畜産物の需給動向

 2 牛肉 


▼国産枝肉卸売価格
15年度の卸売価格は、安定上位価格を上回り1,030円/kg(11.0%、東京・省令)
省令規格

図18 牛肉の卸売価格(東京・省令規格)

 枝肉卸売価格(東京市場)は、13年度には国内初のBSEが確認された9月まで堅調に推移していたものの、10月以降、消費者の牛肉離れから安定基準価格を下回り、年度末にかけて大幅に前年を下回った。14年度には消費の回復に伴い上昇したがBSE発生前(12年)の8割程度にとどまった。15年度には前年度が低水準であったことに加え、12月以降、米国産の輸入停止の影響もあり、前年同月を上回って推移したことから、年度平均では1,030円/kg(11.0%)と安定上位価格を上回った(図18、P.79)。
資料:農林水産省「食肉流通統計」
注1:省令規格は、去勢牛B2とB3の加重平均
 2:消費税を含む。
和 牛
図19 牛肉の卸売価格(東京・和牛去勢)
 和牛(去勢)の卸売価格は、13年度にはBSEが確認された9月までは弱含みで推移していたが、10月以降、前年同月を大幅に下回って推移した。14年度に入り価格は大きく回復し、15年度にはと畜頭数の減少による生産減の影響もあり堅調に推移した。しかし、年度平均でA5は2,346円/kg(7.0%)とBSE前(12年度)の水準までには回復していない。その一方で、A4は1,963円(10.8%)A3は1,733円(13.8%)、A2は1,484円(20.5%)とともに前年を上回っただけでなく、BSE前(12年度)の水準をも既に上回っている。(図19、P.79)。
資料:農林水産省「食肉流通統計」
 注:消費税を含む。
乳 牛

図20 牛肉の卸売価格(東京・乳去勢)

 乳牛の卸売価格は、13年度8月まで、特にB3について強含みの展開だったが、9月以降はBSEの影響で急激に前年同月を下回り、年度末まで大幅に低下した。14年度に入り価格は急速に回復し、15年度に入っても堅調に推移した。品質的に輸入牛肉と競合することもあり、米国産牛肉の輸入が停止された12月以降は価格上昇が顕著となった。年度平均でB3は750円(2.6%)、B2は628円(18.9%)となった。しかし、BSE前(12年度)との比較では、B3、B2ともに8割程度の水準にとどまっている。(図20、P.79)。
資料:農林水産省「食肉流通統計」
 注:消費税を含む。

交雑種(F1

図21 牛肉の卸売価格(東京・交雑種F1

 交雑種の卸売価格は、13年度8月までほぼ前年同月を上回って推移した。9月以降にはBSEの影響で、前年同月を下回り、さらに年度末にかけて、おおきく低下した。14年度に入り、価格は急速に回復し、15年度も堅調に推移した。年度平均では、F1去勢B3は1,260円/kg(13.0%)、B2は972円/kg(11.9%)と、BSE前(12年度)の水準にほぼ回復している(図21、P.79)。
資料:農林水産省「食肉流通統計」
 注:消費税を含む。