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平成30年度大島本島地区さとうきび生産振興大会の開催

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最終更新日:2018年12月3日

2018年8月

鹿児島事務所 合屋 祐里

 8月7日(火)、鹿児島県奄美市の奄美市笠利農村環境改善センターにおいて、「平成30年度大島本島地区さとうきび生産振興大会及び夏植推進式」が開催され、奄美大島の生産者のほか、JA、糖業関係者、行政担当者などが出席した。
 始めに、大島本島さとうきび生産対策本部 朝山毅 本部長(奄美市長)からのあいさつが代読され、「平成29年度は病害虫や台風の被害も少なく、前年度よりも647トンの生産量増を達成した。これはひとえに生産者皆様の努力の賜である。島内農業生産額の3〜4割を占めるさとうきびの生産量確保および生産者の経営安定に向けて、夏植えの推進を図るとともに、引き続き関係者と連携してまいりたい」と述べられた。
 続いて、大島本島さとうきび生産対策本部 竹田泰典 副本部長(龍郷町長)からは、「平成29年度の製糖実績は度重なる台風の被害や低糖度の懸念にも関わらず、2年連続で前年増を達成し、生産者の意欲向上につながった。引き続き生産対策本部が中心となって、病害虫防除、土づくり、肥培管理の徹底を行い、夏植目標面積104ヘクタールを達成できるよう、関係者とともに取り組んでまいりたい」と決意表明があった。
竹田泰典副本部長によるあいさつ
竹田泰典副本部長によるあいさつ
 次に、当機構の佐藤一雄理事長が本会開催に当たっての祝辞を述べた後、「当機構は砂糖が輸入される時に徴収した調整金を財源として、さとうきび生産者や国内産糖製造事業者に交付金を交付している。6月29日の国会において成立したTPP11関連法では、加糖調整品が新たに調整金の対象とされたところであり、当機構としても、新たな糖価調整制度の開始に向けて準備を進めている。さとうきびは鹿児島県南西諸島および沖縄県において、欠くことのできない基幹作物であり、今後もさとうきび生産が安定的に行われるよう、交付金交付業務の適正な運営と国民の皆様の理解の醸成に努めてまいりたい」と語った。
佐藤一雄理事長による祝辞
佐藤一雄理事長による祝辞
 さらに、大島支庁農林水産部農政普及課 田中浩人 課長は、祝辞とともに、「奄美群島全体における平成29年度のさとうきび生産量は平年並みだったものの、10月に相次いだ台風の被害によって、各島軒並み低糖度を記録した。そのような中で、大島本島が最も高い糖度を維持したことは、皆様の日頃の管理が適切だったからに他ならない。28年度には、夏植えでの多収が見込まれる農林27号が奄美地域に適した品種として認定されたため、大島本島においても今後積極的に導入され、さとうきびの増産につながることを期待したい。また、30年度から新たに始まった収入保険制度については、従来からの農業共済と併せて、台風常襲地帯における不測の事態への備えとして検討してほしい」と述べた。
 大会の中盤では、大島本島における平成29年産さとうきび優秀農家の表彰式が執り行われ、以下の生産者が表彰された。
 
【生産量の部】
 笠利町 榮 完治氏(生産量:1335.968トン)
 龍郷町 (有)ゆいなす(生産量:237.322トン)
【単収の部】
 笠利町 栄 和正氏(単収:7.24トン/10アール)
 龍郷町 久 辰男氏(単収:6.61トン/10アール) 
 
