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【レポート】 輸入が急増した中国トウモロコシの需給事情

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最終更新日:2013年5月8日

調査情報部 審査役 河原 壽

はじめに

中国は、アメリカに次ぐトウモロコシ生産国です。その大半は国内で消費され輸出量はほんのわずかです。中央政府は、米、小麦の完全自給、トウモロコシも原則自給を基本とする政策を行っています。

しかし、2009/10年度(10月〜翌9月)は干ばつなどにより大幅な減産となり130万トンが輸入され、その後の生産は回復し2011/12年度の生産量は、1億9千万トンと過去最高となりましたが、旺盛な国内需要の増加や物流の未整備による高いロス率により消費量が生産量を上回りました。その結果、2011/12年度は523万トンが輸入されました。

トウモロコシの国際価格は、最大の輸出国であるアメリカの干ばつによる減産で、ブラジルなど南米産が豊作とはいえ高止まりしています。

中国が世界のトウモロコシ需給に与える影響がますます大きくなっており、世界最大のトウモロコシ輸入国である我が国に与える影響が懸念されるところです。 

生産動向

トウモロコシの作付面積は、需給のひっ迫により国内価格が高騰したことから、トウモロコシ栽培における農家の収益性が大豆栽培の農家の収益性を大幅に上回り、大豆からトウモロコシへの作物転換が進み大幅に増加しています。

特に、大豆の最大の産地である黒龍江省では大豆からトウモロコシへの作物転換が大幅に進展し、黒龍江省は吉林省を上回る中国最大のトウモロコシ産地となりました。 

消費動向

トウモロコシ消費量は、畜産業の発展による飼料用、でん粉やアルコール用が年々増加しており、トウモロコシ需給ひっ迫の主な原因となっています。飼料用消費は、豚肉、鶏肉、卵、牛乳乳製品の消費拡大を背景に大幅に増加しています。

でん粉用消費は、でん粉の95 %以上がトウモロコシから生産されることから、砂糖価格の上昇による異性化糖需要の増加を背景に増加しています。

また、アルコール用消費は主に飲料用と燃料用エタノールです。エタノール生産はトウモロコシの需給ひっ迫を受けて厳しい生産制限を受けていますが、飲料用は消費拡大を背景に増加しています。

これまで、トウモロコシを原料とするエタノール生産は、主に貯蔵により品質が劣化した食用に適さないトウモロコシを原料としていましたが、需給のひっ迫により新穀により生産されています。

エタノールの生産が制限されているとはいえ、200万トンにおよぶと推計されるエタノール用消費も輸入増加の一因となっています。 
白酒、燃料用エタノール生産量の推移

輸入動向

このように、トウモロコシの消費は、飼料用、でん粉・アルコール用の消費拡大を背景に増加してきました。

しかし、2012年になると、トウモロコシ国内価格の高騰は、乳用牛の飼養頭数の減少、酪農および養豚の零細農家の廃業をもたらし、飼料用消費はこれまでと較べ緩やかな増加と予想され、また、景気の後退により、でん粉・アルコール用の消費も緩やかな増加と予測されています。

また、2011/12年度のトウモロコシ生産量は2億トンを超えたとされておりトウモロコシの国内価格は2012年9月下旬以降下落に転じました。

2013年3月下旬における主産地である東北地域(黒龍江省、吉林省、遼寧省)の卸売価格は、国家臨時備蓄買付価格を下回っているとされ、中央政府や地方政府による市場からの買付による備蓄積み増しが実施されている模様です。

2012年10月から2013年2月におけるトウモロコシ輸入量は189万トンと、前年同期輸入量(239万トン)を大幅に下回っており、2012/13年度の輸入量は前年度を下回ると予測されます。 
トウモロコシおよび小麦価格の動向
山東省 トウモロコシ収穫後の乾燥
山東省 トウモロコシ収穫後の乾燥
しかしながら、上述した大豆からトウモロコシへの作物転換は、大豆生産量の減少、大豆輸入量の急増を招いています。中国は世界最大の大豆輸入国であることから、トウモロコシの需給ひっ迫は、世界の大豆需給にも大きな影響を与えています。

また、トウモロコシの国内価格は小麦の国内価格を上回るまで高騰しました。このため、トウモロコシの飼料用代替需要として小麦の飼料用需要が急増し、小麦の需給ひっ迫の原因ともなり、小麦の輸入量も増加しています。

中国のトウモロコシの需給は、世界のトウモロコシの需給のみならず、世界の大豆、小麦の需給にも大きな影響を与えると考えられます。今後も中国のトウモロコシの需給動向に注視する必要があります。 

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