ALIC/駐在員トピックス

海外駐在員トピックス

平成17年(2005年)9月分


◎  欧州委、2004/05年度生乳供給量を公表
  【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年9月30日発】
◎ FVO、イギリスのBSE対策調査報告書を発表
  【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年9月29日発】
◎ GM作物禁止に要する費用は35億豪ドル(豪州)
  【シドニー駐在員事務所 平成17年9月21日発】z
◎ MLA、米下院で豪州の個体識別制度を説明
  【シドニー駐在員事務所 平成17年9月21日発】
◎ 米国上院、日本産牛肉の輸入再開延期に関する法案を可決
  【ワシントン駐在員事務所 平成17年9月20日発】
◎ 2005年7月の牛肉輸出額、引き続き高水準を維持(豪州)
  【シドニー駐在員事務所 平成17年9月20日発】
◎ イギリス、30カ月齢以上の牛がフードチェーンへ
  【ブリュッセル駐在員事務所  平成17年9月16日発】
◎ メルコスル内に巨大パッカー誕生
  【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成17年9月7日発】
◎ タイ、対日EPAに大筋合意
  【シンガポール駐在員事務所 平成17年9月2日発】

◎ 欧州委、2004/05年度生乳供給量を公表

【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年9月30日発】


  欧州委員会は9月30日、2004/05年度(2004年4月〜2005年3月)のEU加盟25カ国
の生乳供給量の速報値を公表した。これによると、生乳生産割当枠(クオータ)に対す
る生乳供給量は、109万3,545トン超過し、これに伴う課徴金が3億6,382万ユーロ(約
498億4千万円:1ユーロ=137円)になる。

 EUの生乳生産は、84年から加盟各国別にクオータを定め、これを超過した分につい
てペナルティーとして課徴金を課す制度となっており、2004/05年度の課徴金は、1ト
ン超過につき、332.70ユーロ(約4万6千円)である。

 今回の発表による農家が乳業者へ出荷する「出荷クオータ」について見ると、EU25
としては、生乳供給量がクオータを超過してないが、旧加盟国(EU15)では、クオー
タ1億1,787万9千トンに対し、生乳供給量は1億1,827万6千トンと39万7千トン超過
した。これを加盟国別に見ると、9カ国でクオータを106万9千トン超過し、その課徴金
は3億5,564万7千ユーロ(約487億2千万円)となる。クオータを超過した国は、すべ
て旧加盟国であった。最も超過量が多い国は、ドイツで、前年より超過量が約4万3千
トン増加し、超過量は41万4千トン、課徴金1億3,761万ユーロ(約189億円)である。 

 ドイツに次ぐ超過は、クオータ超過の常連国となっているイタリアで、前年より約6
万トン減少させているものの、超過量は40万8千トン、課徴金1億3,575万ユーロ(約
186億円)である。

  ドイツ、イタリアのほかに出荷クオータを超過した国は、オランダ、スペイン、アイ
ルランド、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルグ、デンマークである。

 農家が直接消費向けに販売する「直接クオータ」ついて見ると、EU全体として、生
乳供給量がクオータを超過していないが、国別に見ると、イタリア、オランダ、イギリ
スの3カ国が超過した。イタリアは、1万6,594トン超過の課徴金552万ユーロ(約7億
6千万円)、オランダは、4,083トン超過の課徴金135万8千ユーロ(約1億9千万円)、
イギリスは、3,895トン超過の課徴金129万6千ユーロ(約1億8千万円)である。



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◎ FVO、イギリスのBSE対策調査報告書を発表

【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年9月29日発】

 EU食品獣医局(FVO)は9月28日、本年6月6〜15日に実施したイギリスでのB
SE対策の調査報告書を発表した。この調査では、BSE検査の実施状況、特定危険部
位(SRM)の除去およびその取り扱い、動物性たんぱく質の飼料給与禁止措置(フィ
ードバン)などばかりでなく、牛の個体識別および登録のためのシステムなど同国当局
により実施しているBSE対策について評価をしている。これによると、ほとんどの分
野で満足のいく経過であると結論付けている。これに関してキプリアヌ委員(保健・消
費者保護担当)は、「今回の良い結果の報告書により、欧州委員会が発表したTSE指
針(Roadmap)で設定したイギリスからの牛肉輸出解禁に関する2つの条件を満たしたこ
とになる」とコメントしている。

