[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
でん粉 でん粉分野の各種業務の情報、情報誌「でん粉情報」の記事、統計資料など

ホーム > でん粉 > 生産現場の優良事例など > 「でん粉原料用ばれいしょの生産にかかる20年度営農改善指導基本方針について」

「でん粉原料用ばれいしょの生産にかかる20年度営農改善指導基本方針について」

印刷ページ

最終更新日:2010年3月6日

でん粉情報

[2008年3月]

生産地から

北海道農政部農業経営局技術普及課
主査 三宅俊秀


 北海道農政部では、毎年、農家の方々に営農計画を作成する際の参考としていただくため、道の施策や技術対策をとりまとめた「営農改善指導基本方針」を策定しています。この方針に基づき、地域の営農条件や経営形態などに応じた地域農業の振興をすすめています。


I 生産方向

 北海道のばれいしょは、でん粉原料用・食品加工用・生食用と用途の幅が広く、畑作の基幹作物として重要な品目となっています。
 その中で、でん粉原料用ばれいしょの作付面積は、平成11年以降横ばい傾向にあります(図1、2)。


  


 平成19年度から、水田・畑作経営所得安定対策(品目横断的経営安定対策)が導入され、ばれいしょでん粉は、市場の需給事情を反映した取引価格制度に移行しました。そのため、需給に見合った生産が必要となっています。
 20年産の作付けに当たっては、用途に応じた計画的な作付けと品種選定が重要です。また、市場原理が導入されることから、栽培コストやでん粉製造コストの低減が必要となっています。
 また、栽培面では、ジャガイモシストセンチュウの発生地域が拡大していることから、重点的な取組として、(1)シストセンチュウ抵抗性品種の積極的な導入、(2)茎葉の機械処理等のクリーン農業の推進、(3)早期培土など効率的栽培システムの推進、(4)加工・業務用など実需者の要望に沿った品種の選定と品質の向上、(5)でん粉専用品種による高品質で需要に見合ったでん粉生産などに努めることとしています。


II 技術指導の方針

 主産地の一部ではまだ過作や短期輪作により、土壌病害虫の発生などによる品質低下を招いています。今後とも、輪作体系の維持と実需者ニーズに対応する安全、安心な良質ばれいしょの安定生産を図ることが求められています。20年産のばれいしょ栽培に当たっては、次の事項に留意した良品質のばれいしょ生産が必要です。


1 ほ場の排水対策

 農業機械の大型化や堆肥などの有機物投入量の減少による耕盤層の堅密化や、土壌物理性の劣化による排水不良地が目立つことから、簡易排水対策として深耕・心土破砕等の土層改良に努める必要があります。


2 適期作業の実施と高品質安定生産


(1) 輪作と土づくり

 適正輪作を厳守するとともに、完熟堆肥などの有機物を施用し、地力の維持増進に努める必要があります。


(2) 無病いもの利用と浴光催芽

 種いもに由来する病害(黒あざ病・そうか病など)を防ぐため、無病種いもを使用するとともに種いも消毒を励行する。また、浴光催芽を励行し、萌芽不良の種いもや障害いもを除き、萌芽の斉一化と生育の促進を図ります。


(3) 施肥管理

 窒素肥料の多用は、茎葉の過繁茂やいもの過剰肥大、生育遅延による未熟いもの増加など、品質低下の原因になるので、適正に施用する。


(4) 中耕・培土

 中耕作業を効率的に行い、雑草の発生を抑えると同時に除草剤の使用を抑制する。また、培土は、土壌・気象条件、他作業との競合を加味し、早期に作業を行うと同時に、緑化いもの発生を防ぐため覆土量を十分確保する。


(5) 収穫

 収穫は、茎葉枯凋後に、いもを傷つけないよう丁寧に行う。気温が低下する時期には、
打撲による皮下黒変の発生を防ぐため、日中の気温の高い時間帯に作業を行う。収穫時の掘り残しは、野良生えがウイルス病やジャガイモシストセンチュウの伝染源になるので、掘り残しのないよう作業を行う。
収穫後は、傷いも・り病いも・奇形いもを除いて十分風乾し、貯蔵中の腐敗事故防止に努める。


3 病害虫対策

 各種病害は、発生予察に重点を置いて防除を実施し、農薬の使用回数を減ずることが重要です。


(1) 疫病

 FLABSによる疫病発生予察システムを活用し、持続効果の長い薬剤の選択、疫病抵抗性品種の積極的導入により農薬の使用回数を減ずる。


(2) ジャガイモシストセンチュウ

 ジャガイモシストセンチュウ発生地帯では、種いも、機械やトラック、靴などに付着した土壌の移動に注意する。また、密度を低減するために、発生密度に応じて抵抗性品種を積極的に導入し、さらに非寄主作物を組み入れた適正な輪作を行う。
 未発生地域では、採種圃産の種いもを使用するなど、まず線虫を侵入させないことが重要である。また、線虫を定着させないよう、抵抗性品種導入とともに4年以上の輪作を行う。


(3) そうか病

 適正な前作物の選択や緑肥の活用、抵抗性品種の利用、pH調整などにより軽減を図る。


(4) 粉状そうか病

 塊茎形成期間の低温多湿条件下で多発する病害で、塊茎形成期以降の土壌の多湿によって多発する。無病種いもを使用し、心土破砕などでほ場の透排水性の改善に努め、常習的な多発ほ場では薬剤防除を実施する。


(5) 黒あし病

 無病種いもを使用し、種いもの貯蔵は排水が良く、融雪水などが流入しないところに貯蔵する。また、コンテナ・切断刃・種いもの消毒を励行する。ほ場では早期に病株を抜き取る。特に原・採種栽培ほ場においては、発病株を塊茎単位で抜き取り、その新塊茎は全て搬出する。


(6) 食葉性害虫

 食害程度と減収割合を加味し、適正防除により農薬の使用回数を減じる。
 以上、でん粉原料用ばれいしょについて生産方向と技術指導の方針について述べました。
 北海道の恵まれた自然環境を生かして、自然と調和した安全・安心な農業を進めるとともに、消費動向に即したでん粉原料用ばれいしょ生産を推進していきます。




このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.