畜産物の需給動向

 4 鶏肉 


▼消 費
15年度の推定出回り量は、前年度をわずかに下回り169万7千トン(▲2.2%)
 鶏肉の推定出回り量は、12年度には、輸入品、国産品ともにわずかに減少した。13年度には、中国産および米国産の衛生問題により輸入品の需要が落ち込み、国産品はBSEに伴う代替需要から生産量が前年度をわずかに上回ったことにより、微増となった。14年度以降も引き続き輸入品の需要の落ち込みが見られ、BSEによる代替需要は14年度後半にはなくなったものの、国産品志向が続き、1羽当たりの重量の増加などにより生産量は前年度をわずかに上回って推移した。その結果、15年度の輸入品は14年度をかなり大きく下回る45万6千トン(▲10.6%)、国産品は124万トン(1.3%)とわずかに増加した(図14、P.100)。

 14年の鶏肉消費の構成割合は、家計消費33%、加工仕向11%、その他(業務用、外食等)56%となり、その他が4ポイント減少、家計消費と加工仕向けがそれぞれ2ポイントずつ増加した。(図15、P.67)。

 

図14 鶏肉の推定出回り量
図15 鶏肉消費の構成割合


資料:農林水産省食肉鶏卵課推計
   財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ
資料:農林水産省食肉鶏卵課推計

 

家計消費

図16 鶏肉の家計消費量(1人当たり)

 価格の安い鶏肉の家計消費量(全国1人当たり)は、11年度以降、増加傾向で推移した。13年度は9月に発生したBSEによる代替需要から年度後半は前年を上回って推移し、景気不振から食料消費減少傾向の中で前年度を3.0%も上回った。14年度後半にはBSEによる代替需要が収束したことにより前年度をわずかに上回った。15年度は16年1月以降の国内外での鳥インフルエンザ発生の影響により前年度をやや下回った(▲5.3%)(図16、P.66)。
資料:総務省「家計調査報告」

加工品仕向肉量

図17 鶏肉の加工仕向肉量
 鶏肉の加工品仕向肉量は、15年にタイ、中国、米国での鳥インフルエンザの発生により後半に鶏肉の輸入量が大幅に減少したため、輸入物は11,047トン(▲35.5%)と14年度に引き続き大幅に下回った。一方、国内物は32,810トン(3.0%)とやや上回った。(図17、P.67)。
資料:農林水産省「食肉加工品生産量調査」
   15年4月以降は「(社)日本ハム・ソーセージ工業協同組合調査」