[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 広報誌 > 【alicセミナー】「ブラジルの砂糖・エタノール産業の動向」「最近の中国・東南アジアの牛乳・乳製品需給動向」

【alicセミナー】「ブラジルの砂糖・エタノール産業の動向」「最近の中国・東南アジアの牛乳・乳製品需給動向」

印刷ページ

最終更新日:2016年5月11日

 alic調査情報部では、最新の農畜産物の需給状況などを把握するため海外調査を実施しています。2月29日(月)に丸吉裕子、谷貴規よりブラジルの砂糖・エタノール産業の動向、4月6日(水)に伊澤昌栄より中国の牛乳・乳製品の動向、中島祥雄よりタイ・インドネシアの酪農事情を主とした東南アジアの牛乳・乳製品事情について調査結果の報告を行いましたので、その概要を紹介します。

企業経営により左右されるブラジルの砂糖とエタノール生産

割合推移

 ブラジルは世界最大の砂糖の生産・輸出国であり、エタノールの生産量では世界第2位、輸出量は1位で、多くの砂糖・エタノール企業が自らサトウキビを生産しています。サトウキビからは砂糖とエタノールを作ることができ、どちらを製造するかは企業の経営状況によって変わります。リーマンショック以降、企業の経営状況は悪化し、2015/16年度(4月〜翌3月)の負債額は過去最高と見込まれています。砂糖の国際価格が低水準である一方、エタノール需要が特に国内で好調であることから、企業はエタノールへの仕向け割合を増やしています。エタノール生産の方が短期に資金を回収できることも、エタノール仕向け割合が増加している一因とも言われています。エタノール仕向け割合が増え続け、今後10年以内には65%になるとの予測もされています(図1)。
 また、ブラジル政府は、栽培面積を増やさずとも生産性向上によりサトウキビの増産が十分に期待できると分析しており、砂糖、エタノールともに今後の増産を予測しています。しかし、そのためには、企業の経営改善が不可欠であり、企業へのサトウキビの新植に対する融資策などの政府の砂糖・エタノール振興策などにより今後も砂糖を安定生産できるかが、ブラジルが国際砂糖市場での地位を維持できるかの鍵と言えます。


【参考】月報『砂糖類・でん粉情報』2015年12月号「ブラジルの砂糖・エタノール産業の動向」
 https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001225.html

引き続き堅調さを維持する中国の牛乳・乳製品情報

支出推移

 中国都市部の牛乳・乳製品の消費量は、落ち着きを見せているものの、消費を牽引している中所得層以上の割合に連動して、その支出額は増加しています(図2)。また、都市部でも経済発展著しい内陸部の都市や農村部の牛乳・乳製品の1人当たりの消費量が増加していることから、中国経済の減速は見られるものの、今後も需要は伸びていくものと考えられています。
 中国は世界第3位の生乳生産国であるものの、国内消費に供給は追いついていないため、輸入は必須となっています。2014年の在庫過剰が影響し、2015年度の全粉乳と脱脂粉乳の輸入量は減少しましたが、育粉や牛乳の輸入量は増加しています。特に2008年のメラミン混入粉ミルク事件以降、消費者の輸入品志向が高まったことも影響しています。このような状況を背景に、中国国内大手乳業メーカーは海外に製造拠点を整備し、消費者ニーズに対応しています。
 最近は、コールドチェーンの整備などによりチルド牛乳の需要も増えつつあります。さらに、健康志向の高まりによるヨーグルト、乳酸菌飲料などの消費、食の多様化によるチーズやバターの需要も今後大きく見込まれるところであり、中国の牛乳・乳製品需給は今後も引き続き伸びていくものと予想され、国際乳製品市場へも影響力を維持すると考えられます。

輸入依存度の高いタイ・インドネシアの牛乳・乳製品事情

タイ

インドネシア

 東南アジアの国々の中では、酪農の盛んな国に分類されるタイとインドネシアでは、耐暑性に優れた品種にホルスタインを掛け合わせた乳牛などを独自に改良していますが、両国の乳牛とも1頭当たりの搾乳量は低く、生産性は高くありません。このため、国内需要の不足分は、輸入でまかなっており、生乳換算でタイでは国内生産量の1・2倍、インドネシアでは2・5倍の量を脱脂粉乳、ホエイ、全粉乳などの形で輸入しています(2013年FAOSTAT)。
 一方で、経済発展とともに、ヨーグルトやアイスクリーム、チーズなどの乳製品の消費が増加しています。タイでは大手乳業メーカーを中心に飲むタイプのヨーグルトが製造されています。最近は、健康志向から低脂肪やカルシウム強化など、機能性を高めた商品も流通するようになりました。また、インドネシアでは、1人当たりの消費量は少ないものの、ジャカルタを中心にピザやパンの普及とともにチーズの消費量も増えており、近年日系企業が地元企業との合弁でプロセスチーズ工場を建設しました。
 両国とも酪農振興政策をとってはいますが、まだまだ生乳の生産基盤は脆弱なため、急速な生産拡大は困難と考えられ、今後も輸入品に対する需要が見込まれます。中でも例えば、インドネシアでは中間層をターゲットにした国内産チルド牛乳の2倍の価格のオーストラリア産生乳のみを用いたチルド牛乳が販売され売行きが好調であるといった高価格帯の需要も存在するなど、日本製品が輸出できる可能性も考えられます。  

当日の詳しい資料はこちらに掲載してありますのでご覧ください。
 ・https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000421.html  
 【参考】月報『畜産の情報』2016年2月号「最近の中国・東南アジアの牛乳・乳製品需給動向」   
  https://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2016/feb/wrepo01.htm

前のページ               次のページ


このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.