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【alicセミナー】「アマゾン川の物流開発で穀物の輸出競争力を高めるブラジル」「旺盛な輸出需要への対応を模索するブラジルの牛肉業界」

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最終更新日:2017年1月4日

 国内経済は停滞していると言われているブラジルですが、世界にはブラジル産の牛肉や穀物に対する大きな需要があります。そこで、10月14日(金)に、農林中金総合研究所の阮蔚(Ruan Wei)主席研究員を講師に迎え「ブラジルの穀物の輸出競争力」をテーマに、alic調査情報部 米元 健太の「ブラジルの牛肉業界」に関する調査報告とともに、alicセミナーを開催しましたので、その概要を紹介します。
 

アマゾン川の物流開発で輸出競争力を高めるブラジル

様子
 近年、世界の食糧貿易構造は、中国の輸入増加により大きく変わってきました。特に、1996年以降中国が大豆の輸入国となり、大豆需要がさらに大きくなったことは、ブラジルの農業を活性化させることにつながりました。中でも、マットグロッソ州は、世界最大級の穀物地帯であるアメリカ中西部と比べられる地域で、大豆の栽培面積が拡大しています。しかし、それでも耕地として使用されている面積は限定的で、耕地へ移行できる牧草地は、その3倍も広がっています。さらに、今後は中国のとうもろこし輸入拡大が見込まれるためブラジルのとうもろこし輸出も増えることが予想されています。しかし、ブラジルのインフラはまだ未整備な部分が多く、国内輸送コストが高いことが、輸出拡大の課題です。このような状況の中、21世紀に入ってからは民間資本によるアマゾン川の物流開発が活発化しています。20世紀にアメリカがミシシッピ川へのインフラ投資により穀物大国となったように、ブラジルでは現在多くのインフラ投資を行うことで、巨大なアマゾン川がようやく穀物輸送路としての役割を担うようになり始めました。
 

旺盛な輸出需要への対応を模索するブラジルの牛肉業界

うし
 日本の約20倍の牛肉生産量があるブラジルは、世界の牛肉需要が高まっている中、牛肉輸出量もこの15年で3.5倍に膨らむなど、その生産量・輸出量は増加傾向です。
 このような中、ブラジル牛肉輸出業協会が行った意識調査において、ブラジル産の牛肉の品質および信頼性が他の主要国産に劣るとの意識を持たれているという結果が得られました。これを受けて、粗放的な放牧飼育からフィードロットによる濃厚飼料給与へ変更したり、肉質がやや劣る熱帯種にアンガス種などの温帯種を交雑したりして、現状のイメージ脱却を目指し、業界としてさまざまな改善に取り組んでいます。また、2015年から、中国とサウジアラビアへの輸出が再開、アメリカへの輸出が解禁されたことにより、現在輸出は好調を維持し、新市場の獲得にも意欲的です。目下の課題は、牛肉生産性の向上と物流基盤の強化となっていますが、インフラ投資に力をいれていることから、今後の動向が注目されるところです。

 今回のセミナーに関する記事は、月報『畜産の情報』2016年5月号および7月号に掲載しておりますので、こちらもご覧ください。
 
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