ALIC/駐在員トピックス

海外駐在員トピックス

平成16年(2004年)8月分


◎ チリ産豚肉に対しカナダが輸入を解禁
  【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成16年8月24日発】
◎ 豪州とNZの食肉団体が食肉の品質に関する研究開発事業を共同実施
  【シドニー駐在員事務所 平成16年8月17日発】
◎ NZフォンテラ、売上高5.2%減少も、乳価は2セント上乗せ
  【シドニー駐在員事務所 平成16年8月17日発】
◎ バローゾ次期欧州委員長、次期欧州委員担当職を発表
  【ブリュッセル駐在員事務所 平成16年8月12日発】
◎ 欧州委、南アフリカ共和国からのダチョウ肉などの輸入を一時停止
  【ブリュッセル駐在員事務所 平成16年8月11日発】
◎ WTO交渉の枠組み合意について、メルコスル関係各国の反応
  【ブエノスアイレス駐在員事務所所 平成16年8月4日発】

◎ チリ産豚肉に対しカナダが輸入を解禁

【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成16年8月24日発】

 8月18日チリ農牧庁(SAG)は、カナダ食品検査庁(CFIA)が豚肉に係るチリの検査システムおよび輸
出証明書などを承認したことにより、輸出を開始するための衛生関係プロセスが完了したと発表した。
 これを受け養鶏養豚生産者協会は「カナダに2005年には2,000万ドル分の豚肉製品を輸出すると見込ま
れる」としている。
 ちなみに2003年においてチリは豚肉の全輸出量のうち5割(29,572トン)、全輸出額のうち6割
(9,306万ドル)を日本へ輸出し、第1位の貿易相手国となっている。

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◎ 豪州とNZの食肉団体が食肉の品質に関する研究開発事業を共同実施

【シドニー駐在員事務所  平成16年8月17日発】

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)とミート&ウール・ニュージーランドは7月27日、両団体が食肉
の品質に関する共同研究開発事業の覚書を締結したと発表した。
 この研究開発事業は、食肉の加工工程で食肉に電気的刺激を与えることや温度調節を行うことによって、
牛肉やラム肉の食味の改善を図ることを目的としている。併せて、副産物の回収率の増加や労働安全性と
衛生面の改善を通して、食肉加工業務の効率性を高めることも狙いとしている。
 両団体では、研究開発事業を共同で行うことによって、互いの知識や能力を結合することによる質の高
い研究成果が期待できるとともに、双方の研究開発コストの削減にもつながるとしている。共同開発事業
の費用1,300万豪ドル(10億4千万円;1豪ドル=80円)は両団体で平等に負担される。
 なお、ミートニュージーランドは7月1日付けをもって、羊毛業の振興活動を行ってきたシープコと合
併し、名称をミート&ウール・ニュージーランドに変更しているが、食肉部門に関する販売促進活動や研
究開発事業などの業務内容に変更はない。

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◎ NZフォンテラ、売上高5.2%減少も、乳価は2セント上乗せ

【シドニー駐在員事務所  平成16年8月17日発】

 ニュージーランドの大手乳業会社フォンテラは7月21日、2003/04年度の決算結果を発表した。これに
よると、一部地域での事業の縮小やNZドル高の影響により、売上高が前年度比5.2%減の118億3千万N
Zドル(8,281億円;1NZドル=70円)、税引き後の利益は前年度比94%減の1,600万NZドル
(1億1,200万円)と、減収減益だったことが明らかになった。
 ただし、支出面では、人員整理や負債の縮減などのコスト削減努力を行う一方、同年度の生産者への
支払い乳価を4.25NZドル(乳固形分ベース)(297.5円)と6月に改訂した乳価に2セント上乗せした。
生産者乳価を引き上げたことにいてフォンテラでは、「生産者が最大の利益を得るよう同社の責務を果た
した結果」と述べている。

