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【まめ知識】出雲おろち大根〜見た目の勇ましさと強い辛みが魅力〜

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最終更新日:2017年1月4日

出雲おろち大根とは

だいこん

 ひげ根が何とも勇ましい「出雲おろち大根」は、島根大学で品種改良された辛味大根です。小林伸雄教授は、平成15年に同大学生物資源科学部に着任した当初、この地域ならではの農産物を生み出せないかと考えていました。そのような折、出雲地域の斐伊(ひい)川流域では、野生化して土手に自生しているハマダイコンが手打ちそばの薬味として利用され、栽培している人までいることに注目しました。16年より、このハマダイコンを基に根部の形状や強い辛みの追求などを育種目標として品種改良を開始しました。20年には同大学の育成品種として農林水産省に品種登録の申請を行い、23年7月に「スサノオ」の名称で登録されました。太めのひげ根が広がる外観が出雲地域の神話「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」を連想させることや、「オロシ(チ)」で食べると強烈な辛みがあることから、「出雲おろち大根」のブランド名で普及しています。
 

「出雲おろち大根」の特徴

 見た目の形状と刺激的な辛みが特徴の「出雲おろち大根」ですが、栽培上の特徴としては、葉が地面に貼りつくように広がって生育するため、株間(かぶま)は通常の青首大根より広めにとる必要があります。また、ひげ根が張るため、収穫時にはスコップなどを用いて掘り起こさなければならず手間がかかります。9月上旬から中旬に播種(はしゅ)を行い、11月下旬から2月下旬まで収穫が可能です。
 地域の方々の要望を受け、大学の農場で生産した種子の販売を平成20年より開始しました。今のところ、種子の販売は山陰地域の生産者に限定し、現在の登録生産者数は約20名、作付面積は延べ約1haで栽培され、地元の料理店をはじめ県外の料理店や高級スーパーへ出荷されています。
 

だいこん

産地から一言 おすすめの食べ方

すき鍋

 なんといっても、独特の風味と強い辛みが魅力です。これは大根をすりおろしたときにできるイソチオシアネートという辛味成分によるもので、基となる成分は皮に多く含まれているため、よく洗って皮ごとおろすと辛みを存分に楽しめます。そばや肉、魚料理の薬味に最適なほか、ひげ根は天ぷらにするのがおすすめです。
 また、出雲おろち大根をピーラーで薄くスライスし、牛肉と一緒にすき鍋にさっとくぐらせれば、お肉に合わせてシャキシャキとした食感が楽しめます。
 
お問い合わせ先:島根大学生物資源科学部農林生産学科(TEL:0852-32-6506)
写真提供:島根大学生物資源科学部

 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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