畜産物の需給動向

 2 牛肉 


▼輸入牛肉仲間相場
輸入牛肉の仲間相場は、米国産、豪州産ともに全般的に値を上げた
米国産

図22 輸入牛肉の仲間相場(米国産)

 米国産は、冷蔵リブアイロール(ステーキ用、薄切りでしゃぶしゃぶ、すき焼き用)は、13年度には全般的に堅調で、国内でのBSE確認後も年度末まで前年同月を上回って推移した。15年度入り原産地価格の上昇などを受けて堅調に推移した。15年12月には、米国でBSEが確認され、米国産牛肉の輸入が停止されたため、16年に入ると冷凍品に比べて品質保持期限の短い冷蔵品の卸売業者間での取り引きはほとんど見られなくなった。

 冷凍チャックリブ(上カルビ焼き肉用)は、13年度まで前年を下回って推移していたが、BSE後の国内での牛肉消費の回復に伴い、14年7月以降、前年同月を上回って推移した。特に米国でのBSE確認後は、米国産牛肉の輸入が停止され、国内の在庫がひっ迫したため高騰した。(図22、P.81)。
資料:農畜産業振興機構調べ
 注:消費税は含まない。
豪州産

図23 輸入牛肉の仲間相場(豪州産)

 豪州産の主力である冷蔵フルセット(グラス)は、13年には国内のBSE発生に伴い牛肉消費が減少したものの、輸入量も大きく減少したため、卸売価格は比較的堅調に推移した。その後、豪州での干ばつによる牛肉生産の停滞に伴う原産地価格の上昇などを受けて、15年度には前年同月を上回って推移した。特に、米国でBSEが確認された12月には、941円/kgの高値を一時的に記録した。年度平均でも689円/kg(23.4%)と前年度を大幅に上回った。

 ハンバーグなどに使われる冷凍トリミングは、13年度初めから堅調に推移し、国内初のBSEの確認以降も、堅調に推移した。14年度には、前年度をやや下回り、15年度前半は前年並みで推移したものの、15年10月以降、前年同月を大幅に上回って推移した。年度平均では381円/kg(8.7%)と前年度をかなりの程度上回った(図23、P.81)。
資料:農畜産業振興機構調べ
 注:消費税は含まない。