ALIC/海外トピックス

海外トピックス(WTO/FTA・貿易・安全・その他)

平成18年(2006年)分


◎ 韓−米FTA第5次交渉(衛生植物検疫措置分野)延期
 【国際情報審査役 平成18年12月22日発】
◎ 韓−米FTA第5次交渉結果
 〜農業分野の交渉はセンシティブ品目の取扱いを中心に議論〜
 【国際情報審査役 平成18年12月15日発】
◎ 韓−カナダFTA 8次交渉結果(農業分野)
 【国際情報審査役 平成18年11月30日発】
◎ 第一次韓−ASEAN関税及び原産地表示運営委員会
 【国際情報審査役 平成18年11月16日発】
◎ 韓−ASEAN FTA第15次交渉結果(農業分野)
 −貿易の技術的障害及び衛生植物検疫(TBT/SPS)小委員会運営指針に暫定合意−
 【国際情報審査役 平成18年11月13日発】
◎ 韓−米FTA第4次農業及び衛生植物検疫措置(SPS)交渉結果
 【国際情報審査役 平成18年11月7日発】
◎ 韓国−インドCEPA第4次交渉開催結果 (農業分野)
 【国際情報審査役 平成18年10月24日発】
◎ 韓国−インドCEPA第4次交渉開催 (農業分野)
 −関税引き下げ方式および範囲などの議論を予定−
 【国際情報審査役 平成18年10月11日発】
◎ 韓−カナダFTA 7次交渉結果 (農業分野)
 【国際情報審査役 平成18年10月5日発】
◎ 韓国−インドCEPA第3次交渉結果(農業分野)
 【国際情報審査役 平成18年7月31日発】
◎ 韓−米FTA第2次農業及びSPS交渉結果
 【国際情報審査役 平成18年7月25日発】
◎ 第3次韓国−インドCEPA交渉
 【国際情報審査役 平成18年7月19日発】
◎ ロシアのWTO加盟対米交渉、10月末の合意目指す
 【国際情報審査役 平成18年7月18日発】
◎ ロシア、米国とのWTO加盟交渉合意か
 【国際情報審査役 平成18年7月14日発】
◎ 韓−米FTA 2次交渉開催
 【国際情報審査役 平成18年7月12日発】
◎ 第6次韓−カナダFTA交渉結果
 【国際情報審査役 平成18年7月7日発】
◎ 中華人民共和国農産物品質安全法、本年11月1日施行
 【国際情報審査役 平成18年5月18日発】
◎ 韓・チリFTA発効後2年の評価
 −チリ産農産物輸入が大きく増加−
 【国際情報審査役 平成18年4月3日発】


韓−米FTA第5次交渉(衛生植物検疫措置分野)延期 【国際情報審査役 平成18年12月22日発】  韓国農林部の発表によれば、12月19日から20日にワシントンで開催される予定だった韓−米FTA第5次交渉− 衛生植物検疫措置(SPS)に係る交渉は、交渉議案の合意を得ることができず延期となった。  韓米両国は、当初、衛生植物検疫措置(SPS)に係る交渉を、12月4〜8日に開催された第5次交渉とは別に、 12月19、20日にワシントンで別途開催する予定であった。  しかし、米国側が両国間懸案事項(米国産牛肉輸入など)も共に議論することを要求したことに対し、韓国側が、 懸案の問題はFTA交渉の枠組みの中で扱うことができないとしたため、交渉議案の合意ができず延期となった。  韓国側は、今後もSPS分野は両国専門家たちを中心に、別チャンネルを通じて扱われるべきで、韓−米FTA 交渉本体と分離しなければならないという原則を堅持するとしており、SPS交渉を2007年1月開催する案で、 米国側と協議する予定である。 上へ