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◎ バローゾ次期欧州委員長、次期欧州委員担当職を発表

【ブリュッセル駐在員事務所  平成16年8月12日発】

 ジョゼ・マヌエル・バローゾ次期欧州委員長は8月12日、EU加盟各国から次期欧州委員として指名さ
れている候補者に対するその担当職を発表した。
 これによると、農業および農村開発担当委員には、デンマークのマリアン・フィッシャー・ボエル女史
が指名された。ボエル女史は、前職がデンマーク食料農業漁業省の大臣であった。なお、今回から漁業は
別の委員の担当となりマルタのジョー・ボルグ氏(現欧州委員)がその担当に指名された。
 保健・消費者保護担当委員には、キプロスのマルコス・キプリアヌ氏が指名された。キプリアヌー氏は、
現在欧州委員である。
 通商担当委員には、イギリスのピーター・マンデルソン氏が指名された。マンデルソン氏の前職は、北
アイルランド担当大臣であった。
 また、副委員長は5名指名され、スウェーデンのマルゴット・ヴァルストレム女史(現環境担当委員)、
ドイツのグンター・フェアホイゲン氏(現EU拡大担当委員)、フランスのジャック・バロ氏(現地域
政策担当委員)、エストニアのシーム・カラス氏(現欧州委員)、イタリアのロッコ・ブッティリオネ氏
(前欧州問題担当大臣)が指名された。
 これまで欧州委員会は、30人の委員で構成されていたが、新たな委員会は、各加盟国からそれぞれ1名
ずつの25人となる。また、新委員会が、発足するのは11月1日であり、その前に欧州議会の承認が必要と
なっている。委員会の任期は5年である。

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◎ 欧州委、南アフリカ共和国からのダチョウ肉などの輸入を一時停止

【ブリュッセル駐在員事務所  平成16年8月11日発】

 欧州委員会は8月10日、南アフリカ共和国の東ケープ州の走鳥類(ダチョウ)農場で高病原性鳥インフ
ルエンザの発生が確認されたことから、同国全域からEUへの生きた走鳥類(ratite)、同種のふ卵、同種
の肉および肉製品ならびにペット用鳥の輸入を一時停止することを決定し、適用している。

 8月6日に同国で確認された高病原性鳥インフルエンザウイルスは、H5N2型であった。同国衛生当局は、
発生が確認されるとすぐに、生きた家きん、ハト、走鳥類およびこれらの種の肉、卵の同国全域からすべ
ての貿易相手国への輸出を一時停止するとともに、病気の発生の現状と対策に関する情報提供を行った。
欧州委員会は、これらの情報を受け、即座に加盟各国の衛生当局に連絡をしている。

 同国からEUへのダチョウ肉の輸入は少量であるが、欧州委員会は、防疫の観点から今回の措置を決定し
た。

 なお、今回の一時停止措置は、2005年1月1日までとしているが、同国での鳥インフエンザの状況を評価
しながら見直していくこととしている。

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◎ WTO交渉の枠組み合意について、メルコスル関係各国の反応

【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成16年8月4日発】

 7月31日付けの各国外務省プレスリリースは、今回のWTO交渉の枠組み合意を評価するものであった。

・アルゼンチン:「カンクーン閣僚会議において袋小路に入ったものを軌道に乗せるものである」と評価
       し、個別項目としては「@輸出に係る全ての補助(輸出信用、食料援助、輸出国家貿易企業を含み)
       に対して、 削減実行の約束が反映されたことA@に係る削減は、農業製品に適応されるルールと
       工業製品に適応されるルールの同等化を保証していることB生産に係る補助金の削減は実施初年度
       に20%削減することC(我ら途上国の)工業製品に係る市場アクセスについての交渉が、農業交渉
       と並行して(=農業交渉に影響されることなく)できたこと」などに対して評価できるとしている。
       ※( )部分は農牧水産食糧庁WTO交渉担当部からの聞き取りにより補足。

・ウルグアイ:「ドーハ・ラウンドの発展だけではなく、多国間貿易の重要性を再確認する」としつつ、
       「この結果に基づき、各セクターにおいてドーハ閣僚会議の目的を達成するためのもっと野心的な
       交渉を9月から開始することができる」としている。

・チリ:「世界貿易および加盟国の発展を推進する上で重要な役割を担うと認められ、多国間貿易を後押し
       する重大な決定である」と評価している。

※また個別事項についてはウルグアイ、チリともアルゼンチンと同様な評価をしている。なお、その他メル
 コスル関係国における外務省からの公式コメントは見あたらないところである。

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