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フィリピンの食肉需給状況

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最終更新日:2015年5月13日

調査情報部 中島 祥雄

はじめに

フィリピンの畜産物の消費は、高い経済成長と人口の増加により、増加傾向にあります。その消費の大部分は、豚肉と鶏肉が占めており、牛肉の消費は1人当たり年間3kgと日本の1人当たり供給量の半分程度(注)しかありません。
しかし、ASEAN諸国の中でもフィリピンは、歴史的な背景から米国の影響を強く受けており、ファストフードなど外食を通じて牛肉を消費する素地が形成されています。

(注)牛肉の1 人1 年当たり供給数量6.0kg(農林水産省「食料需給表」平成25 年度概算)。

1 食肉の消費状況

フィリピンの食料品消費の特徴として、コメの消費が圧倒的に多く、副食もコメとの相性の良い汁
気のあるものが好まれる点が挙げられます。
また、食肉は油で調理したものが好まれ、最近、都市部では日本風のとんかつブームが到来しています。
豚肉は、お祝いの席では欠かせないレチョン(豚の丸焼)やスープなどの煮込み料理、鶏肉は、豚肉同様に丸焼やフライドチキン(写真1)、牛肉は、ステーキや煮込み料理で、幅広く消費されています(写真2)。

フィリピン農業統計局(BAS)によると、食肉の1人当たり年間消費量は堅調に増加し、2013年には
30.4kg(豚肉14.9kg、家禽肉11.9kg、牛肉3.2kg)となっています。
豚肉の消費が最も多く、近年、家禽肉、とりわけ鶏肉消費の伸びが著しくなっています(図1)。
これは、最近、都市部以外でもファストフード店が出店攻勢を強めており、外食を通じて鶏肉が消費される機会が増えてきたためです。
また、国民の多数が肉食を好むにもかかわらず、牛肉の1人当たり消費が少ないのは牛肉の小売価格が1kg当たり240ペソ(約680円)と、豚肉の同190ペソ(約540円)や鶏肉の同140ペソ(約400円)と比べて高価なためです。

写真1 地場ファストフード最大手の「ご飯とフライドチキン」のセットメニュー
写真1 地場ファストフード最大手の「ご飯とフライドチキン」のセットメニュー

写真2 「ご飯と牛肉炒め料理」のセットメニュー
写真2 「ご飯と牛肉炒め料理」のセットメニュー

図1 1人当たり年間食肉消費量の推移

2 食肉の国内供給状況

国内で流通する豚肉や鶏肉は、国内の供給で需要の大半を賄うことがほぼ出来ており、消費量の90%程度が国産となっています(図2、図3)。
一方、国内で流通する牛肉は、国産が67%、輸入が33%となっています。
これは、国産よりも安い加工用牛肉の輸入や、国産では賄えない富裕層を対象とした高品質牛肉の需要などがあるからです。

なお、フィリピンでは、農耕用として多くの水牛が飼養されており、国内牛肉推定出回量の約2割が水牛肉ですが、流通や販売に際して、基本的に牛肉と区別されずに消費されています(図4)。

図2 豚肉供給量(部分肉ベース)の内訳(2014年)

図3 鶏肉供給量(可食処理ベース)の内訳(2014年)

図4 牛肉供給量(部分肉部ーズ)の内訳(2014年)

3 食肉の輸入状況

豚肉の主な輸入先は、ドイツ、フランスなどです。
また、鶏肉の主な輸入先は、ブラジル、米国などです。これらの輸入豚肉や輸入鶏肉は、国内産と同等に流通、消費されており、消費形態に差は見られません。

一方、牛肉の主な輸入先はインド、豪州、ブラジル、米国などで、それぞれの価格帯によって消費形態も異なります。
豪州産、米国産のロイン系など高級部位は、富裕層を中心にステーキなどで消費されています。
また、米国産、豪州産はファストフードなど外食産業向けの需要も多く、主に中間所得層以上が消費層となります。
ブラジル産は、中間所得層向けのステーキ、部位によってはスープなどの煮込み料理として消費されています。
一方、インド産は水牛肉主体で、低所得層向けのコンビーフとしての消費が大半を占めています。
これは価格帯が最も低く、保存も可能なためです。

おわりに

フィリピンは、経済成長とともに、畜産物、特に豚肉や鶏肉の消費が増加しています。
今後、食生活が豊かになるにつれ、国内の増える需要を賄うために輸入量が増加していくと見られます。

一方、牛肉の消費は潜在的な需要は高いものの価格が高いことから富裕層が中心とされており、消費の拡大には更なる経済発展が求められ、一定の時間を要すると見られます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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