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消費者の方々との現地意見交換会について(栃木県)

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最終更新日:2010年3月26日

 当機構では、農業生産の現状や当機構の役割について広く理解を頂くため、消費者団体等の主要な関係者に農畜産業の生産現場を直接ご見学いただき、生産者と率直な意見交換を行う取組を行っています。
 今年度は平成22年3月9日(火)に、栃木県下の茂木町、真岡市で畜産・野菜の現地見学と意見交換を実施しました。その概要についてレポートします。
 
 
(参考)
 
1.参加者
消費科学連合会、全国消費者団体連絡会、全国地域婦人団体連絡協議会、日本大学の学生及び各訪問先関係者等
 
2.行程
T 茂木町有機物リサイクルセンター「美土里館」(栃木県茂木町)
  家畜ふん尿等の地域の有機物資源を活用した土づくりを核とした、人と自然にやさしい地域循環型社会の構築を推進
U 高橋牧場(栃木県真岡市)
  飼料稲等の生産拡大、品質向上により飼料自給率のアップを図り、安定した土地利用型酪農経営を展開
V JAはが野真岡流通センター(栃木県真岡市)
  機構の行う野菜価格安定対策を活用しながら、有力産地に劣らない品質の冬レタスなどの安定供給を実現
 
意見交換の場では、多くの意見が寄せられた。
意見交換の場では、多くの意見が寄せられた。

T 茂木町有機物リサイクルセンター

 茂木町は、栃木県の南東部に位置し、標高150〜200mの山が総面積の2/3を占める山間地帯である。農業については、しいたけやこんにゃくが主要な産物であったが、最近では、いちご、なす、春菊が多く栽培されるようになった。

 こうした中、茂木町では平成15年から町内の一般家庭の生ゴミ、酪農家からの家畜ふん尿(主原料)、もみがら、落ち葉、おがくずなどの地域の有機物資源を原料に良質な堆肥の製造を開始した。この施設を核に「環境保全型農業の推進」、「ごみのリサイクル」、「森林保全の推進」、「農産物の地産地消の体制を確立」などを総合的に推進している。

 今回の施設見学では、設立当時から運営に携わっている茂木町役場の矢野課長の案内の下、堆肥になるまでの作業工程を見学させてもらった。
落ち葉を保管している倉庫。多いときは倉庫がいっぱいになる。
落ち葉を保管している倉庫。多いときは倉庫がいっぱいになる。
 茂木町では、堆肥の原料となる落ち葉を1袋(約20kg)400円で農家から購入しており、1日20袋集めれば、8千円程度の収入になる。矢野課長は、「農家の方には非常に喜んでもらっている。これはすごいこと。山が綺麗になるだけでなく、町民が健康にもなる。3週間で落ち葉がお金に見える。」と話す。また、使用するおがくずは、間伐材、竹などを粉砕したものを使っている。

 一方、「ごみのリサイクル」については、一般家庭からの生ごみをとうもろこしを使って作ったビニール(1枚15円で販売)を利用して回収し、他の原料とともに袋ごと発酵槽に入れている。

 矢野課長は、「これで年間100haの里山が保全できる。一般的に堆肥センターは臭いイメージがあるが、消臭効果があるおがくずなどを多く混ぜることで、発酵も良くなり、製品である堆肥の品質も良くなる。」と説明した。
1次発酵槽の温度は85度。20dの原料が25日で約半分になる。
1次発酵槽の温度は85度。20dの原料が25日で約半分になる。
 同課長からは、「施設の維持費は年間で4,500万円、堆肥の売り上げ等を差し引いても2,300万円の赤字だが、一方で、生ゴミを450d回収。これを燃さないことで1,200万円の経費節減になるほか、里山保全、雇用拡大、健康増進など多くの効果も望める。地域資源を活かした循環型社会を作り、持続することが大切である。」と説明があった。
 茂木町では、この堆肥で育てた野菜のブランド化を進めており、道の駅などの直売場で販売するほか首都圏への販売も検討しているとのこと。
堆肥は10kg/500円で販売。値段あげても買う人が多くなった。
堆肥は10kg/500円で販売。値段あげても買う人が多くなった。
 参加者からは、「堆肥センターなのに匂いがほとんどしない」、「何でもそうだが、それぞれにコストがかかっていることや、苦労があることは現場にこないと分からない」などの意見があり、地域の有機物資源を活用した良質な堆肥づくりの現場での工夫や努力について、理解をいただいた。

U 高橋牧場

 高橋牧場は、栃木県の南東部、茂木町の西に位置する真岡(もうか)市にあり、現在は、家族3人(本人、奥さん、娘さん)で、76頭の乳牛を飼養しており、都府県下では平均的よりもやや大きい規模の酪農家である。

 高橋牧場の特徴は、自動飼料給餌機などの導入による搾乳・給餌作業の省力化を実現したことにある。搾乳作業は1回当たり1人で3時間かかっていたものが約2/3に短縮された。

 省力化によって得られた時間は、自給飼料稲の生産拡大に取り組んでおり、地域の酪農家との共同作業で河川敷を活用した牧草栽培を行うなど、高橋牧場の飼料の自給率は県内の平均を10ポイント程度上回る高い水準にある。
こうした自給飼料生産の拡大は、飼料価格が高止まりする厳しい状況の中で、高橋牧場の経営安定に大きく寄与している。

 ただし、牛乳も消費量が伸び悩んでいることについて、高橋さんは「農家の苦労を考えてもらえば決して高くはないと思うし、体にも良いからたくさん飲んでほしい。」と話す。

 消費者からは、初めて酪農家の牛舎に入った参加者もおり、「搾乳はどのように行うのか」、「牛は夜どのようにして寝るのか」など様々な質問を高橋さんに投げかけていた。
高橋牧場の乳牛。人に慣れ、愛情たっぷりに育てられていることが、良く分かる。
高橋牧場の乳牛。人に慣れ、愛情たっぷりに育てられていることが、良く分かる。

V JAはが野真岡流通センター

 JAはが野管内は、いちごや野菜などの生産が盛んな地域であり、一層の有利販売と集出荷の効率化のための一元集荷施設として平成6年に同センターが竣工された。現在は、真岡市内の全ての野菜を集荷しており、それらの野菜は主に首都圏に向けて出荷されている。

 訪問した3月は、いちごが多く集荷されていたほか、にら、春菊、レタス、ナスなどの野菜が集荷されていた。同センターは、選別、梱包から野菜の低温保管まで、一貫した機械化施設体系を保有している。こうした機械による選果処理を行う一方で、人の手による事前・事後の検査も十分に行われ、荷物が多い時は職員20名ほどで対応しており、これにより新鮮、安全、高品質の野菜の供給が図られているとの説明が行われた。

 野菜の集出荷場を初めて見る参加者がほとんどのため、野菜の選果から包装に至る作業工程や野菜の鮮度保持の方法等について、関心を持って質問を行っていた。
レールを利用して、次々に運ばれる野菜をラインの上で検査、仕分けしていく。
レールを利用して、次々に運ばれる野菜をラインの上で検査、仕分けしていく。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部広報消費者課 (担当:山田、大谷)
Tel:03−3583−8196



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