消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 広報誌 > 【第一線から】夢はでっかく根は深く!「たいよう農園は、『国を耕す会社です』」〜愛媛県大洲(おおず)市 たいよう農園〜

【第一線から】夢はでっかく根は深く!「たいよう農園は、『国を耕す会社です』」〜愛媛県大洲(おおず)市 たいよう農園〜

印刷ページ

最終更新日:2019年1月9日

地図

たいよう農園のあゆみ

地図
地図

 農事組合法人たいよう農園は、愛媛県内で野菜生産が盛んな県南部の南予(なんよ)地方の大洲市で平成18年に創業し、5年後の農事組合法人への改組を機に、経営の安定に向け、加工・業務用キャベツの栽培に特化しました。
 その後、経営規模の拡大に伴い、生産現場での機械化、冷蔵保管施設の導入、自前での配送体制の確立などに取り組み、平成
25年には野菜加工場を有する企業を買収しカット野菜事業に参入しました。現在ではキャベツやたまねぎなどの生産から加工、物流、販売までの一貫出荷体制を実現しています。

 

たいよう農園の特徴

1線1-4

トリミング

 同法人の経営の特長として、経営資源の集中による大規模化と、耕畜連携と6次産業化を融合させたビジネスモデルが挙げられ、ここに事業発展の基盤を見ることができます。
 

◯ 大規模化(農地集約と大型機械の導入)

 同法人は、農地中間管理機構の制度(※1)などを活用して借地での農地拡大を進め、平成30年度時点ではキャベツ約150ha、たまねぎ約50haを従業員93名で生産する大規模法人として事業展開しています。
 このような大規模生産の場では、より高い作業効率が求められますが、同法人では大型農業機械の導入によってそれを実現し、さらに作業の平準化や均一化により、品質の向上や均質化、農薬利用の軽減などの効果を上げています。最近では、大型収穫機の導入のほか、選別・自動梱包ラインの設置、乾燥棟建設など、野菜栽培・加工関連施設や設備の拡充も進め、契約履行の確実性や多様なニーズへの受容体制の確保など、実需者からの信頼向上と交渉力の強化に努めています。

(※1 )耕作できない農地を借り受け、担い手農家に貸し付ける国の制度

 

◯ 耕畜連携と6次産業化(養豚農場経営とホテル・外食事業への参入)

 同法人は代表理事の本田和也さんの家業であった養豚農場と共に、平成27年にホテル・外食事業を行うグループ会社を立ち上げました。これは、自社の野菜や豚肉の活用のほか消費者の評価に直接的かつ日常的に触れることが目的で、事業の多角化による相乗効果を目指しています。
 また、養豚農場で生産した栄養価の高い堆肥(たいひ)を活用して作物の育成に優れた土づくりを行う耕畜連携や、野菜加工場での野菜くずを堆肥の原料に利用するといった循環型農業も相乗効果の一例です。機構ではこうした土壌改良などの作柄安定のための取組を支援(※2)しています。


 

(※2 )加工・業務用野菜生産基盤強化推進事業。
詳細は 
https://www.alic.go.jp/y-josei/yajukyu03_000097.html をご覧ください。

さらなる飛躍に向けた新たな取組み

1線1-6

 今後さらなる飛躍に向けてソフト面を強化することとしており、人材育成を重点化のひとつに挙げ、新卒者を積極的に採用するとともに、農業女子プロジェクト(※3)を立上げ、将来の担い手育成・確保に努めています。
(※3 )農業に従事する女性の可能性を世界に発信することを目的に同法人で平成29
年に発足。女性リーダーのもと、大規模ビニールハウス(約1・2ha)での育苗をはじめ幅広く活躍しています。

 今後は機構事業の活用などにより加工・業務用野菜の生産基盤の強化を図り、実需者からの要望の強い供給の安定化を一層推し進めるとともに、事業拡大に向け、農業土木・建築工事分野にも参入するなど、メガファーム経営の実践を通じて、同法人の「農業の未来を創る事」という目標に向かって日々まい進していくとのことです。

(野菜需給部)

前のページ         次のページ
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196