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【レポート】中国における野菜生産の動向

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最終更新日:2013年6月28日

 調査情報部  山崎博之

はじめに

 2012年に入り、中国経済が減速傾向を示す中、農業生産コストは上昇基調にあります。中国では、生産コスト上昇による野菜輸出への影響の軽減に向けた取組みが行われています。
 そこで、農畜産機構は、昨年9月に野菜の主産地を訪問し、最近の中国の野菜事情を調査しましたのでご紹介します。

生産コストの動向

 中国では、これまでほぼ一貫して、農業資材の価格は上昇してきました。その他に、労働賃金、燃料費等の生産コストの上昇も著しく、農産物価格の引き上げ要因となっています(表)。このような状況のもと、中国産農産物の価格優位性が損なわれています。
(1)労働コストの上昇 農村部では、地方企業の成長・拡大、公共事業などの景気対策の実施などにより、雇用状況の改善が進んでいます。これにより、都市部では農村部からの出稼ぎ者が減少し、安価な労働力の確保が難しくなっています。
(2)流通コストの上昇
2010年、中国政府は、農産物の流通コストの低減を目的に、農産物積載車両の有料道路使用料を免除しましたが、最近、高騰している燃料価格が、流通コストを引き上げています。
(3)地代コストの上昇
 2009年、農地借料は、前年の3倍に跳ね上がりました。これまで、輸出加工企業等は、農地の借地により、生産規模を拡大してきましたが、農地借料の上昇は、輸出価格の上昇につながっています。
表

中国政府の対応

 農産物の価格が上昇基調にある中、中国政府は、(1)日本円と中国人民元の直接取引の本格的な運用 (2)国内取引・流通の際に付加される増値税の免除、に取組みました。
(1)円・元直接取引の整備
 2012年6月、東京と上海で、円と元に係る為替市場が整備され、円と元の直接取引が容易になりました。
 これまで、日中間の貿易決済では、米ドルを介して行われていたため、2回の両替が必要となり、それぞれの為替手数料が発生していましたが、円と元の直接取引により、両替が1度で済むこととなり、為替手数料が節約できるようになりました。
(2)増値税の免除
 2012年1月、中国政府は、野菜の流通段階における増値税(付加価値税)を免除することを発表しました。これにより、販売価格の低下とそれに伴う流通量の増加が期待されています。

産地の状況

それでは、次に産地の現状をご紹介します。
(1)たまねぎ産地の現状(甘粛省)
 たまねぎ輸出企業への聞き取りによると、甘粛省から加工業者のある山東省までの輸送手段として、鉄道とトラックを利用しますが、鉄道の場合は、貨車への積替時に商品に傷がつきやすいことから、トラックでの輸送が主流でした。
 しかし、最近の燃料費の高騰は、有料道路使用料の免除のメリットを上回っており、このまま燃料費の高騰が続けば、鉄道輸送に切り替えざるを得ないということでした。
(2)ごぼう産地の現状(山東省)
 ごぼう輸出加工企業では、近年、生産コストは総じて増加傾向にあります。労働力は、3年前は1000〜1500元/月(13,000円〜19,500円)程度で確保できていましたが、今年は3500〜4500元(45,500円〜58,500円)程度まで上昇しているということでした。物価の上昇に応じて、賃金も上昇しており、労働力の確保が課題となっていました。(1元=13円で計算)
中国

おわりに

 これまで見てきたように、国際競争力の源泉であった安価な生産コストは上昇の一途を辿っています。
 一方、中国の野菜生産・流通には、産地の集約化や市場流通体系の近代化といった課題があるものの、官民挙げて解決に向けた取組みを進めています。今後、改善が進むことで、中国産農産物の価格優位性を取り戻す余地があると言うことができます。
 なお、詳細は、機構のホームページに、『中国における野菜生産・輸出の動向』と題したレポートを載せておりますので、こちらもぜひご覧ください。

URL:中国における野菜生産の動向
http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/kaigaijoho/1212/kaigaijoho01.html
中国 野菜

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このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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