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中国のばれいしょでん粉生産

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最終更新日:2010年3月6日

でん粉情報

[2009年4月]

【国内外の需給動向[海外]】

調査情報部 調査課



 中国を含むアジア地域では、でん粉の生産および消費量が伸びており、世界のでん粉需給に大きく影響するとして注目されている。

 その中でも中国は、2007年には世界のばれいしょ生産量のうち22.4%を生産しており、ばれいしょ主要生産国の一つである。また、とうもろこしをはじめ各種原料からでん粉を生産しており、国内でのでん粉消費量は世界全体の15%以上を占めるともみられている。

 今回は、特に中国のばれいしょでん粉生産について、2009年2月に公表されたUSDA(米国農務省)のGAIN Reportなどを参考に取りまとめた。


1.中国のでん粉需給〜生産、消費ともに増加傾向〜

 中国では、とうもろこし、ばれいしょ、かんしょ、小麦、キャッサバ、緑豆など多様な原料からでん粉を生産している。これらのでん粉は、でん粉の状態で、あるいは糖化製品や化工でん粉、発酵製品などに加工され、食品、繊維、製紙などの産業で使用されている。

 2007年のでん粉消費量は1,443万トンで、そのうち97%の1,400万トンを国内で生産している。でん粉需要は、2002年の661万トンから、5年で2.1倍も増加している。さまざまな産業部門でのでん粉需要の増加を背景に、生産能力も増強されつつあり、2007年の生産能力は1,750万トンと、10年前の1997年の330万トンに比べ5.3倍に、5年前の2002年の750万トンと比べても2.3倍に拡大し、生産量もほぼこれに比例する形で増加している。


表1 中国のでん粉需給
(単位:千トン)
出典:Asia Market Information and Development Co., Chinese Markets for Starch

出典:Asia Market Information and Development Co., Chinese Markets for Starch
図1 中国のでん粉生産量および消費量の推移

2.ばれいしょでん粉

(1)原料ばれいしょの生産 〜政府では大幅な増産を計画〜

 ばれいしょの2008/09年度(9〜8月)の生産量は前年度比0.3%増の6,500万トンになるとみられている。天候などはばれいしょ生産にとって最適ではなかったが、加工向けでの需要が堅調であることを背景に、栽培面積が増加したことから増産が予想されている。

 主要なばれいしょ生産地は、内モンゴル自治区、甘粛省、雲南省、貴州省、四川省、黒竜江省である。特に内モンゴル自治区や山西省では、ばれいしょの販売による収入が、地方の農家収入の半分以上を占めるほど重要な作物となっている。一方で、土壌条件の悪いほ場で生産されることが多く、肥料などの投資も少ないことから、単収は年によって大きく変動している。

 中国農業部による最新のばれいしょ発展計画(2008〜2015)によると、2015年までに栽培面積を2007/08年度の約440万ヘクタールから800万ヘクタールに拡大し、生産量も同6,479万トンから2.3倍の1億5,000万トンにすることを目指している。さらに、生産量のうち25%を加工向けに仕向け、また、貯蔵や輸送による損傷を生産量の10%以下にすることも計画されている。


表2 ばれいしょの需給状況
(単位:ha、千トン)
出典:USDA(FAS)、GAIN Report

(2)ばれいしょでん粉生産 〜需要の拡大により急成長〜

 ばれいしょ生産量のうち1割程度が、ばれいしょでん粉、ポテトチップス、冷凍フライドポテト、乾燥ポテトなどの加工向けに仕向けられる。ばれいしょでん粉の製造能力は、年間60万トンと推定されており、2007/08年度の生産量は、35万トンとみられている。中国国内のばれいしょでん粉工場は、さまざまな規模の工場が数千工場存在し、多くが黒竜江省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、甘粛省、雲南省、貴州省に立地している。

 中国では、ばれいしょの冷蔵貯蔵施設および低温での輸送手段がないことから、ばれいしょ生産量のうち15〜20%が損傷をうけて廃棄されている。このことが、ばれいしょ生産および加工部門にとって、生産量拡大の障壁となっている。

 中国では、ばれいしょでん粉の輸入量が、2005/06年度には前年度に比べ2倍以上の増加となった。特に、EUからの輸入が増加していることから、でん粉産業は政府に対して、国内のでん粉工場が対抗できないとして、輸入でん粉が国内産業に及ぼす影響についての調査を要望した。調査の結果を受け、中国政府は、2007年2月6日からヨーロッパからのでん粉の輸入に対して17〜35%のアンチダンピング税を5年間の期限で課した。

 この措置を受けて、ドイツなどEU諸国からの輸入が激減し、2006/07年度のばれいしょでん粉の輸入量は前年度の9万5,839トンから80.4%減の1万8,798トンとなった。2007/08年度は、さらに前年度比29.2%減の1万3,307トンになるとしている。

 このように、輸入量は大幅に減少する一方、需要は、食品産業、繊維、製紙などの各部門で旺盛なことから、国内でのばれいしょでん粉産業は、輸入の減少を補う形で急速に成長している。政府は、第11回5年計画(2006〜2010)において、各産業部門の発展に伴ってでん粉需要は増加するとしており、中国でん粉産業協会(China Starch Industry Association)では、ばれいしょでん粉生産は年20%ずつ増加するとみている。


出典:USDA(FAS)、GAIN Report
図2 ばれいしょでん粉輸入量の推移

表3 国別ばれいしょでん粉輸入量
(単位:トン)
出典:USDA(FAS)、GAIN Report





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