韓−カナダFTA 8次交渉結果(農業分野)  〜農業分野の交渉はセンシティブ品目の取扱いを中心に議論〜 【国際情報審査役 平成18年12月15日発】 韓国農林部によれば、12月4日〜8日、米国で韓−米FTA第5次交渉が開催された。  農業分野の交渉は、これまで具体的に議論が形成されていないセンシティブ品目の譲歩案を中心に議論がなされた。  韓国は、これまで品目別団体との協議を通じて把握した未定(Undefined)品目のセンシティブ性を説明し、一方、 米国は、センシティブ品目に関して柔軟な立場を見せてこそ交渉が進展することを強調した。  今回の交渉では、韓国のセンシティブ品目と米国の関心品目に関する活発な意見交換を通じて、相互関心事項に ついて理解を高めたが、品目別譲歩に関する結論を導き出すことはなかった。両国は、相互に相当な隔たりがあること を確認したが、交渉妥結のためには両国の立場の隔たりが大きい部分に関して、お互いの関心事項を適切に反映できる 案を模索する必要があるという結論に達した。  農産物セーフガード、関税割当(TRQ)などについても意見を交換したが、品目別譲歩案に対する双方の隔たりが埋 まらず、争点別に両国の立場を再確認することにとどまった。  韓国政府は、全般的な韓−米FTA交渉の進行状況を考慮し、今後の交渉戦略を具体的に練る計画で、特に第6次交渉 に備え、センシティブ品目の譲歩案をより具体化する考えである。韓国政府は、今後も交渉過程に対する理解を高めるた め、品目別団体など農業界に交渉の進捗状況を詳細に伝え、交渉戦略を練るために各界専門家及び農業界の積極的参加を 求める計画である。  第6次交渉は、2007年1月15日に韓国で開催される予定である。 上へ

韓−カナダFTA 8次交渉結果(農業分野) 【国際情報審査役 平成18年11月30日発】 韓国農林部によれば、11月20日から23日、韓国ソウルにおいて第8次韓−カナダFTA交渉が行われ、農産物譲歩と関連 して、カナダの関心品目と実行関税10%以下の加工食料品について協議が行われた。    カナダは、唯一FTA交渉を支持している畜産業界の利益を反映しなければならない立場にあるため、韓国の牛肉・豚肉 など畜産物の譲歩の拡大は欠かせないという点を説明。  一方、韓国は、カナダの関心品目の譲歩を除いた背景には、韓牛協会と養豚協会など農民団体の深刻な反対があること、 農産物の政治的センシティブ性及び家族経営農家が多数占めるなかで、譲歩拡大は難しい立場にあること。さらに、韓国に おける農産物のセンシティブ性に対する適切な配慮がないならば現在の水準での譲歩拡大も難しいという立場を説明した。  農林部は、両国間における具体的な譲歩案に隔たりがあり、今後交渉でどの程度歩み寄れるかが交渉進展のカギになる、 としている。  第9次韓−カナダFTAは、2007年1月29日から4日ないし5日間、カナダで開催される予定である。 上へ

第一次韓−ASEAN関税及び原産地表示運営委員会 【国際情報審査役 平成18年11月16日発】 韓国農林部によれば、第一次韓・ASEAN関税及び原産地表示運営委員会が11月7〜8日、インドネシア・ジャカルタで 開催された。  両国は2007 関税率表改正に伴う韓-ASEAN FTA税率の譲歩及び品目別原産地基準の調整と物品貿易協定の細部事項 について協議を進めており、今回の会議では主に韓−アセアンFTAの円滑な運営に必要な懸案事項に関して協議がなされた。  農林部は、関税率表の改正に伴う混乱を防止し、既存関税及び原産地表示が最大限維持されることを主張した。  2007年1月末にミャンマーにおいて第16次韓−ASEAN FTA交渉が開催され、この交渉日の前後に第2次運営委員会が 開催される予定である。  なお、韓−ASEAN物品協定文は、去る8月の両国経済長官会議で署名されたが、国会の批准手続きが残っている。 上へ

韓−ASEAN FTA第15次交渉結果(農業分野) −貿易の技術的障害及び衛生植物検疫(TBT/SPS)小委員会運営指針に暫定合意− 【国際情報審査役 平成18年11月13日発】 第15次韓・ASEAN FTA交渉が10月31日〜11月3日、ブルネイで開催された。 韓国農林部によれば、今回の交渉では、物品の貿易に関する協定文で設置することになっている 「貿易の技術的障害及び衛生植物検疫小委員会(TBT/SPS Sub-Committee)」の運営指針につい て協議された。 韓・ASEAN双方は、「貿易の技術的障害及び衛生植物検疫小委員会」の構成員を関連機関のみ に制限する一方、小委員会が、関連制度に関する懸案事項、協力事業などを議論することに暫定合意 した。 小委員会では、食品安全性確保と悪性病害虫の流入を防止することを重点に協議することになっている。 上へ

