畜産物の需給動向

 3 豚肉 


▼仲間相場
国産冷凍品
 国産冷凍品の「うで」「もも」の部位は、加工仕向けが、輸入品に大きくシフトしているため、長期にわたって価格は下落傾向にあったが、EUでの口蹄疫発生、同諸国からの一時輸入停止等により13年1月を底に上昇に転じた。しかし、14年6,7月をピークに、牛肉の代替需要(13年9月以降)、産地表示問題(14年3月)の影響が収束し、平年並みの価格に戻った。(図19、P.96)。
輸入冷蔵品

 米国産の冷蔵品ロースは、徐々に量販店等でテーブルミートとして定着し始めており、輸入量も増加を続けている。12年9月までは、輸入量の増加等もあって、価格は前年同月を下回って推移していたが、以降は前年同月を上回って推移した。年度平均では652円/kg(▲3.7%)とやや値を下げた(図20、P.97)。

輸入冷凍品

 デンマーク産の冷凍品のばらは、台湾産豚肉の輸入禁止措置やオランダでの豚コレラ発生等によるEU域内での需給のひっ迫感等から価格が上昇したが、その後10〜12年以降は落ち着いた動きであった。しかし13年2月にEUで口蹄疫が発生したことにより3月は価格が急騰したため、14年度は、平均では532円/kg(▲4.7%)とかなり値を下げた(図21、P.98)。
 カナダ産および米国産の冷凍品うでの価格は、同じような動向を示している。両者とも10.11年度と低下傾向にあったが、12年12月以降、徐々に値を上げ、13年4月には口蹄疫の影響により急騰し、カナダ産417円/kg、米国産359円/kgとなった。以後も14年2月まで前年同月を上回って推移したが14年度平均ではカナダ産345円/kg(▲9.7%)、米国産は280円/kg(▲13.6%)とかなりの程度値を下げた(図22、P.98)。