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地域酪農を支えるTMRセンター〜北海道中標津町 中標津ファームサービス〜

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最終更新日:2014年11月5日

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北海道の東部に位置する中標津町は、根釧大地(こんせんだいち)にある人口2万4千人の自然豊かな町です。
乳牛の飼養頭数が3万9千頭と人口よりも多く、酪農が盛んです。
そんな中標津町には、平成18年に設立されたTMRセンター「有限会社中標津ファームサービス」があります。
「TMR(Total Mixed Ration)」とは、粗飼料と濃厚飼料、ミネラル・ビタミン等をバランスよく含む混合飼料で、牛の完全食です。
TMRセンターでは、TMRの生産、調製から配送までを行い、酪農家の労力軽減や、飼料の品質向上による経営の安定に貢献しています。

長渕 重樹さん
長渕 重樹さん

中標津ファームサービスは、もともと機械利用組合等で地域的にまとまりのあった酪農家らが参加し、設立されました。
その中心として働きかけを行ったのが、同社の社長を務める長渕重樹さんです。
自身も酪農家である長渕さんは、設立当時を「輸入飼料の価格が高騰し続ける中、飼料用とうもろこし
の露地栽培で飼料コストを抑えたかった」と語ります。
日本では現在、飼料の多くを輸入に依存しています。
酪農家にとって、飼料コストは生産費の約5割を占めており、近年の輸入飼料原料の価格高騰は、経
営に大きな影響を及ぼしています。
このため、我が国の畜産では今、国内農地の有効利用や、TMRセンターの設立によって効率的に飼料生産を行うことで、飼料自給率を高める取組みが求められています。

◆飼料へのこだわりは、農家に届けるまで

かんばん

中標津ファームサービスでは現在、酪農家17戸が構成員として参加していま
す。およそ1千2百haにおよぶほ場での収穫作業や草地更新、肥料の散布は、コントラクター(農作業委託団体)に作業を委託しています。
しかしながら、委託先での作業には、センターの構成員である酪農家が従事しています。
これは、ほ場を観察する能力を養うためです。また、年間約4万5千tものTMRの製造・配送は、8名の専任職員によって行われます。
「3 6 5 日、安定した品質の飼料を届けることが、何よりも乳量の増加につながる」と、長渕さんはいいます。
「原料に醤油粕を少し入れると、牛の食い込みがよくなるんだ。しかも、塩分が含まれているから保存性にも優れる。」
と、副原料へのこだわりを教えて下さいました。
また、中標津ファームサービスの飼料配送システムは、他に先駆けて導入されたものです。
それまで酪農家は、毎朝早くから届けられた飼料を餌場に入れる作業をこなさなければならず、大き
な負担となっていました。
中標津ファームサービスでは朝夕2回、配送車が各戸の給餌車(機械給餌を行うための車)に直接飼料を運び入れており、給餌に要する労力を大幅に軽減しています。
センターの奥には、飼料を貯蔵するためのバンカーサイロが立ち並んでいます。
「もともとコンクリートを敷いていたが、それだと飼料を発酵させる時に出るれき汁の酸が床を溶かし、飼料に床の砂利が混じってしまう」
そこで昨年度、酸に強い、厚さ3センチのアスファルトを舗装し、砂利の混入を防ぐようにしました。
当機構では、TMRの効率的生産のため、バンカーサイロ等の施設機能向上や、飼料ミキサー車、草地
更新機械等の導入費用を助成しており、国産飼料が安定的に供給される体制を支援しています。

様々な原料がミキサー車で調製され、TMRになります。
様々な原料がミキサー車で調製され、TMRになります。

奥行き62メートルのバンカーサイロはセンター内に33 基並び、1 基1,500tもの飼料が貯蔵されます。
奥行き62メートルのバンカーサイロはセンター内に33 基並び、1 基1,500tもの飼料が貯蔵されます。

◆もっと若者の力を

調製されたTMRはコンベアで配送車に運び込まれます。
調製されたTMRはコンベアで配送車に運び込まれます。

「農業に携わる人が減っている。後継者を育てていく取り組みが必要だ」と、長渕さんは話します。
中標津町では町外から移住して来る方も多く、過去50年間にわたり人口は増加傾向にあります。
中には新規就農を志す方もあり、長渕さんは、彼らを応援する体制を整えているといいます。
「最近は後継者が戻ってきて、施肥と刈り取りが同時にできるようになった。
若い人が集まると活気があっていい」と語る顔はにこやかです。
集約的作業で酪農を効率化し、次世代へつなげていく取り組みは、地域酪農の発展を支える要として益々期待されています。
(畜産振興部)

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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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