韓−米FTA第4次農業及び衛生植物検疫措置(SPS)交渉結果 【国際情報審査役 平成18年11月7日発】 韓国農林部の発表によれば、10月23日から10月27日に韓国済州道で韓−米FTA第4次交渉が行 われ、農業及び衛生植物検疫措置(SPS)分野交渉の他にも原産地、サービス、知的財産権分野な ど農業関連の懸案事項が議論された。 以下は、韓国農林部の発表による交渉結果の概要である。 1 農業分野交渉結果の概要 第3次交渉に続き農産物譲歩案作成のための品目別議論が行われた。 今回は、第3次交渉で議論されなかった畜産物、園芸作物(果物、野菜、堅果類)を中心に議論さ れ、この中で、センシティブ性が小さい品目は、相当部分で意見の集約がなされた模様であるが、 センシティブ性が大きい品目の具体的処理については次期の会議で議論されることとなった。 今回の交渉において、米国は、韓国の譲歩案のうち、自国関心品目に対する譲歩要求案(Request List)を提示し、去る8月15日に交換した1次譲歩案の一部改善内容を盛り込んだ米国の修正譲歩 案を提示した。 また、韓国も、農業交渉最終日の10月25日に、これまでの品目別議論結果を土台に作成した修正 譲歩案を米国に提示し、合わせて韓国側の輸出関心品目を中心に作成した対米譲歩改善要求案も提 出した。 米国は、センシティブ品目範囲を最小化すること、韓国側が相変らず例外的取扱(Undefined)の範 疇で分類している品目の譲歩案を具体化することを韓国に要求し、これに対し韓国は、今まで他の 国々と締結したFTAでセンシティブ品目を相当部分譲歩対象から除外したことを述べ、両国の立 場が相反する部分に対しては互いに妥協点を模索していくべきだとして、議論がなされた。 今回の第4次交渉では、農業分野の協定文に対しても詳細な議論がなされ、一部の争点に対する 両国の立場を協議し、立場が相反した部分は両国の立場を併記した統合協定文を作成し、特に、こ れまで韓国が継続的に主張している農産物セーフガード導入を確定し、これを統合協定文に反映し たことは今回の交渉の成果であるとしている。 【農産物セーフガード】 両国は、韓国が去る10月3日に提示した文案を土台に議論した農産物関税譲歩にともなう最小限 の安全装置として、農産物セーフガードが必ず必要だという韓国の主張を米が結局受け入れ、制度 導入自体については合意した。農産物セーフガードの発動基準など細部事項は、セーフガード対象 品目とともに後日決めることとなった。 ただし、農産物セーフガード措置の存続期間に対しては、両国の立場が対立しており、米側は大 部分のFTAで規定しているように、関税撤廃がなされた後にはセーフガードの適用が終了しなけ ればならないと主張しており、統合協定案では同内容をひとまず括弧の中に入れて記載された。 また、両国の意見対立が大きかった輸入割当(TRQ)管理に関しては、輸入割当管理の一般原 則及び透明性関連事項に対して、相互の立場を協議して記載し、両国の立場が相反した内容は括弧 の中に入れて記載された。 2 衛生植物検疫措置(SPS)分野交渉結果の概要 衛生植物検疫措置(SPS)分野は、透明性の規定及び協議チャンネル問題に対する相互の立場を 確認することで今回の交渉を終えた。次期交渉では、相互に代案を提示し、合意を模索することに している。 また、両国は、衛生及び検疫関連懸案事項に対する分野別技術的協議を、FTA交渉とは別に進 めなければならないという点を再確認している。 3 韓国農林部の今後の計画 韓国政府は、第5次交渉に備え、農産物譲歩案の追加改善を検討する計画である。 今回の交渉までで、すべての農産物に対して品目別に一次的な意見交換を終えたことから、第5 次交渉からは交渉内容がより具体的になると同時に進行速度が速くなる可能性があり、これに対し ても備えていく。 特に、例外的取り扱い(Undefined)に分類されたセンシティブ品目に関しては、品目別にセンシテ ィブ性により譲歩対象除外、農産物セーフガード及び輸入割当設定、長期にわたる関税撤廃期間の 設定など、多様な方案を総合的に考慮して具体的な譲歩案を準備し対応する計画であるとしている。 農業分野統合協定文との関連では、農産物特別セーフガード対象品目及び発動基準を具体的に定 め、輸入割当(TRQ)管理方案は輸入割当対象品目の決定と連携して検討する。 衛生植物検疫措置分野では、協議チャンネルなど協定文上の核心の争点に関する韓国の論理を補 強し、実利的代案を準備する一方、代案別に必要な事項を綿密に準備する。 さらに農林部は、交渉過程の透明性を維持するため、品目別団体など農業界に交渉の進行状況を 詳細に伝達し、センシティブ品目交渉の戦略作成過程に各界専門家および農業界の積極的参加を促 す計画としている。 第5次交渉は12月初め米国で開催され、具体的な日程と場所は今後決定される。 上へ

