消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 広報誌 > 【トップインタビュー】いろいろな楽しみ方ができるチーズは和食にもピッタリ〜11月11日はチーズの日〜

【トップインタビュー】いろいろな楽しみ方ができるチーズは和食にもピッタリ〜11月11日はチーズの日〜

印刷ページ

最終更新日:2016年11月2日

チーズ普及協議会 会長 西尾啓治 氏 (雪印メグミルク株式会社代表取締役社長) に聞く

正面
国内で消費量が増加しているチーズは、種類も豊富で、食べ方もそのまま食べたり、料理やデザートに使ったりとさまざまです。そこで、チーズの消費拡大に取り組んでいるチーズ普及協議会の西尾会長にお話を伺いました。

チーズ普及協議会について教えてください。

 チーズ普及協議会は、昭和48年11月1日にチーズの普及と消費拡大を目的として設立されました。現在の会員は、国産のチーズメーカー11社で構成されています。
 中心となる活動の一つが、日本輸入チーズ普及協会との共催による「チーズフェスタ」の開催です。毎年11月11日の「チーズの日」に合わせて、東京の恵比寿で11日と12日の2日間入場無料で開催しています。毎年1万人近い方に来場いただいており、今年で25回目となります。
 内容は、会員各社のチーズの試食を含めたチーズの紹介、即売会、チー1ワングランプリや「和食にチーズ」というテーマでのチーズメニューの情報発信などです。2日間のチーズ即売会の売り上げは、日本ユニセフに寄付をして世界の子供たちの支援に充てられています。

なぜ、11月11日がチーズの日となったのですか。

 日本へのチーズの伝来が関係しています。およそ1300年前の飛鳥時代の記録に、文武天皇が乳を煮詰めた「蘇(そ)」を作らせたという記述が残っており、この蘇がチーズではないかと言われています。
 この記述に基づき旧暦10月、現在の新暦11月を「チーズの月」、そして1が4つ並んで覚えやすい11月11日を「チーズの日」として平成4年に制定しました。

チーズの起源や日本での普及について教えてください。

 チーズの起源は、アラビアの商人が、長い砂漠の旅の途中で、羊の胃袋で作った水筒に入れたヤギのお乳が発酵してできた白い塊りを発見したという民話に由来します。この白い塊がチーズのことと考えられ、その時代は紀元前12〜13世紀といわれていますから、約2千年近くの時間を経て日本に伝わったことになります。
 また、日本での現在のようなチーズの製造は、明治33年に函館のトラピスト修道院で造られたのが始まりと言われています。本格的な普及は、少しずつ食の洋風化が進行した昭和30年代に学校給食にプロセスチーズが登場してからです。さらに、ピザやチーズケーキ、ティラミスのブームなどによってナチュラルチーズの消費が拡大しました。

チー1グランプリとはどんなイベントですか。

 チー1グランプリは、地域の食材や郷土料理にチーズを使ったメニューのコンテストです。チーズをより多くのメニューに使っていただきたいという試みでスタートして今年で5年目になります。全国から応募いただいたメニューをチーズフェスタのステージで、グランプリを選んで表彰するというものです。
 昨年のグランプリは、「べったらアボチー焼き」とのネーミングの、東京のべったら漬けのカリッとした食感とアボカド&クリームチーズの濃厚でトロリとした食感が楽しめる作品で、プレゼンターの峰竜太さんが表彰をしてくれました。今年は856作品の応募がありましたので、その結果は是非会場でご覧いただきたいと思います。

チーズの作り方や豊富な種類について教えてください。

 世界中のチーズの種類は数百種類あるといわれていますが、大きく分けるとナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられます。
 一般的にナチュラルチーズは、生乳(搾ったままの乳)に乳酸菌と子牛の胃から取った凝乳酵素のレンネットを加えて、水分のホエイ(乳清)を抜き取った塊り(カード)を発酵熟成させて作ります。
 プロセスチーズは、数種類のナチュラルチーズを粉砕、加熱溶融し乳化してから型詰めにしたもので、熟成が止まっているため保存性・保形成に優れています。

国産チーズの特徴について教えてください。

 国産チーズの特徴は、スイスで発明されたプロセスチーズの製造技術が、日本のチーズメーカーによって独自の進化を遂げたことです。全体の傾向として今の日本の消費者は、やや柔らかいチーズを好むようになってきたと感じています。例えば、熱をかけるとトロっとする糸引き性の良い「とろけるスライスチーズ」などが人気です。
 また、ナチュラルチーズのコクやうまみを出せるようなプロセスチーズのほか、6Pチーズやベビーチーズなどの小包装チーズなども、プロセスチーズメーカーが開発してきた技術です。小包装のパッケージは高温多湿の日本の風土を考えカビを防ぎ衛生面でも優れています。

国内のチーズの消費量について教えてください。

 日本のチーズの消費量は、平成27年度は前年比107.5%の321千t(農林水産省チーズ需給表)と過去最高となりました。内訳は、ナチュラルチーズが前年比107.5%の193千t、プロセスチーズが前年比107.4%128千tと、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ共に高い伸びとなっています。
 消費量が過去最高となった要因としては、家庭でお酒を楽しむ“家飲み”需要の増加に合わせておつまみ系チーズの増加があると考えています。さらに、菓子類やパンなどの他の食品にチーズ素材が広がっていることも消費量拡大の要因となっています。

