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【レポート】 中国におけるトウモロコシ需給の動向

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最終更新日:2012年5月31日

調査情報部 審査役 河原 壽

調査の目的

中国はアメリカに次ぐトウモロコシ生産国で、世界最大の消費国です。中国では、トウモロコシは、基本的に自給を確保するという中央政府の食糧政策(注1)に基づき、ほぼ国内で賄うことができていますが、食料以外の用途が拡大しています。最近、国内生産だけでは賄えなくなるのではないかとみられています。

中国の膨大なトウモロコシの消費は、国際価格に影響を与え、特に輸入飼料穀物に依存する我が国の畜産に与える影響は大きいため、最近の需給動向などを把握する必要がありました。

そこで、農畜産機構は、平成23年9月、中国の主産地である黒龍江省を中心に、最近の需給動向を調査しました。調査結果は以下のとおりです。

需給動向

2000年代前半は、生産量と消費量が均衡する中、豊富な在庫を背景に輸出が多かったことから、在庫率は2001年12月の61%から2005年12月の32%と大幅に低下しました。

2000年代後半になりますと、生産量が消費量を上回ったものの消費量の拡大により在庫率はさらに低下することとなり、需給はしだいにひっ迫することとなりました。さらに、2009/10年度には天候不順による減産から、生産量は増加する消費量を大幅に下回ることとなり、輸入数量は130万トンと急増することとなりました。

平年作であった2010/11年度も消費量の増加から100万トン、豊作となった2011/12年度も減少した国家備蓄量の補充もあり350万トンの輸入が見込まれています。今後も、消費量のさらなる拡大により、2011年12月現在の在庫率は20・4%とさらなる低下が見込まれています。

この需要の拡大には、飼料用需要、でん粉等の工業用需要の拡大が指摘されています。(図1)
トウモロコシの需給動向

消費動向

畜産物消費の増加に対応した生産拡大を背景に、トウモロコシを含む配合飼料の生産量は、豚肉、鶏肉向けなどで増加し、2010年の飼料用トウモロコシ消費量は1億1000万トンを超えたとされ(注2)、飼料用消費の増加はトウモロコシ需給ひっ迫の最大の要因となっています。

また、でん粉などの加工業における工業用需要の増加も消費拡大の要因の一つと指摘されています。中国におけるでん粉の生産は、95%以上がトウモロコシを原料に生産されていますが、国内砂糖価格の高騰により、代替甘味料生産原料としてトウモロコシ需要が増加しています。(図2)
トウモロコシの用途別需要量の推移

生産動向

トウモロコシ作付面積は、需給のひっ迫による国内価格の高騰により増加傾向ですが、大豆作付面積は減少傾向となっています。トウモロコシおよび大豆の中国最大の産地である黒竜江省では、トウモロコシ作付面積は大豆からの作物転換により増加しています。

黒龍江省においては、トウモロコシと大豆は競合しており、大豆栽培に比べトウモロコシ栽培の収益が大幅に高くなっていることが、大豆からトウモロコシへの転換の要因になっています。(図3)
トウモロコシの作付面積の動向

今後のトウモロコシの需給動向

中国政府は、トウモロコシの需給ひっ迫を受け、2006年12月にトウモロコシを原料とするエタノール生産を制限し、2007年9月にトウモロコシ総生産量における工業用需要量を26%に制限する政策を打ち出しました。

また、飼料原料の確保に対しては、2011年9月にDDGSや非食糧を原料とする飼料原料の多様化を図る政策を打ち出しました。

トウモロコシの需給は、短期的にはタイトであるものの需給の均衡は維持されると推測されますが、拡大する飼料用の需要を考慮すれば、中長期的な需給状況は厳しいものと思われます。既に、世界最大の大豆輸入国である中国の大豆輸入量はさらに増加し、大豆の世界市場における中国の影響は、ますます強まっていきますが、トウモロコシ市場についても今後の動向に注意が必要です。

 注1:国家発展改革委員会国家食糧安全中長期計画綱要(2008〜2020年)
 注2:中国農業部「全国畜牧業発展第十二次5ヶ年計画(2011〜2015)」

【参考】今回紹介しているレポートの詳細は、機構のホームページでご覧いただけます。
http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2011/dec/wrepo01.htm

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