注)「TSE指針」では、イギリスからの牛肉輸出解禁について議論を始めるためには、
同国でのBSE患畜が成牛百万頭につき200頭を下回ること、および2005年6月のFVO
の検査で好ましい結果を得ることが必要であるとしていた。なお、EFSAは2005年3
月10日、同国の成牛百万頭につきBSE患畜は200頭以下であることを確認している。
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◎ GM作物禁止に要する費用は30億豪ドル(豪州)

【シドニー駐在員事務所 平成17年9月21日発】

 豪州農業資源経済局(ABARE)は9月20日、今後十年間、引き続き遺伝子組み換
え(GM)作物の作付けを禁止した場合、30億豪ドル(2,610億円:1豪ドル=87円)
の経費負担が必要との調査結果を発表した。また、世界各国ではGM作物の作付けを認
めており、この結果、豪州は世界市場における有利性、シェアを失いつつあるとしてい
る。国内では、ニュー・サウス・ウェールズ州の2006年3月までのGM作物の作付け禁
止を筆頭に、各州でGM作物に対する作付け禁止措置を講じている。GM作物に反対す
る農家団体は、今回の調査結果について、各州での見直しが迫る中で政府の意向に沿っ
た形で作られたものとして、引き続き慎重に対処しなければならないとコメントした。

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◎MLA、米下院で豪州の個体識別制度を説明

【シドニー駐在員事務所 平成17年9月21日発】

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は先ごろ、米下院の農業委員会の求めに応じ、
豪州の家畜個体識別制度(NLIS)について状況説明を行った。対応に当たったML
A北米事務所によると、農業委員会の関心は、収集データの取り扱いや強制もしくは自
発的導入の優劣などにあり、豪州では、強制措置がうまく機能していること、収集デー
タが慎重に取り扱われること、NLISの経費負担は牛肉輸出額や防疫対策の面で見れ
ばわずかなものであること、などを中心に説明した。
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◎ 米国上院、日本産牛肉の輸入再開延期に関する法案を可決

【ワシントン駐在員事務所 平成17年9月20日発】

 米国上院は9月20日、日本が米国産牛肉などの貿易を再開すると米大統領が保証しな
い限り、日本産牛肉の米国への輸入再開のための予算を執行できないとする農業歳出予
算案の修正案について議論し、賛成72票、反対26票の投票の結果、同修正案を可決した。

 今回、ネルソン上院議員(ネブラスカ州)により提出された同修正案は、現在、米議
会において審議中の同予算案に関するもので、日本からの牛肉輸入を可能とする「日本
からの牛部分肉の輸入」と名付けられた規則案に関連する最終規則作成のために、米国
農務省のいかなる歳出予算の執行をも禁止するとしたものである。

 今後、同修正案については、下院との最終決定のための議論の場で再検討されること
となる。

 米国農務省(USDA)は去る8月16日、2001年9月10日以降禁止されていた日本産
牛肉の輸入再開の条件となる日本からの牛部分肉の輸入規則案を公表した。しかし、一
部の上院議員からは強い不満の声も上がり、今月13日には、アラード議員(コロラド州)、
ロバーツ議員(カンザス州)など上院議員10名が、米国産牛肉の対日輸出が再開される
まで日本産牛肉の輸入再開を認めないとする書簡をジョハンズ米国農務長官あて送付し
たとされていた。
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◎ 2005年7月の牛肉輸出額、引き続き高水準を維持(豪州)