韓国−インドCEPA第4次交渉開催結果 (農業分野) 【国際情報審査役 平成18年10月24日発】 韓国農林部によれば、インドとの包括的経済連携協定(※CEPA)締結のため、第4次韓・インドCEPA 交渉が10月10日から13日までソウルで開催され、商品譲歩日程と協定文案に関する協議が行われた。    両国は、来年1月インド開催で暫定合意した第5次交渉において商品譲歩案を相互交換することに合意した。 これに伴い農林部は、関係団体などとの協議を経て、譲歩案を準備する計画であり、センシティブ品目の選定に より韓国農業に及ぼす影響を最小化する予定である。  また、原産地規則と関連し、両国は生鮮農産物について、自国で生産され収穫されたものに限定して原産地と 認めることに合意した。    韓・インドCEPA交渉は、2007年末までに妥結する予定である。 ※ CEPA(Comprehensive Economic Partnership Agreement、包括的経済連携協定)は、 商品交易、サービス交易、投資、経済・技術協力など経済関係全般を包括するもの。 上へ

韓国−インドCEPA第4次交渉開催 (農業分野)  −関税引き下げ方式および範囲などの議論を予定− 【国際情報審査役 平成18年10月11日発】 韓国農林部によれば、韓国とインドとの包括的経済連携協定(CEPA)締結のため、第4次交渉が10月10 日〜13日まで4日間ソウルで開催される。  今回の交渉で両国は、協定文案と商品の関税引き下げ方式および範囲などに対して意見を交換する予定と なっている。  ※ CEPA(Comprehensive Economic Partnership Agreement、包括的経済連携協定)は、商品交易、 サービス交易、投資、経済・技術協力など経済関係全般を包括する内容を強調するために使われる用語とし て自由貿易協定(FTA)と同じ性格  農林部関係者によれば、韓−インド両国はセンシティブな分野に関しては譲歩・除外など保護を行うべき だという考えで一致しており、また、インドは農業をセンシティブな分野と見なしており、両国のFTA協 定が韓国農業に及ぼす影響は大きくないと予測しているが、一方でインドはコメ輸出国であり、近年、農産 物輸出に大いなる関心を見せていることから、韓国農業に及ぼす影響を最小化するよう対応する、としてい る。    韓−インドCEPA交渉は、2006年3月に第一次交渉を開始したが、2007年末の妥結を目標にしている。 <参考> 韓国-インドCEPA推進経過  (PDF) 上へ

韓−カナダFTA 7次交渉結果 (農業分野) 【国際情報審査役 平成18年10月5日発】 韓国農林部によれば、9月25〜28日、カナダ・オタワ市において第7次韓−カナダFTA交渉が行われた。  今回の交渉で両国は、相互関心品目を反映した第2次譲歩案を交換し交渉を行った。  韓国の農産物譲歩案では、交渉の核心として第1次譲歩案と同じく牛肉、豚肉など畜産物をはじめとす るセンシティブ品目を現行関税維持で提示した。  ※ 2次譲歩案譲歩率(農産物) ⇒ 品目数:83.3%、輸入額:62.6%  カナダは、コメ、高麗人参、きのこ、唐辛子、酪農品など韓国の一部センシティブ品目に対する例外を 認めながら、牛肉、豚肉など食肉、大豆、菜種油、飼料用エンドウ、麦、蜜、メープルシロップに対する 譲歩改善を強く要求した。  一方、韓国は、繊維及び工産品に対する追加譲歩を要求した。  両国は、この程交換した譲歩案を土台に8次交渉(11月の第4週、ソウル)で詳細に関税譲歩案に関して、 さらに議論することに合意した。  併せて、譲歩案の議論の進展のために、農業をはじめとする3つの小分科会を設置することに合意した。 上へ

