」と力強くあいさつした。

写真2 原田新一郎会長のあいさつ
写真2 原田新一郎会長のあいさつ

 来賓のあいさつとして、鹿児島県議会 禧久伸一郎議員、鹿児島県大島支庁 宝正己農政普及課長に次いで、当機構の石井鹿児島事務所長から業務運営に際しての謝辞の後、「当機構は、糖価調整制度の実施機関として、サトウキビの生産者や国内産糖製造事業者の皆様に交付金を交付することにより、生産者の経営安定や関連産業の健全な発展を通じ砂糖の安定的な供給を図っています。引き続き生産者の皆様が安心してサトウキビの生産を行い、製糖工場が安定的に操業できるよう、生産者や消費者の皆様に対して糖価調整制度における理解の醸成を図られるよう努力していきたい。」とあいさつした。
 また、機構から砂糖の価格調整制度の仕組みや砂糖の消費量などについて報告したほか、会場内には同制度やサトウキビについて解説するパネルなどを掲示し、昨年に引き続き同制度の周知・浸透に取り組んだ。

写真3 石井鹿児島事務所長によるあいさつ
写真3 石井鹿児島事務所長によるあいさつ

写真4 当事務所の掲示した砂糖パネルに見入る生産農家
写真4 当事務所の掲示した砂糖パネルに見入る生産農家

 次に、南大島農業共済組合から農業共済制度の説明、与論町糖業振興会から平成29年度の事業案内が行われた。
  その後、鹿児島県大島支庁沖永良部事務所 枦浩二農業普及課技術専門員から「さとうきび栽培における半装軌式トラクタの作業性効果に関する実証調査」と題し講演が行われた。講演では、沖永良部島の圃場(ほじょう)で行った小型半装軌式トラクタを用いた株出管理作業の実証調査の結果について、半装軌式であることにより重粘土地帯において降雨後の土壌水分が高い状態で株出管理作業が可能であることおよび小型化により機械作業者の疲労軽減や燃費が改善することなどの利点を中心とした報告があった。枦氏は、同作業の普及定着を図るため、実証調査の課題を踏まえ、効率的な作業が可能となる作業方法の提案や地域農業者の高齢化に対応した管理作業を効率的かつ低コストで実施可能な受託経営体の育成を図りたいと締めくくった。

  最後に、大会スローガンが宣言され、関係者一体となって増産に向けて取り組んでいくことを確認し、JAあまみ与論地区さとうきび部会 町繁一副会長のあいさつをもって閉会となった。

 【平成29年度大会スローガン】
発声:与論町ハーベスタ連絡協議会副会長 原田治彦氏
  •  さとうきび作付面積450ヘクタール以上確保し生産量を増やそう。
  •  適期のかん水と肥培管理を徹底し、さとうきびの増収に取り組もう。
  •  さとうきび共済加入率70パーセント以上達成をみんなで取り組もう。

写真5 参加者によるがんばろう三唱
写真5 参加者によるがんばろう三唱

 当機構も、生産農家の方々が安心してサトウキビを作り続けることができるよう、今後も交付金の交付業務の適切な運営に努めてまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
Tel:099-226-4731