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【第一線から】広大なる十勝の大地で高品質なてん菜を作る 〜北海道帯広市 大塚徳幸さん〜

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最終更新日:2017年1月4日

 北海道および一般社団法人北海道てん菜協会は、てん菜の生産振興とてん菜生産者の作付け意欲の向上を図るため、平成23年度から、高い生産技術により高品質なてん菜を生産している生産者を表彰する「高品質てん菜生産出荷共励会」を実施しています。
 今回は、第5回の共励会表彰式(平成28年2月開催) において、「独立行政法人農畜産業振興機構理事長賞」を受賞した北海道帯広市の大塚徳幸さんを紹介します。
 大塚さんは、低コスト・省力化に取り組むとともに、平成27年産の10a当たり収量、平均糖分、10a当たり糖量で道内平均を上回る優秀な生産実績を収めました。
 

生産実績

◆道内有数の畑作地帯

地図

 大塚さんが農業を営む帯広市は、北海道の東部・十勝平野のほぼ中央部に位置し、市内には清流日本一にも選ばれた札内川が流れ、南方には田園風景が広がります。冬は寒さが厳しいものの夏は爽やかで、降水量が少なく晴天が多いのが特徴です。
 帯広市は、道内有数の畑作地帯があり、小麦、豆類、ばれいしょ、てん菜の4品が総作付面積の7割以上を占めています。
 

◆家族で営むてん菜栽培

  「大塚農場として代々農業を営んでいたので、家業を守りたかった」と話す大塚さんは、農業者の中では若手の36歳。農業高校卒業後、1年の海外研修を経て、実家で農業経営を学び、平成27年1月に父から経営を引き継ぎました。農業一筋に鍛錬を重ね、両親と妻の家族4人で、34haの農地に小麦、てん菜、ばれいしょ、豆類の輪作を行っています。
 主に秋から冬は土作り、冬から春は育苗および移植(畑への苗の植替作業)、夏は畑の管理(除草や防除など)、秋は収穫の作業を家族で分担しながら、忙しい毎日を送っています。
 

◆生産性向上の取り組み

てんさい畑

てん菜

 平成28年8月上旬、大塚さんの畑を訪れると、てん菜の整然とした列が幾重にも連なり、畑の端までまっすぐに伸びていました。「GPSを使わず、これだけ一直線に植える技術は大したものだ」と周囲から驚きの声があがるほど。そして、青々とした大きな葉をめくると、成長真盛りのてん菜が土の天井を押し上げ元気な顔をのぞかせていました。
 しかしながら、28年度は春先の風害や8月に発生した台風の被害などにより、生産者にとって苦難の年となりました。そんな悪状況下でも大塚さんは一定の実績を収めており、11月下旬に私たちが再訪した際には、その要因を「雨風に負けない強いてん菜を作ること」と話されました。
 
 整地作業では、通常硬い土層を砕く作業とかき混ぜる作業を分けて行いますが、大塚さんは複合作業機によりその作業を同時に行うことで、省力化を図るとともに、何度も重い機械が通ることでの土壌の硬化を防いでいます。通常この作業は年1回行いますが、大塚さんは収穫後と移植前の年2回実施しています。「土を柔らかくすることで水はけが良くなる」と手間を惜しまず生育環境を整えることが、てん菜栽培の肝所であると教えてくれました。
 また、育苗管理では、生育初期にワイヤーで根を切ることで、移植後の根張りが良くなり風に飛ばされにくくなるなど、健苗育成を心がけています。さらに「寒さに慣れさせると強い苗になる」と低温育苗を意識し、ハウス内で外側と内側の苗を交互に移動させる「苗ずらし」を行うとともに、移植する1週間前にハウスのビニールを上げて冷気に触れさせています。
 移植後は、病害虫の防除や除草のためにこまめに畑を巡回します。
 他にも、10年以上作業内容を事細かに記録し、日々改善に取り組んでいます。
 

◆地域の人たちとの連携

大塚さん

 帯広市では、家畜のふん尿やオガグズなどを発酵させた完熟堆肥と麦わらを物々交換して活用する地域内循環型農業を広く行っています。
 「顔なじみの畜産農家がつくった堆肥だから安心して使用できる」と長年に渡って畜産農家と信頼関係を築き、互いに協力し合い農業に励んでいます。
 また、定期的に農協や製糖会社と情報交換を行い、作付面積や栽培計画などを決めています。
 このように、大塚さんは、業種を超えた地域の人たちとの繋がりを大切にしながら、てん菜栽培に取り組んでいます。
 

◆今後の展望

 「GPSやドローンを駆使した技術も開発されているが、目新しいことに手を付けるより長年培った栽培方法に実直に取り組み、試行錯誤しながら向上していきたい」と温故知新の精神を大事にする一方で、「地域と連携して新たな作物にも挑戦してみたい」と新たな分野へ取り組む姿勢も持ち続ける大塚さん。
 最後に「国内の砂糖は守るべき重要な品目。今後も責任もって、安全安心なてん菜を栽培し続けたい」と力強く語りました。

◆国内産糖を支える価格調整制度

仕組み

 国内産糖は、主要な輸出国と比べ、原料作物の生産条件や立地条件に大きな差があります。このため、alicは「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、輸入糖から徴収した調整金を財源に、国内の甘味資源作物生産者と国内産糖製造事業者を支援しています。
 
(特産業務部)
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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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