韓国−インドCEPA第3次交渉結果(農業分野) 【国際情報審査役 平成18年7月31日発】 本年7月18日〜21日、第3次韓−インドCEPA(※)交渉がインドの首都デリーで開催された。    両国は、今回の交渉で協定文草案とモダリティ(modality)案について議論を行った。  両国は、生鮮農産物に関して自国で生産・収穫されたものに限り原産地として認め、家畜のと畜は 原産地認定から除外することで合意した。  モダリティ(modality)案に関しては、インド側の内部協議の必要性から次期会議で本格議論される こととなった。  衛生植物検疫措置(SPS)では、インドから交渉開始時に協定文案を提示され、交渉で最初に議 論が開始された分野であることから、両国は次期交渉で詳細な意見交換を行う予定である。  CEPA交渉は、今年中に2回開催される予定で、第4次交渉は9月又は10月の開催が合意されて おり、ソウルで開催される予定である。  ※:CEPA(Comprehensive Economic Partnership Agreement)    包括的経済連携協定は、自由貿易協定(FTA)の一種として商品貿易、サービス貿易、投資、    経済・技術協力など経済関係全般を包括する。 上へ

韓−米FTA第2次農業及びSPS交渉結果 【国際情報審査役 平成18年7月25日発】 韓国農林部は、7月10日〜14日にソウルで開催された韓−米FTA第2次交渉の結果概要を公表した。    今回は、農業分野とSPS(衛生植物検疫措置) 分野の交渉を行うとともに、この他にも原産地規則、 商品、サービスなど農業関連の懸案が議論される分野について交渉が行われた。   第3次交渉は、9月4日から米国で開催されるが、具体的な日程と場所は今後決定される。 【農業分野に係る主要結果】  農業分野では、特別セーフガード(SSG)、関税割当(TRQ)制度、輸入賦課金(mark-up)及び農産 物における譲歩案の基本骨格について議論が行われ、韓国側は、SSG、TRQ及び mark-upと関連 した国内制度を、米国側は、自国の複雑な関税体系を中心に、多国間及びFTAでの輸入割当管理及 び農産物特別セーフガード運営の現況について説明がなされた。  当初、両国は第2次交渉で品目別譲歩案を交換する予定であったが、結局、譲歩案を交換できなか ったため、譲歩案の基本骨格に関して議論が行われた。  この基本骨格関連議論では、基準税率、譲歩内容などを協議したが関税撤廃までの期間などで立場 の違いが確認され、基準税率では、現在適用している最恵国待遇(MFN)税率を適用することに合意 したものの、具体的な適用関税及び関税割当の適用有無に関しては立場の違いが確認されるにとどま った。  また、関税撤廃までの期間に関しては、韓国側は5つの譲歩案※を提示し、(農産物は、)工業製 品に比べ相対的に長い履行期間が必要だと主張したが、米国側は履行期間を長期間とする案に否定的 な立場を見せ、各譲歩案に係る具体的な期間設定については合意にいたらなかった。  ※ 関税即時撤廃、短期撤廃、中期撤廃、長期撤廃及び例外的取り扱い。  両国は、各々の立場により譲歩案を作成し、8月中に譲歩案を交換する予定である。  協定文に関しては、SSG、TRQなどの争点に対する相違をさらに狭める必要があるというのに 見解を共有したが、今回の交渉では協定文にはいたらなかった。 【SPS分野に係る主要結果】  衛生植物検疫措置(SPS)分野では、第1次交渉に続き両国の検疫関連制度に関する説明と意見交 換が行われた。  今回は、植物、動物、食品分野担当検疫機関ごとの検疫手続きに関する質疑応答を通じ、相手国の 検疫関連規定がWTO協定に合致するか否か、手続の透明性が集中的に討議され、SPS協定文に関 連する主要争点に関しては、両側の基本的な立場を確認し、両国の立場の違いを併記する方式で作成 された。 上へ