【シドニー駐在員事務所 平成17年9月20日発】

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は9月19日、2005年7月の牛肉輸出額を発表し
た。これによると輸出額は前年同期比6%増の4億3,620万ドル(379億5千万円:1豪
ドル=87円)に達し、引き続き高い水準を維持した。中でも米国向けは、月別では過去
2番目の水準となる前年同期比8%増の1億2,500万豪ドル(108億8千万円)を記録し、
韓国、台湾向けも前年同月比2倍以上の伸びとなった。一方、最大の輸出先である日本
向けは、国内市場の停滞を反映し、同6%減の2億2,100万豪ドル(192億3千万円)と
減少した。
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◎ イギリス、30カ月齢以上の牛がフードチェーンへ

【ブリュッセル駐在員事務所  平成17年9月16日発】

 イギリス環境・食糧・地域開発省(DEFRA)は9月15日、30カ月齢を超える(O
TM)牛の処分対策に代わり、BSE検査に切り替えるイギリス食品安全庁(FSA)
からの勧告を承認した。この変更は、11月7日から実施され、これにより、イギリスで
は30カ月齢を超えるBSE検査で陰性であった牛の肉が食肉として流通することとなる。
その際、96年8月1日(肉骨粉の給与禁止開始措置開始日)より前に生まれた牛は除外
される。

 これに関してDEFRAのベケット大臣は、「公衆衛生の保護は、政府の最重要事項
であることに変わりはない。DEFRAは、厳格なBSE検査が適用されることが確実
となるよう務める。今回の決定は、イギリス産牛肉の供給を増加させるとても素晴らし
いニュースである。また、96年8月1日以降に生まれた牛を可能な限り早期に輸出でき
るようにするためブリュッセル(欧州委員会)に働きかけていく」とコメントしている。
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◎ メルコスル内に巨大パッカー誕生

【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成17年9月7日発】

 ブラジル最大手の食肉パッカーFriboiグループは9月5日、アルゼンチン最大手の食
肉パッカーであるSwift Armour S.A社を買収した。両社は買収の内容については沈黙を
守っているが、Friboiグループが株式の半数以上を取得したことは確実で、かつ、ブラ
ジル金融関係筋によると買収額は2億ドルに達すると言われている。

 Swift社は冷凍加工肉、缶入り肉総輸出量のそれぞれ約6割と7割の国内シェアを占
めており、今回の買収により、メルコスル内に巨大パッカーグループが誕生することに
なる。
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◎ タイ、対日EPAに大筋合意

【シンガポール駐在員事務所 平成17年9月2日発】

 9月1日、タイ政府は、日本との経済連携協定(EPA)に大筋合意した。このこと
は、東京を訪問中のタクシン首相と小泉首相によって確認された。今後は実務レベルで
の作業を進め、早期の署名を目指すとしている。今回の合意に関しては、平成16年2月
に政府間の交渉が開始され、農業分野では既に今年3月末には全分野一括合意の原則の
下、最終パッケージに合意していたが、鉱工業分野、特に鉄鋼や自動車関連において調
整に時間を要したとされている。農林水産分野においては、食品安全関連などの農林水
産業協力や市場アクセスの改善などが盛り込まれている。 

 なお、農林水産品目の市場アクセスに関するの主な品目の日本側の取り扱いはつぎの
とおりとなっている。

 <畜産物>
  あひる肉など:関税即時撤廃。
  鶏肉(骨なし):5年で11.9%→8.5%に関税を削減。
  鶏肉調製品:5年で6.0%→3.0%に関税を削減。
  豚肉調製品:1,200トンの関税割当と20%の枠内関税削減。

 <野菜・果実など>
  アスパラ、オクラなど、マンゴーなど熱帯果実:関税即時撤廃。
  ねぎ、きゅうり:5年かけて段階的に関税撤廃。
  ももなど:7年かけて段階的に関税撤廃。
  オレンジ、オレンジ果汁など:15年かけて段階的に関税撤廃。
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