畜産物の需給動向

 3 豚肉 


▼飼養動向
飼養戸数はかなり減少、飼養頭数は前年並み
 豚の飼養戸数は、飼養者の高齢化、後継者不足、16年11月より実施される家畜排せつ物の適正管理など環境対策への対応不足などから小・中規模の飼養者層を中心に減少し、16年2月1日現在の飼養戸数は8,880戸(▲5.8%)と引き続き減少した。

 飼養頭数は9,724,000頭(±0.0%)と、13年以降の牛肉の代替需要で5年ぶりに増加に転じた前年とほぼ同水準となった。

 その結果、1戸当たりの飼養頭数は、前年に比べ64頭増えて1,095頭(6.2%)となった。

 近年は、年に6〜8%程度の増加率で順調に頭数が増えていることから、大規模化の傾向が伺える。(図1)

 このうち、子取り用めす豚のいる戸数は、7,770戸(▲6.3%)、頭数は、917,500頭(▲1.2%)となり、繁殖めす豚のいる農家は、全体の87.5%を占めた。

 16年の肥育豚の飼養頭数規模別構成比を見ると、5年前の11年には「2,000頭未満」の階層が51.7%を占めていたが、過半数を割り込み44.0%に減少し、逆に11年に「2,000頭以上」の階層は48.3%であったが、16年は56.0%となって大規模化が着実に進んでいる。中でも減少が著しかった階層は、中規模層の500〜999頭の階層で、飼養規模の2極分化見られた。(図2)。

 豚の飼養頭数を県別に見ると、引き続き鹿児島県が1,378,000頭(4.0%)、シェア14.2%と第1位で、次いで宮崎県、茨城県、群馬県、千葉県となり、上位5県で全体の約40%を占めた(図3)。

 なお、上位5県のうち、3位以下の茨城県(▲4.0%)、群馬県(▲6.0%)、千葉県(▲3.0%)は対前年の頭数を割り込んだ。


図1 豚の飼養戸数、頭数の推移
図2 肥育豚の飼養頭数規模別の構成比


資料:農林水産省「畜産統計」
 注:各年2月1日現在
資料:農林水産省「畜産統計」
 注:各年2月1日現在

図3 豚の飼養頭数上位5県

 

 
資料:農林水産省「畜産統計」
 注:16年2月1日現在