第3次韓国−インドCEPA交渉 【国際情報審査役 平成18年7月19日発】 韓国農林部は、2006年7月18日(火)〜21日(金) の4日間、インドデリーで開催される第3次 韓国−インドCEPA交渉に出席する。    今回の交渉で両国は、協定文案と商品の関税引き下げの方式及び関税引き下げの範囲などに関し て協議する予定である。  ※ CEPA(Comprehensive Economic Partnership Agreement:包括的経済連帯協定)は、自由    貿易協定(FTA)の一種として商品貿易、サービス貿易、投資、経済・技術協力など経済関    係全般を包括する。 ≪参考≫  韓国−インドCEPA推進経過 1 2004年5月 対外経済長官会議でインドを短期FTA推進対象国とした。 2 2004年10月 ニューデリーで開催された両国首脳会談で、政府・学界・財界関係者で構成され   た共同研究グループ(JSG)の設置に合意   ・任務:商品及びサービス貿易、投資、その他経済協力関連分野を含んだ包括的経済連帯協定    (CEPA)の妥当性をはじめとする両国間経済的協力関係を包括的に検討、経済協力をより    緊密化するための具体的方策を提示 3 2005年1月(ニューデリー)、5月(ソウル)、8月(ニューデリー) における3回のJSG会議   開催   ・商品及びサービス貿易、投資、両国間経済協力など分野別議論を行い、研究報告書草案及び    CEPA締結妥当性検討した。 4 2005年12月 『FTA締結手続き規定』にともなう公聴会を開催   ・ 韓国−インドCEPA推進の必要性に対する強い合意が形成された。 5 2006年1月6日 第4次共同研究グループ会議で最終報告書を採択。 6 2006年1月26日 対外経済長官会議でCEPA交渉開始を決定。 7 2006年2月7日 インド大統領国賓訪問時“韓国-インドCEPA推進Joint Task Force開始の   閣僚共同声明”署名 8 2006年3月23日−24日 韓国-インドCEPA第1次交渉開催(ニューデリー)   ・交渉運営規則(Terms of Reference)制定、交渉文と構成、協定文・譲歩案の交換時期、今後の    交渉日程など合意 9 2006年5月10日−12日 韓国−インドCEPA第2次交渉開催(ソウル)   ・商品自由化の方式及び程度、非関税障壁解消、原産地規定、サービス及び投資自由化のための    基本原則など両国の関心事項を韓国側が準備した協定文草案を中心に議論 上へ

ロシアのWTO加盟対米交渉、10月末の合意目指す 【国際情報審査役 平成18年7月18日発】 ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に向けた最大の関門といわれる対米交渉は、懸案だ った金融サービスや海賊版商品の摘発強化などの部分で一定の進展が見られたものの、農産 物の市場開放や知的財産権保護をめぐり、今回も合意に至らなかった。7月15日の米露首脳 会談後の記者会見で、米国のブッシュ大統領は「議会が承認可能な合意を希望する。」と発 言、また、ロシアのプーチン大統領も「我々の国益に沿った交渉を継続する。」と強調した。    今回、米露二国間交渉は妥結に至らなかったものの、シュワブ米通商代表は、2〜3ヵ月 程度で合意できるとの見通しを明らかにしており、10月末までの合意を目指して交渉が断続 的に行われるものとみられる。 上へ

ロシア、米国とのWTO加盟交渉合意か 【国際情報審査役 平成18年7月14日発】 7月13日の現地報道によると、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に関する米国との交 渉について、ロシアのクドリン財務相は、両国が合意に達したと発言した。15日から、ロシ アの旧都サンクトペテルブルクで、同国では初めての主要国首脳会議(サンクトペテルブル ク・サミット)が開催されるが、14日か15日に米国のブッシュ大統領とロシアのプーチン大 統領が会う際、ロシアのWTO加盟に関する協定書に調印する予定とされる。  ロシアは94年にWTO加盟を申請し、関係各国との加盟交渉を進めてきたところであるが、 農産物や航空機、自動車などの貿易をめぐって米国との交渉が難航、さらに最近は、ロシア における海賊版の横行など知的所有権の問題を理由に、米国が反対姿勢を取っていた。  ロシアのWTO加盟に向けては、米国との交渉合意が最重要課題とされていただけに、ク ドリン財務相の発言が正しいとすれば、その最大のハードルを乗り越えたこととなり、ロシ アが目指す年内加盟に弾みがつくことが予想される。 上へ

