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インドネシアの牛肉輸入をめぐる状況

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最終更新日:2014年7月2日

はじめに

インドネシア政府は、食料の安定供給と雇用機会の拡大などのため、国民の食生活に不可欠なコメ、大豆、トウモロコシ、砂糖および牛肉の5品目について自給率の向上を図っています。
このうち牛肉については、政府が自給目標を「2014年までに90%」と設定し、その達成に向けて肉用牛生産の振興を図るとともに、牛肉輸入量を削減してきました。
しかし、2012年に急激な輸入制限を行ったことで、国内の牛肉小売価格の高騰をもたらし、政策の変更を余儀なくされることになりました。

インドネシアの牛肉輸入

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インドネシアでは、「牛肉」として輸入されるもののほか、肥育もと牛として「生体牛」の輸入が
あります。
主な輸入先は、牛肉が豪州やニュージーランド、米国で、生体牛は豪州となっています。
輸入量の推移を見ると、国内の牛肉消費量の増加に伴い、牛肉と生体牛のいずれも2000年代後半に急増し、2009年から2010年にかけてピークを迎えました。
このため、自給率の低下を懸念した政府は、牛肉の輸入許可数量を段階的に削減し、2012年の牛肉と生体牛の輸入量を、それぞれ3万4000t(前年比48.5% 減)、27万9000頭(同32.6%減)まで削減しました(図1、図2)。

輸入制限の影響

輸入量の削減による牛肉不足を補うため、国内では国産牛のと畜が進みました。
このため、2013年の牛の飼養頭数は、2011年の1673万頭から約250万頭減少し、1424万頭と急減しました。輸入生体牛を肥育するフィードロットでは、肥育もと牛不足により収容率が低下し、出荷頭数の減少や、従業員を一時的に解雇する動きもありました。

また、牛肉の小売価格は供給量の減少から高騰しました。最需要期のイド・アル=フィトル(断食明けの大祭)を控えた2013年7月の小売価格は、1kg当たり9万ルピア(900円)を超えました。これは、輸入が制限される2011年12月と比べて1.3倍の水準です(図3)。
このような価格の上昇によって、牛肉の買い控えや牛肉から安価な鶏肉に消費が移り、一部では、牛肉価格の上昇に不満を抱いた消費者が暴動を起こすなどの事態に陥りました。
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緊急輸入と輸入制度の変更

政府はインフレ抑制対策を強いられており、牛肉の価格上昇も早急に是正する必要がありました。
そこで、最需要期(8月上旬)の手当てとして、牛肉と生体牛を緊急輸入しました。
さらに、国内の牛肉小売価格が高騰する場合には、輸入業者が自由に牛肉を輸入できるよう輸入制度を
改正しました。
これらによって、2013年の牛肉と生体牛の輸入量は大幅に増加し、それぞれ4万6000t(前年比35.8% 減)、45万4000頭(同62.9%増)となりました(図1、図2)。

おわりに

インドネシアでは、牛の飼養頭数の減少と輸入制度の変更によって、「2014年までに90%」とする自給目標の達成は困難となりました。
しかし、肉用牛生産の振興は引き続き取り組まれており、長期的には牛肉の増産が期待されます。
一方、これまで行われてきた度重なる輸入制限については、他国から問題視されるなど国際的にも注目を集めています。
2014年の総選挙の結果によっては、再び制度が変更される可能性もあります。

参考

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このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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