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平成30年度鹿児島県澱粉協同組合連合会夏期研修会および農産物検査員研修会の開催について

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最終更新日:2018年9月5日

鹿児島事務所 米元 健太
 
 
 7月23日(月)、鹿児島県市町村自治会館において、鹿児島県澱粉協同組合連合会(以下「県澱連」という)主催による、平成30年度「県澱連夏期研修会」および「農産物検査員研修会」が開催された。
 これらの研修会は、かんしょでん粉に関する幅広い知識の習得と、農産物検査法に基づく登録検査機関の農産物検査員としての技術の維持、向上および技能確認を目的として、毎年開催されている。今年度は、県澱連の会員等約50名が参加し、午前に県澱連夏期研修会、午後からは農産物検査員研修会が行われた。以下に、その概要を紹介する。

1.県澱連夏期研修会

 始めに、県澱連の中原浩一会長から開会のあいさつがあり、かんしょでん粉をとりまく情勢について、「会員企業の平成29年産のでん粉原料用かんしょの集荷量は、前年比約77%に落ち込んだほか、でん粉生産量も同約75%にとどまり、史上最低の水準となった。でん粉生産を生業としている製造事業者にとっては、その存立すら脅かすような厳しい年であった。平成30年産の生産動向について各工場に聞き取りを行ったが、高齢化による離農や、収入減に伴う他作物への転換に歯止めがかかっていない現状がうかがえる。実需者の皆様に対しては、供給が十分には応えきれていない状況で、歯がゆいところである。また、外部環境として、TPP11の日本国内の手続きが完了したほか、先般、日・EUの経済連携協定(EPA)についても、その署名式が行われた。いずれの協定においても、でん粉は現行の糖価調整制度を堅持するということなので、原料および製品の生産サイクルはこれからも回り続けると確信している。本日の研修会を通じて、知見を深め、平成30年産のでん粉原料用かんしょが豊作となり、農家と製造事業者一体となって秋の操業を迎えられるように祈念したい」と述べた。
県澱連中原浩一会長による開会あいさつ
県澱連中原浩一会長による開会あいさつ
 続いて、当機構の石井稔鹿児島事務所長は、日頃、鹿児島事務所が実施しているでん粉原料用いも交付金及び国内産いもでん粉交付金の交付業務に係る理解と協力に対する謝辞の後、「30年産については、度重なる台風来襲により、その生育状況を懸念している。台風常襲地域の鹿児島において、でん粉原料用を含めたかんしょの生産は、地域経済にとって欠かせないものであるが、29年産の低迷の影響を受けて、その重要性を改めて痛感しているところである」と述べた。また、「県内で製造されるかんしょでん粉の安定的な生産を図っていくためには、糖化用シェアを確実に確保する一方で、より付加価値の高い食品用途へ転換し、かんしょでん粉工場の収益性の向上を図っていくことが重要な課題である。新たな用途開発や認知度向上のための取組が進められる中、機構としても業界を後押しするために、鹿児島市が主催する食育フェスタ等でかんしょでん粉の魅力を一般消費者に伝える取り組みを続けているほか、平成30年度においては鹿屋中央高等学校の食物コースの生徒の力を借りて、かんしょでん粉を使ったレシピ開発コンテストを実施し、その普及に繋げていきたい」と報告した。
石井稔鹿児島事務所長によるあいさつ
石井稔鹿児島事務所長によるあいさつ
 続いて、鹿児島県農政部農産園芸課糖業特産作物係の稲森陽子技術主査、同農村振興課中山間・鳥獣害対策係大久保明彦技術主査、同農業開発総合センター大隅支場園芸作物研究室竹牟禮(たけむれ)穣研究専門員から、下記のとおり講演が行われた。
 
 稲森陽子技術主査からは、「原料用さつまいも・でん粉の生産動向」をテーマとした講演の中で、「でん粉原料用を含むかんしょの平成29年産の生産量は、統計上過去最低であった平成27年産をも下回る水準に落ち込んだ。主な要因としては、(1)苗の生育遅れによる植付けの遅延、(2)5月以降の植付けにおいて乾燥による活着不良、(3)9月中旬以降の日照不足により後半の肥大が停滞したことによる」と報告があったほか、生産基盤の高齢化が益々進展していることを踏まえ、作業時間で最も負担の大きい採苗に係る作業軽減を目的とした省力化対策として、県の一斉採苗の実証試験の取り組み状況が紹介された。このほか、鹿児島県農産物検査に関する事務処理要領の一部改正について補足説明があった。
稲森陽子技術主査の講演
稲森陽子技術主査の講演
 次に、大久保明彦技術主査からは、鹿児島県の野生鳥獣による農作物被害をめぐる状況について報告があった。県内の農作物被害状況について、被害額は平成24年度の約686百万円をピークに減少傾向にあり、直近の平成29年度は約387百万円となったものの、依然として対策が十分には講じられていない現状が説明された。このため、県として、「寄せ付けない」、「侵入を防止する」、「個体数を減らす」といった3つのテーマを掲げて取り組んだ具体的な内容が紹介され、県鳥獣害対策アドバイザーの現地派遣等を通じて、シカおよびイノシシの個体数を平成35年度までに半減(基準年:平成25年度)し、農林業被害を軽減する方針が報告された。農作物被害防止対策の一例としては、国の鳥獣被害防止総合対策交付金等を活用し、コストを抑えながら侵入防止柵(電気柵、ワイヤーメッシュ柵等)を整備することが有効であるとのことであった。
大久保明彦技術主査の講演
大久保明彦技術主査の講演
 続いて、午前の部の最後として、竹牟禮穣研究専門員から、「でん粉原料さつまいもの有望系統の開発状況について」と題した講演があった。主な内容としては、でん粉原料用かんしょ新奨励品種候補「九州181号」についての説明があり、最大の作付シェアを誇る「シロユタカ」と比べて、でん粉歩留がやや高く重量は重い上、白度も高い特徴が報告された。このほか、九州181号はシロユタカに比べつる割病に強い一方、つるの切り離しが多少難であるものの、「シロサツマ」ほどではないこと等が説明された。今後の現地(栽培地域)への導入スケジュールとしては、平成31年度中に、品種の利用許諾を締結して種いもを確保し、平成32年度からの一般栽培開始を見込んでいる。出席者からは、昨今のでん粉原料用かんしょ生産の低迷を受けて、九州181号への期待値の高さが感じられた。
 
竹牟禮穣研究専門員からの講演
竹牟禮穣研究専門員からの講演

2.農産物検査員研修会

 県澱連夏期研修会に続いて、かんしょでん粉に関する農産物検査員研修会が開かれ、平成30年産農産物検査に当たっての技能確認会が実施された。
 農産物検査とは、生産した農産物が安定した取引により公正に流通するよう、農産物に一定の規格を設けるために行われる検査である。対象品目は、米穀、小麦、大麦、大豆およびかんしょでん粉等全10品目である。検査員は、鑑定技術の維持と向上を図るため、登録後も、定期的に研修会に参加することが義務付けられている。
 本年の研修会には、31名の農産物検査員が参加し、実際のサンプルを用いながら臭気や白度などについての技能確認が行われ、農産物検査員としての鑑定技術の維持および向上が図られた。
農産物検査員技能確認会の様子
農産物検査員技能確認会の様子
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
Tel:099-226-4741

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