韓−米FTA 2次交渉開催 【国際情報審査役 平成18年7月12日発】 1 韓国農林部は、7月10日〜14日、新羅ホテルで開催される韓・米FTA 2次交渉に国際  農業局長をはじめとする10人余りの交渉団を派遣した。   農林部代表団は、農業分野とSPS(衛生植物検疫措置)の交渉を総括し、この他にも原産  地規則分野(製品の原産国を決める規則分野)、商品分野、サービス分野など農業関連の懸  案が議論される交渉に参加する。 2 今回の2次交渉では、1次交渉での協議結果を土台に協定文に関する交渉を継続し、両国  が作成した譲歩案を相互交換する予定である。 上へ

第6次韓−カナダFTA交渉結果 【国際情報審査役 平成18年7月7日発】 農林部は、本年6月26日(月)〜29日(木)にソウルの外交安保研究院で開催された第6次 韓−カナダFTA交渉結果を公表した。    両国は、さる第5次交渉(4月20日〜24日、オタワ)で関税引き下げに係る計画書を交換し たが、今回は、先に交換した関税引き下げ計画書を土台に作成した追加関税撤廃対象品目リ ストを交換し、これを中心に議論が行われた。    カナダ側は、牛肉、豚肉など農産物、水産物及び一部工産品を、韓国側は、工産品及び繊 維類を追加関税撤廃対象品目として提示した。    議論の結果、両国は、第7次交渉(9月26日〜29日、オタワ)で相手国追加譲歩要求品目を 反映させた第2回目の関税引き下げに係る計画書を交換することに合意した。 上へ

中華人民共和国農産物品質安全法、本年11月1日施行 【国際情報審査役 平成18年5月18日発】 中国農業部は、2006年4月30日付けで、農産物の品質、安全の確保と海外農産物との競争力の 向上等を目的とした、「中華人民共和国農産物品質安全法」を農業部ホームページで公表した。    農業部ホームページ:http://www.agri.gov.cn/zcfg/nyfl/t20060430_604147.htm   ・「中華人民共和国農産物品質安全法」(PDF)(農畜産業振興機構仮訳) 上へ

韓・チリFTA発効後2年の評価  −チリ産農産物輸入が大きく増加− 【国際情報審査役 平成18年4月3日発】 韓国農林部によると、韓・チリFTAが発効(2004.4.1)して2年が経過したが、チリから の農産物輸入額は、韓・チリFTA発効前に比べ大きく増加したことが明らかになった。  2005年のチリ農産物輸入金額は125百万ドルと、韓・チリFTA発効前の2003年(52百万ドル) に比べ139%の増加となった。これは、同期間の農畜産物全体の輸入増加率(117.2%)に比べて も多い。  チリから輸入される主要農産物は、 豚肉、生鮮ぶどう、ワイン、キウイ の4品目であり、 これら4品目の輸入金額は120百万ドルと、チリ産農産物輸入金額の96.2%を占めている。  1 チリ産生鮮ぶどう輸入金額は、2003年の13.7百万ドルから2005年の19百万ドルと40.3%   増加し、チリ産の生鮮ぶどう全体の輸入金額に占める割合は、2003年の77%から2005年の   81%に増加した。  2 チリ産キウイ輸入金額は、2003年の 7.8百万ドルから2005年の 7.9百万ドルと351%の   大幅な増加となり、ニュージーランド産が輸入の主体となっている中で、チリ産の割合は   7.8%から15%へと2倍に増加した。  3 ワインの輸入は、 ワイン大衆化などの影響で全体的に輸入が増加する傾向だが、 特に   チリ産ワインは、2003年の3百万ドルから 2005年の11.9百万ドルと297%の大幅な増加と   なった。  4 チリ産豚肉輸入金額は、2003年の 30.5百万ドルから2005年の 80.9百万ドルと 167%の   大幅な増加となったが、これはBSEと鳥インフルエンザ発生などにともなう代替需要の   増加で、 韓国の豚肉需要が増加したことがその要因と見られる。  注:2005年の韓国の豚肉輸入金額は620百万ドルと2003年の196百万ドルに比べ 217%の大幅    な増加となった。  チリ産農産物の輸入は増加傾向にあり、これはFTAによる関税引き下げ効果がしだいに現 れているためと見られる。また、このような関税引き下げ効果は、韓・チリFTAにより農産 物の関税撤廃期間が長期 (桃、豚肉、甘柿など197品目は10年以内に関税を撤廃など)である ことを考慮すれば、履行期間が経過するほど大きくなると予想される。 上へ

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