 次に、現況報告として、富国製糖株式会社 有村成生 代表取締役は、「平成29年度は製糖開始当初の機械故障により、皆様の収穫・搬入作業に多大なる影響を及ぼしたこと、深くお詫び申し上げる。29年産は干ばつや10月の台風の影響で、鹿児島県全体で生産量マイナス10万8246トン、平均糖度マイナス1.59度、産糖量マイナス2万835トンと惨たんたる結果だったが、富国製糖管内では、皆様による塩害防止の散水活動等が実り、28年産と同程度の生産量と単収を確保することができた。しかし、この結果に甘んじることなく、更なる単収アップと収穫面積の維持に関係者一同取り組んでいきたい。今年度の作付けについて、生育状況は平年並みであるものの、夏植え面積が30ヘクタール減少した。夏植えは生産量が確保できるとともに、平均買入糖度が高い作付体系であるが、近年減少傾向にあるため、バランスの良い作付けにご理解・ご協力をお願いしたい」と呼びかけた。
有村成生代表取締役からの現況報告
有村成生代表取締役からの現況報告
 続いて、奄美市笠利総合支所地域農政課 川畑健朗 糖業推進室長からは、甘味資源作物生産性向上緊急対策事業について報告が行われた。川畑室長は、「平成29年12月下旬に、補正予算による甘味資源作物生産性向上緊急対策事業の公募が行われ、事業申請の結果、奄美市が採択を受けた。本事業は、病害虫や自然災害の発生による生産量低迷および高齢化による肥培管理不足の圃場増加を背景として、単収増加と生産量確保に向けた各種取組みを支援するものである。大島本島においては、30年度春植え時の購入資材費を3分の2以内で助成するほか、29年度に夏植えを10アール以上実施した者に土壌改良材を無償配布する内容となっている。ただし、こうした緊急支援事業は恒久的に行われる訳ではないことにご留意いただいた上で、日頃の適切な管理に打ち込んでもらいたい」と説明した。
 終盤では、出席者に向けて2つの講演が行われた。講演者および講演内容は以下のとおり。
 
「さとうきびの土づくりと施肥について」
 講演者:鹿児島県経済農業協同組合連合会農産事業部肥料農薬課 ア聡氏
 さとうきび栽培における土壌の最適pHは6〜7であり、pH4の酸性土壌では最適pHと比べて、収量が約2割減少する。これは、pHの違いによって、肥料成分の吸収のしやすさが異なるためである。また、同じ条件で、施肥量を通常の倍にしても、収量は変わらないという研究データがある。これらのことから、pHが適切でない土壌に多量の施肥を行っても、かえって生産性の悪化につながるといえる。さとうきびについては、酸性寄りの圃場(ほじょう)が散見されるので、収量低下でお悩みの方は、自らの圃場の状態や適切な施肥量の把握のため、鹿児島県経済連が無料で実施している土壌分析などを積極的にご活用いただきたい。
 
「さとうきび共済制度について」
 講演者:鹿児島県農業共済組合連合会第一事業課 岩下正広 考査役
 平成30年度から収入保険制度の申込みが開始した。従来からの農業共済制度がさとうきび単体での損失を補てんするのに対し、収入保険制度では、農作物すべての収入全体をカバーする(一部例外品目あり)ことが大きな違いである。具体的には、さとうきび共済は、自然災害や鳥獣・病虫害による収穫量の減少に対して共済金が支払われ、算定に当たっては糖度の高低が加味される。一方、収入保険制度は、自然災害だけでなく、価格低下やけがに伴う収入の減少に対しても保険金が支払われることが特徴である。それぞれにメリット・デメリットがあるので、加入の検討に当たっては、地域の農業共済組合などにご相談いただきたい。
 
 最後に、あまみ農業協同組合大島事業本部龍郷支所さとうきび生産部会 牧野勝久 会長が本大会のスローガンを朗読し、同事業本部 徳丸善久 総括理事の音頭のもと、出席者一同によるガンバロウ三唱をもって、閉会した。
牧野勝久会長によるスローガン朗読
牧野勝久会長によるスローガン朗読
【平成30年度大会スローガン】
一.中耕培土・除草・施肥の肥培管理作業を徹底し生産量回復に努めよう。
一.病害虫の早期発見と早めの防除に努めよう。
一.さとうきび収穫面積600ヘクタール以上の確保により生産量を増やそう。
一.堆肥、緑肥投入による土づくりを行い単収向上を図ろう。
一.地域と共生し、話し合い活動を通じて、さとうきびと農地を守ろう。
一.夏植推進目標面積104ヘクタール達成に向けて努めよう。
 
 
 当機構としても、さとうきび産業の更なる発展を祈念するとともに、生産者の皆様が安心して生産を続けられるよう、今後も交付金交付業務の適正な運営に努めてまいりたい。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
Tel:099-226-4741

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