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【alicセミナー】「中国の酪農・乳業事情」「ニュージーランド(NZ)のシェアミルカー経営と最近の動向

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最終更新日:2015年11月5日

 alic調査情報部では、最近 の農畜産物の需給状況などを把握するため海外調査を実施しています。9月 29 日(火)に畜産経営対策部(前調査情報部)木下瞬およ び調査情報部 根本悠より、中国 とNZの調査結果の報告を行いま したので、概要を紹介します。

<中国>

近年、経営は大規模へ進展

 2008年のメラミン混入粉ミルク事件を契機に、中国の生乳生産は「量」よりも「質」を重視するよう変化してきました。蒙牛乳業や伊利実業集団などの中国大手乳業メーカーが直営農場を開設す るなどした結果、飼養頭数ベースでは100頭以上の大規模経営が4割弱を占めるようになりました(2012年)。産地も、これまでの主産地である内蒙古自治区や黒龍江省のほか、北京、上海、天津 などの大都市近郊でも能力の高い乳牛を導入した大規模経営が見られるようになっています。また、NZ大手のフォンテラ社などの外資の中国への参入が進んでいます。

図

「質」を求める消費者

 1人当たりの牛乳・乳製品消費量は2008年以前の量には戻っていません。しかし、安全性や品質の重視から、その支出額は増加 しています。また、所得の向上や人口増加も相まって、結果として、牛乳の中国国内の消費量は増加傾向を示しています。
 中国全体では、常温でも長期間 保存可能なLL牛乳が主流で、その生産割合は8割を占めますが、都市部の中間所得層以上は鮮度を重視した低温殺菌牛乳(ただし、 日本のスーパーで一般的に販売さ れているパック牛乳は中国での分 類ではこちらに入る)を求める傾 向にあります。そのため、近年国内乳業メーカーは、低温殺菌牛乳の生産に力を入れているところで す。インターネットでの購入が多い育児用粉乳の市場上位は外資系メーカーが占有している状況です が、一人っ子政策の緩和などによ り各乳業メーカーは、育児用粉乳に特に高い潜在性を見込んでいます。

粉乳を中心とした乳製品輸入量は増加傾向

 LL牛乳の輸入量は、国内生産量の1%程度ですが、粉乳を中心とした乳製品の輸入量は増加傾向です。主な輸入先は、FTA(自由貿易協定) を締結しているNZですが、中国は輸入先の多角化を図りつつあり、最近ではウルグアイ、アルゼンチンなどの南米からの輸入も見られるようになりました。中国は、豪州との間で2015年6月にFTAに署名しており(現時点では 未発効)、豪州からの輸入動向は今後注目されるところです。

図

<NZ>

伝統的なシェアミルカー経営でキャリアアップ

表

 初期投資が大きい酪農経営 において、NZではオーナー経営として完全に独立するまでの間、 オーナー経営と収入、費用、労働を分配して行うシェアミルカー経営という伝統的な制度がありま す。この制度により、若い酪農家 は、知識、経験、資金を蓄積しながら、オーナーへステップアップでき、オーナーは労働負担の軽減、 余暇の確保ができつつ、一定の収 入が確保できる仕組みとなっており、1937年には関連法律が制定されています。シェアミルカーには、通常、利益分配率の低い V O シェアミル カー経営とオー ナー経営の前段階である 50 / 50 シェ アミルカー経営があり、近年オー ナー経営とVOシェアミルカー経営は増加傾向です が、50/50 シェア ミルカー経営はやや減少傾向にあり ます。VOシェア ミルカー経営の多くは、実質的に大 規模経営体の雇用労働力に近い側面 があり、NZにおける酪農の規模拡 大が進んでいるこ とが、VOシェア ミルカーのニーズにつながっていると考えられます。

規模拡大に伴い変わる酪農経営の形

 2000年以降、乳価の上昇を背景に、NZの酪農家は飼養頭数を増加させており、酪農経営の規模拡大が顕著です。そのため、オー ナーや50/50 シェアミルカー経営になるためには、多額の借入金が必要となりました。一方で長期的には酪農経営体戸数は減少していることから、結果としてシェアミ ルカーなどのマネジメント職に従事することが困難になると予測さ れています。 そこで、最近は必ずしもオー ナーや 50/50 シェアミルカーになることを最終目標とするのではなく、複数の者(酪農に直接従事しない投資家を含む)の共同出資により酪農場や牛群、施設などを購入し、共同で経営を行うエクイティ・パートナーシップという新 しい形の経営形態も現れてきまし た。

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