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【第一線から】津波被災からの復興を目指す 〜宮城県仙台市 農事組合法人 井土(いど)生産組合〜

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最終更新日:2016年3月3日

仙台

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災から5年が経とうとしています。被災からの復興を目指す動きの中、地域の農家からの作業を受託できる組合として、平成24年12月に農事組合法人井土生産組合が設立されました。
 復旧が進む農地を集約化し、機械化を進め省力化を図りながら、加工・業務用野菜などの生産を拡大している同組合の取り組みを紹介します。

◆東日本大震災による津波被災

堤防の役割をする高さ6m程度のかさ上げ道路が整備中
堤防の役割をする高さ6m程度のかさ上げ道路が整備中

 井土生産組合がある仙台市若林区井土地区は、市の南東に位置し、太平洋に面しています。
 震災前は世帯数104戸のうち農家は73戸で、主に銘柄米「ひとめぼれ」に代表される米、大豆、麦のほか、レタスなどの野菜を生産していましたが、震災による津波で、住宅や農地、農業機械の多くが流失する甚大な被害を受けました。その後、現在までに再建された住宅は5戸で、そのほかの住民は地区外で生活を送っています。

◆営農再開に向けた意向調査

 同組合の代表である鈴木保則さんは、被災当時、JA仙台井土実行組合の組合長として、避難生活を余儀なくされていた井土地区の農家に今後の営農再開の意向をアンケート調査しました。その結果は、井土地区に営農組織があれば農地を託したいという回答がほとんどでした。

整備された農地と、その向こうに整備中のかさ上げ道路
整備された農地と、その向こうに整備中のかさ上げ道路

◆農事組合法人の設立へ

 その後、国の復興事業により、今まで地区内に点在していた水田と畑地は、水田85haと畑地15haに集約されることになり、その農地を託す営農組織のあり方について、農作業を担う15人で話し合いが行われました。
 震災前の農地所有者からの農地の借り入れや、金融機関からの資金の融資を受けるには、任意組織ではなく法人化した方が有利でしたが、生活再建のために多くの資金が必要な時期に、法人設立のための出資金の拠出に異論もありました。しかし、参加農家を説得し、JAからも出資を受けて、農事組合法人が設立されました。

◆広大な農地の活用を模索

井土生産組合事務所
井土生産組合事務所

 同組合の代表者となった鈴木組合長は、農地整備後に合計100haもの広大な農地を15人で管理することになるため、水田や畑地で作付けする作物は、できるだけ人手がかからないものでなければならないと考えました。
 そのような状況において、JAグループ主催の営農復興支援イベントで、ねぎは機械化体系が確立され、省力化できること、塩害を被った農地でも栽培できることがわかったので、宮城県普及センターやJA関係者と検討を重ね、加工・業務用の需要があるねぎを栽培することになりました。

◆土壌整備の課題

収穫前のねぎ
収穫前のねぎ

 津波で肥沃な表土が流失したため、その下に残った固い底土に、新たに土砂を運び入れて整備した農地は、期待する収量が得られませんでした。
 ねぎの作付面積を11haに増やす計画の中、土壌分析を行いましたが、肥料や土壌改良剤が普通の農地に比べて2倍以上も必要であったことや、作業機械などの整備への初期投資に予想以上の経費がかかることになりました。

◆補助事業の活用によって、さらなる安定生産へ

ねぎの収穫作業
ねぎの収穫作業

 鈴木組合長は、新聞の記事で、alicが実施している加工・業務用野菜の安定生産に必要な作柄安定技術の導入などを支援する事業を知りました。同組合は、全農宮城県本部のサポートを受けながら、平成27年度からこの事業に取り組んでいます。ねぎの作柄安定に、事業がとても役に立っていると評価されています。

◆生産組合を中心に地域コミュニティーの復活へ

 鈴木組合長は、「消費者に喜ばれる、安心・安全な、品質の高い農産物を提供していきたい。そのためには、地域の特性を生かし、作業の効率性をもっと高め、創意工夫して、さらに井土地区の農業を発展させたい。また、営農を再開できたことにとどまらず、震災前の地域コミュニティーを復活する足掛かりとなるよう、集出荷調製施設など地域の人が集まる場を創り、生産組合が中心的な役割を担っていきたい」と話されておりました。地域復興の一翼を担う同組合の今後の活躍が期待されます。
                                                      (野菜業務部)

収穫したねぎの調整作業
収穫したねぎの調整作業

出荷を待つねぎ
出荷を待つねぎ

【参考】 a l i cが実施している「加工・業務用野菜生産基盤強化事業」については、
https://www.alic.go.jp/y-josei/yajukyu03_000026.html をご参照下さい。

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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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