チーズの栄養について教えてください。

 チーズは乳を10分の1に凝縮して作られていますので栄養面で優れています。特に、たんぱく質と脂肪、ビタミンがバランス良く含まれていて、カルシウムが豊富ですので、効率的に栄養を摂取できる食品です。また、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしてしまう乳糖不耐症の方が日本人には多いのですが、チーズはその製造過程で乳糖を多量に含むホエイを除いていますので、牛乳が苦手でもチーズは食べられるという方もいらっしゃいます。

会長ご自身のチーズとの関係や思い入れ、お勧めの食べ方を教えてください。

 私のチーズとの出会いはやはり学校給食でした。最初は石鹸かと思うくらいだったんですけど、そこでチーズに少し慣れたのと、後はやはりチーズを作っている会社に入社してチーズがものすごく身近になりました。入社後は、チーズの事業に長年携わってきましたし、関連の輸入チーズを扱う会社の社長を2年ほど勤めました。海外のサプライヤーからどのように安定的に商品を輸入し、国産と海外の商品をどのように店頭に並べて販売するかというような仕事をしていました。その間に、さまざまなチーズに触れて感じたのは、商品の幅の広さ、世界にはものすごい種類のチーズがあると感じました。特にナチュラルチーズは、種類だけでなく味の奥行きと深さを感じました。これだけ、広がりと深さを持っている食品は、なかなかないと思っています。
 私自身も毎日の食生活の中でチーズを食べています。日常的には家内が色々なチーズを細かくダイス状に切ってサラダに入れてくれます。また、ホームパーティなどの時は、数種類のチーズを食べやすいサイズに切ってプレートに乗せます。その時は、私が必ずチーズを切る係です。いわゆるチーズプラトーと呼んでいますが、それをワインと一緒にいただきます。これは、一般的で一番手軽な食べ方という風に思います。また、意外に思われるかもしれませんが、チーズは和食にもよく合います。

和食にチーズが合うんですか。

 そうです。チーズは、うどんやそうめんなどの麺類やご飯ともよく合うんです。
 チーズ普及協議会では、日本人の食生活の中でチーズをさらに普及させていくためには、和食メニューにどうチーズを使ってもらえるかが非常に大事なことだと思っています。そのため、NHK の「きょうの料理」と協賛で、毎年9月にチーズメニューを放送しています。放送に使ったメニューでパンフレットを作成して、チーズフェスタで講師の方にステージに登場していただいて、メニューの配布と紹介をしています。
 昨年は、温かいそうめんにモッツァレラチーズを乗せじんわり溶け出させた「チーズにゅうめん」や牛丼にプロセスチーズを乗せた「チーズ牛丼」などを紹介しました。今年は、日本料理教室を主宰する藤田貴子さんにお願いしています。ぜひ、多くの皆さまにチーズの和食メニューを試していただきたいと思っています。

チーズのおいしい楽しみ方を教えてください。

 ナチュラルチーズは、温度によって硬さも変わります。ちょっと硬めが食べたい人もいるし、少しとろけ出したのが食べたいという方もいらっしゃいます。また、熟成の度合いによって風味も変わり、あまり進みすぎるとアンモニア臭が出てきたりもします。それも、熟度が若いのがいいという人も、進んだ方がいいという人もいるので、何日くらい熟度を進ませるか、何度くらいの温度で食べるか、これもチーズの奥深さです。いろいろな選び方、楽しみ方があり、チーズの種類、熟度、温度をマトリックスに組み合わせる楽しみ方があります。本当に、チーズという食品は奥が深いと感じています。

今後の課題などについて教えてください

 日本にはプロセスチーズなどに代表される優れた技術力があります。その技術をもとにして、多彩なチーズを国内はもとより、海外へも進出できればと考えます。
 また、日本人の年間チーズ消費量は、まだ2kgほどでフランスなど欧米諸国の10分の1程度です。チーズは栄養価が高い食品で、多くの種類があり、それぞれ特色ある味わいと食材としての汎用性があり、まだまだ消費の拡大の余地があるという風に思っています。その普及拡大の一角を担うのがチーズ普及協議会の役割であると認識していますので、チーズフェスタなどの活動をしっかりと拡充して継続していきたいと思っています。

チーズ普及協議会 会長 西尾啓治(雪印メグミルク株式会社 代表取締役社長)

昭和34年生まれ
昭和56年3月  早稲田大学 商学部卒
昭和56年4月  雪印乳業株式会社 入社
平成 4年8月  ジョージ・ワシントン大学経営大学院卒(MBA)
平成14年4月〜 雪印乳業株式会社 乳食品事業部部長、執行役員チーズ事業部副事業部長、
          常務執行役員広域営業部長兼関東販売本部長、取締役執行役員広域営業部長兼
          関東販売本部長などを経て
平成23年4月〜 雪印メグミルク株式会社 執行役員営業統括部長、取締役執行役員などを経て
平成27年4月  同社代表取締役社長に就任
平成27年5月  チーズ普及協議会会長・チーズ公正取引協議会委員長に就任
プロフィール
ろご
チーズフェスタ
http://www.cheesefesta.com

              次のページ

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196