消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 業務などに関する解説・紹介記事 > さとうきびについて

さとうきびについて

印刷ページ

最終更新日:2022年9月30日

 砂糖は私たちの食生活に欠かすことのできない食品です。
 しかし、その砂糖の原料のひとつである「さとうきび」については馴染みが薄い方も多いと思います。
 
 今回はそのさとうきびについてご紹介します。

1 さとうきびは島の基幹作物

さとうきび畑
さとうきび畑
 さとうきびは、強風や水不足に対して大変強い作物です。
 このため、台風や干ばつなどの厳しい自然環境にある鹿児島県南西諸島及び沖縄県においては、欠かすことのできない基幹作物であり、農家の約7割の方々がさとうきびを栽培しています。
原料糖
原料糖
 また、生産地の島々にある製糖工場では、さとうきびを原料として原料糖を製造しており、雇用の確保など、地域経済に大きな役割を果たしています。
 原料糖は、消費地に近い精製糖工場に運ばれて、さらに純度が高められ、白い結晶の「砂糖」になります。

2 さとうきび栽培について

 さとうきびの栽培には、春に植え付けを行い翌年の冬に収穫する春植、夏に植え付けを行い翌々年の冬に収穫する夏植、冬の収穫後の株から出る芽を育て、翌年の冬に再度収穫する株出(かぶだし)の3種類の方法があります。

 1年から1年半の期間をかけて農家の方々に大切に育てられ、成長すると3メートルほどの高さに育ちます。太陽の光をたくさん浴びてすくすく育ったさとうきびは、糖分をたっぷり溜め込んで、砂糖の原料になるのです。

3 生産地の生活や文化との結びつき

 青空の下、畑一面に広がるさとうきびが風に吹かれて「ざわわ・・・」と音を立てて風になびく光景は、日本の「南の島」を象徴するものとして人々に親しまれ、地域の景観の保全にも貢献しています。

 生産地では、1月から3月頃がさとうきび収穫の最盛期となります。この時期には、家族総出で刈り取りを行う光景も見られ、さとうきびを満載したトラックが島中を行き交い、製糖工場の周辺では甘い香りが立ち込めます。

 また、沖縄の揚げ菓子の「サーターアンダギー」や鹿児島の煮込み料理の「豚骨」など、黒糖を使った多くの郷土料理が食卓に並び、地域の食文化を形成しています。

4 環境に優しい作物

搾りかす「バガス」
搾りかす「バガス」
 さとうきびは、光合成を行う力が非常に高く、地球温暖化の要因といわれる空気中の二酸化炭素を多く吸収するので、地球環境対策にも有効な作物といわれています。

 さらに、製糖工場では、工場内のボイラーで発電していますが、その燃料には、原料糖の製造工程で生じる「バガス」と呼ばれるさとうきびの搾りかすが利用されており、必要な電力のほとんどが賄われています。また、余った「バガス」は、畑の肥料や家畜の飼料にも利用されています。

 このように、さとうきびは地球環境に優しく、資源を無駄なく活用できる「エコ」な作物といえるでしょう。

5 おわりに

 当機構(alic)では、消費者の皆様の身近な存在である砂糖の供給が安定的に継続されるよう「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、国内のさとうきび生産者及び製糖工場の支援(交付金交付)を実施しています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196